そして突然に
書き溜めてないので、スローかと思いますが、宜しくお願いします。
任務地でのその日の防衛任務は過酷すぎた。黎明に轟くアラートに叩き起こされ、待機仲の部隊がスクランブル発進するのを、寝ぼけ眼でぼんやりと見送った。
アラートでの目覚ましは宿舎での寝起きのモーニングコールには、いささか過激過ぎる。
急ぎ着替えて早速待機任務に付き、待機所のソファーに腰を沈めるやいやな、続報が届いて来た。
「恐らく敵制空機およそ50機、対地ローター機約30機、爆撃機若しくは、輸送機らしい機影が少なくとも
20機です!」
「防空識別圏になをも向かって来ています。此方の基地無線局からの呼びかけと、スクランブル発進した部隊からの呼びかけにも、何も返答は有りません。」
「地上防空部隊は直ちに戦闘配置に付いて下さい」
刺激的過ぎるアナウンスが待機所の天井のスピーカーから流れて来た。
朝っぱらから、蜂の巣を突く勢いのアナウンスである。
同僚の滝少尉が「敵さん何時もの領空侵犯にしては本気すぎないか?」と、やや顔を強張らせてつぶやく。
敵航空機の数から、相当数の機体がスクランブル発進したと予想され、その数からAWACSのE2CやJWACSも緊急発進したと思われる。
我々の愛機はハンガーで、慌てて発進準備中で各種の飛行前点検から、エンジンの暖機運転やら、搭載する武装の装填やら、燃料搭載やらで、てんやわんやで有る。
もちろん、ドロップタンクを搭載して、燃料を積むのか、機体に積載出来るだけ積んで、武装を多めに等のマニュアルは当然あるのだが、今と成っては宛に成らないのが現実で、ハンガーから何方を選びますかとの質問が来た。
嫌な続報が届いて来た。
天井のスピーカーからでは無くて、我らの中隊長様からだ、中助曰く、EEZぎりぎりの海域に進出した敵船から発艦したローター機は、我が国の潜水艦に先制攻撃して、1隻撃沈されたとの事。
続く続報に凍り付いた。
「航空戦力は互角で、一旦は相手は退い」との談……
まずは良い、まずはね。互角って……
えーと、質で勝ってるんではなかったっけ?わが軍は……
先発のスクランブル機の損耗は、他の基地からの部隊も合わせて出撃48機の内、被撃墜6被弾7で、相手には撃墜12機、被弾15機と我が国優勢などと政府広報なんだけど……
はい、脂汗かいてる間に私の出番が来ました。
「私の機体には、増槽無しでお願いできますか?」と整備班長に声を掛けた所、
「撃つだけ打って帰って来る気だな!」
バレてーらw
「そんな事ないですよ!効率ですよ!」と脂汗…
「なら、効率良く頼むぜー」っと髭面のおっさんの談。
昨日まで平和な国だったんだけどなーと。
えーと、需要あるかな?