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模型店探してちょい散歩

 ハシルはレースを終えた子供らのもとへ駆け寄った。

「言葉が通じるかわからねぇけど、やるだけやってみっか」と呟いて。

 突如駆け寄ってきた青少年=走るに反応する地元の子供たち。

「お兄さん、誰?」

 どういう理由なのか不明だが同じ言語を発した。ハシルの口が小さく「ラッキーだ」とささやいた。

「あのさ、君らの持っているその車のマシンについて訊きたいんだけど?」

 すると少年の一人はこう返す。「あぁ、魔導四駆のこと? 知らないの?」

「遠い場所から旅して来たからな」

 あながち間違いではないのだが、外国から来た程度の意味合いの言い回しをハシルはチョイスした。

「街中の模型店に行けば普通に売っているよ。オイラたち子供でも手軽に買える値段でね」

「へぇ。で、その模型店はどこにあるんだ?」

 少年たちは左の方角を一斉に指さした。そして「あそこをまっすぐ行けばあるよ。四駆のイラストの看板があるからすぐに分かるよ」と懇切艇に説明してくれた。

「おう! サンキューな。じゃ、兄ちゃん、行ってくらぁ」

 ニカッと屈託なく笑んでハシルは子供らと別れ、模型店へ目指したのだった。


 歩いて離れていくにつれ、子供らの姿が小さく(見えるよう)になっていく。

「へへ。親切な奴らだ。……と言いたいが真偽不明だからなぁ。警戒心を持ちながら行くだけ行ってみっか」

 歩きながらハシルはまた別の懸念をする。

 それはこの世界のお金のことだ。

 ポケットに入れていた財布を手に取り、凝視する。

「一応、元の世界の金は持っているけど……。この世界特有の紙幣は持っていないんだよなぁ。どうしたものか。流石に子供に金借りるワケにはいかねぇし……」

 平坦な陸地を経て、街中へとハシルは足を踏み入れる。

「あー。こう来るかぁ~」

 目に入ったのは新鮮な異世界の街並み。……ではなく、現実世界と大差ない下町臭い商店街の風景だった。もっと具体的に言えば1990~2000年代日本にタイムスリップしたかのような風景であった。

「ファンタジー感ねぇなぁ。ある意味ファンタジーだけどさぁ」

 なんとも言えない感想を持ちながらも一歩ずつ進んで目的地をハシルは目指す。

 しばらくしてレーシング魔神らしき絵の看板がぶら下がっている小さな建物。

 いかにも地元の小さな模型店がそこにあった。

「おーし。ここだな……」

 ドアを開け、ハシルは異世界模型店?へと足を踏み入れた。

「いらっしゃい。初めてのお客さんかな」

 気さくに話しかけてきた小太りのエプロンをかけたおっちゃん。レジに待機しているので、店長か店員で間違いない。今更日本語ペラペラに喋られてもハシルは気にも留めない。

「おっちゃん、この金でここの商品、買える?」

 ハシルは財布から無造作に取り出し、100円玉を見せた。

「ん? 君のお金? どれどれ……」

 おっちゃんはゴーグルを眼もとへセットしてハシルの持つ100円玉をスキャンしていく。

「なんだあのゴーグル?」

 呆気に取られている間にゴーグルからOKの判定が出る。

「ニセモノじゃあないようだね。うん大丈夫。そのお金でちゃんと買えるよ」

 ハシルの額からポロリと汗が落ちる。

「マジか……。この世界、どうなっているんだ? 中途半端にファンタジーだ……」

 果たして、ハシルは無事、魔導四駆を購入できるのか? 以下、次回ぃ!




















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