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第89節 暗い世界で一人 タマズサの声
彷徨うことをやめたわたしは暗い暗い樹々の海にその身を委ねると、少しずつズブズブと呑み込まれていった。
そしてわたしはいつの間にか大樹の影にひっそりと根を張るタマズサとなって語りかけた。
(もういい。もうイイんだよ……。)
わたしは頑張ったじゃない。
これまでも頑張って頑張って、頑張ってヒカリを探し続けて……それでもダメだった。
わたしのすべてを振り絞ってもダメだった。
頑張る事はつらい事でしょう。
頑張る事は疲れる事でしょう。
もう頑張らなくていいよ。
もうわたしに優しくしてあげようよ。
もうわたしを楽にしてあげようよ。
わたしは応えた。
(そうだよね。もういいよネ……。)
わたしの努力は報われない。
何をやっても報われることはない。
そうやって報われない努力を尽くした果てにやって来たのがこの場所。
暗い樹々が支配する一片のヒカリも届かない闇の中。
だったらもうここで根を下ろして、何もかもされるがままに任せればいい。
ここがわたしの終着点。
わたしが一生をかけて得られた成果。
(これで終わり。ふ、フフ……。あハハ……。)
わたしは嘲笑った。
そうしてわたしは目を閉じると、それきり考えることもなくなり、暗い樹々の海に呑まれるに任せていた。
そして――




