第13節 彼女の失敗
揚々と先を歩く妹の友人について行ったがどうも様子がおかしい。
おろおろと自信なさげにしているように見える。
しばらく彼女に任せていたがそこでふと気づいた。
妹たちがオオトリに逢ったあの日、彼女たちはこの森を彷徨っていたのではなかったか。
だから、案内しようにもどこでオオトリと遭遇したのか分からないのだろう。
そのことにも気付かないまま先導を買って出て、そして今、そのことに気付いてもなお、後に引けなくなって先を歩き続けるとは。
(年相応に迂闊な娘だな。)
可愛げと馬鹿馬鹿しさを感じずにはいられない。
彼女が先を行くのをいいことに遠慮なく笑みを漏らす。
妹と同じ年だというが、性格はだいぶ違う。
妹ならばそもそも先導を買って出ることはないし、道を聞いても自信なさげに「……たぶん、こっち……。」と指を差すだけだろう。
年老いた両親に代わって妹の面倒を見ることが多かったが、妹にはもう少し積極的になってほしいと願っていた。だが、その友人の積極性を見るに、
(必ずしも積極的である必要はないか。)
と考え直さざるを得ない。いや、積極性が不要なのではなく、自分の失敗を申告できる素直さが必要といったところか。
「野営しよう。今夜はここで見張る。」
まだ、昼過ぎである。野営の準備に入るには早いのだが、いつまでも己の失敗を言い出せずにばつが悪そうな彼女を見るのは忍びない。
(そもそも、最初にオレが案内を頼んだことがいけなかったのだ。)
そう思ったが謝りはしない。なんだ、結局オレも彼女と同じじゃないか。と自嘲する。
「はい……。」
なんだか申し訳なさそうな返事をする彼女を見て「やはり、可愛げはあるな。」と思った。




