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アシアスは内心ドキドキしていた。

これまで触れたくても触れる事が出来なかった話。


そこに自分が知りたい真実がある。ファーラ様が何者なのか知りたい。

それを聞いてから国王に会うか決めてもいいだろう。俺が国王に会う事で早期解決できるのなら、協力したい。

ただ、早期解決を望む理由を知りたい。その内容次第で、協力できるか考えたい。

・・・・・解決して、ファーラ様が俺達の元から離れていくのであれば・・・・・


仄暗い考えに捉われそうになり、アシアスは無意識に頭を振りファラトゥールへと意識を向ける。


そんな彼の気持ちなど知る由もなく、真剣な眼差しで見つめてくるアシアスにファラトゥールは、ふむ・・・と腕を組んで目を閉じた。


そうよね。私が何者か、気になるわよね。

よくこれまで追求しなかったなぁって思うわ。ってか、聞くなオーラ出してたもんね。

でも、そろそろいいかな・・・・協力してもらうんだから。それにもう、誰よりも信頼できる仲間だし。

最終的には全部話さないと、事が進まないからね。



「私がこの問題を早期解決したいのは、アシアスの言う通りガルーラ国民の為じゃないんだよね。単純に、自分の為なんだ」

そう言って、肩を竦めた。

「私の今世の名前は、ファラトゥール・セイリオス。セイリオス国の王女よ」

「え・・・?」

「セイリオス国の?」

アシアスとルイナはすぐには理解できずにいたが、理解した瞬間勢いよく立ち上がり「えぇぇっ!!」と叫んだ。


「今のこの姿が私の本当。セイリオス国にいた時は、ずっと偽ってこの姿だったのよ」

そう言って、指を鳴らせばファーラの時とは全く違う雰囲気の、栗色の髪に鮮やかな緑色の目の女性になった。


ファーラがどちらかと言えば凛々しい綺麗系とすれば、ファラトゥールは美しいがどちらかと言えば可愛らしい。

「容姿も、違うのですね・・・」

ルイナはファーラとは違う、美しい緑色の瞳を見つめた。

「容姿はね、セイリオスの両親に似せているの。だって、本当の姿で生まれたら、色々問題が起きちゃうでしょ?」

「それはそうですね・・・・全く似てませんもんね・・・・」

力が抜けたかのようにルイナは、令嬢らしくなくまるで落ちる様にポスンとソファーに座った。



ルイナが座っても、アシアスは呆然としたように立ったままでピクリとも動かない。

「アシアス?どうしたの?」

ファラトゥールが声を掛ければ、弾かれた様に身体を震わせ・・・・・いや、悲壮な表情で本当に震え、そして叫んだ。


「ファーラ様・・・・ファーラ様がセイリオス国の王女殿下だとすれば、アトラス国のレインフォード公爵と結婚してますよね?!」

「えっ!ファーラ様が結婚?」

一度座ったはずのルイナがまたも勢いよく立ち上がった。

「あぁ、知っていたの?まぁ、ガルーラ国を牽制するための婚姻だったから、当然か」


その話が聞こえてきた時には、ガルーラ国の上層部はかなり緊迫した状況になったのだから、王太子であるアシアスも知っていて当然の話だ。


「そうよ。実は、この国の問題を早期解決したいのは、この結婚が大きく関わっているの。初めから説明するから、二人とも座って」

ファラトゥールに促され、興奮冷めやらぬ二人が座ると、魔法を解き本来の姿に戻した。


そして、自分が産まれた時から今に至るまでの話を二人に語ったのだった。


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