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ファーラ達が其々の自己紹介を済ませると、波紋が広がるように室内が騒つき始めた。

突然現れた美しい男女が元ガルーラ国の王太子と王女だった事を知り、噂でしか聞いたことがなかった彼等がこれほどまでに美しい事に驚きを隠せなかった。

美しい三人が揃えば異様な雰囲気と威圧感がある。だが、そんな彼等を値踏みしてしまうのは致し方がないこと。これからは国同士の話合いになるのだから。


そんな国王達の考えなどお見通しのファラトゥール。せいぜい、皮算用でもしてな・・・と、心の中でほくそ笑む。


まずは、ガルーラ国は解体されレグルス国へと生まれ変わった事を報告。今後は他国に侵略する事はないことを伝えた。

そして森の中に出来ている三本の道は整備し、門を新設し出入国を管理する事。しばらくは自国の建て直しに集中するために、他国との交流は行わない旨を伝える。


その言葉に三国が食いつく。ここで交流を絶たれてはたまったものではない。

彼女がこの短期間で見せた魔法は、警戒もするがそれを凌駕するほどの魅力がある。

ファーラが繰り出す魔法があまりにも規格外過ぎて、資金と技術援助を口実に魔法関係の情報を引き出したかった。

「それは大変でしょう。我々の国から専門知識を持つ技術者を派遣することも可能です」

もっともらしい事を言ってはいるが、ファーラには彼等の考えなどお見通し。いつの世も、権力者の考えている事などだいたい同じだ。

「お心遣い感謝する。支援の申し出は有難いが、国内だけで事足りているので今回は遠慮させていただく。この先、我らだけでは立ち行かなくなった時に、その時にはこちらから改めてご相談させていただきたい」

まぁ、一生そんな日はこないけどね!と、心のなかでファーラは舌を出す。

まさか断られるとは思っていなかったのだろう。三国は、何故断るのか理解できないと言う顔をしていた。


だって、必要ないし私の魔法も見られたくないし。


その件で、しつこく食い下がられても鬱陶しいので、皆が一番気になっていたであろうファラトゥールとファーラの関係性に話を移した。

生れ落ちる瞬間に大魔法使いファーラの記憶が甦り、身を護るために無意識に魔法を使い、両親に似させて栗色の髪に鮮やかな緑色の目に変えたと。

「何もしなければ、恐らくひと悶着起きた事でしょう。王妃の不貞を疑い、誰にも似ていない私は冷遇されていたかもしれません」

セイリオス国王夫妻には全く似ていないその全て。確かに要らぬ騒動の種となり得るだろうと、誰もが納得する。

生物的な親でもあるセイリオス国王夫妻ですら微妙な表情だ。恐らく、危惧していた事に対し、完全に否定できない気持ちもあるのだろう。


ファーラとしての記憶は甦ってはいたが、五百年前よりも半分くらいしか力を振るえなかった事。

隠れて冒険者登録をし、冒険者として稼いでいた事。冒険者として名乗っていた名はあえて明かさなかったが、貴重な高ランク冒険者であることだけは明かした。

冒険者をしていた事は当然セイリオス国王夫妻も初耳で、顔色を無くしていた。


実は今の生の前にも生きていた記憶があり、それが甦ったおかげで五百年前と同じ、今ではそれ以上の魔法が使えることを話した。

記憶が蘇った切っ掛けを問われ、あっさり初夜での出来事も話した。

それに対し、周りからの責めるような視線に、セレムも気まずそうに顔を背けた。


そこまで赤裸々に話していいのかと思うのだが、話したところでレグルス国の脅威にはならない。

それに一番大事な情報は何一つ明かしていない。国民のほぼ全員が、高位魔法使い並の力を持っている事など、言うわけがない。

今ですら面倒くさい事を言ってくるのだ。それ以上に、なんやかんやと言い出されても面倒なだけなので、話して大丈夫な事だけ話すことに決めていた。


廃れてしまっているはずの魔法を自在に使えるという事で、すでに他国への牽制になっている。

そして、その脅威を一番わかっているのは、人身売買の解決に協力していたアトラス国王。

本能的に理解しているはずだ。彼女にはきっと誰も敵わないと。欲をかけば手痛いしっぺ返しがくると。

他の二国もそれに気づいていればいいのだが。


本来であればこのような会談には、三国の様に大勢の護衛やら何やらを引き連れてくるのだろうが、ファーラ達はたった三人で乗り込んだ。

転移魔法を見せつけ、それだけでも相手に対する威嚇は十分だから。

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