〜プロローグ〜 ハジメテノデスカイ⑤
よくわからない空気の中、1人の少女が声を張ってそう言った。
「花の名前は岩下花っていうの!宜しくね!でも、花より可愛かったら許さない!きゃははははっ!」
花ちゃんはなぜか高笑いをしていた。
「花ちゃん…テンション高いね…」
「きゃはっ!当たり前じゃん!花も合わせてみんな誘拐されたんでしょ!それに、花がここに一番早く着いて暇だったから、廊下に出て一通り調べてみて出口っぽいのはあったけど、扉が固くて開かなかったんだよ!つまり、花達は、誘拐もされて監禁もされてるってわけっ!きゃはっ!」
扉が開かない?
それに、誘拐も監禁もされた?
「なん…だとっ…」
「誘拐...」
「花が力がなかっただけじゃないの?」
制服姿の高身長の女子高生が花ちゃんに尋ねた。
確かに、この子ひ弱そうだし、その可能性はあるな…
「あ?花、可愛いけど力くらいあるわよ!…あ、私が可愛いってこと!ありがとう!きゃはっ!」
「はぁ…花そういうとこ直したら?」
「うるさいわねっ!それに、もし美男子達が監禁されるってシュチュエーションだったら、ますます興奮しない?はぁっ…はぁっ…」
花ちゃんはわけのわからないことを言い出したかと思えば、今度は顔を赤くしていた。
この子、大丈夫かな。
「花、抑えて抑えて!」
「ええっと…じゃあ、そっちの女の子自己紹介お願いできるかな?」
元山さんが花ちゃんを鎮めていた制服姿の高身長の女子高生に声を掛けた。
「あ、はい!私は、山村彩里って言います!花とそこの海と同じ、七岡中の卒業生です!」
彩里ちゃんははっきりとした声で自己紹介をした。
これで確信が持てた。
ここには数名、七岡中という関係を持った人たちがいる。
「そういえば、私のプリ知らない?」
プリ?
プリってなんの略だろう。
「プリクラデスカー?」
「そうなの。ここに来る前まではあったのに、プリがきえたんですけどー?」
あ、プリクラのことか。
そういえば、私も確かカバンとかスマホが無かったな…
「彩里ちゃん、私もスマホが無いの」
「そういえば、俺の仕事道具も無くなっていた」
みんなの道具が消えてる…!
一体、どういうこと…!?
「私は、私はどうすればいいの!?」
彩里ちゃんは目を大きく開かせながら、慌て始めてしまった。
「あー、でちゃったね!この子ね、厨二病なんだー。すぐにドラマの言葉とか使いたがる子なんだよ」
花ちゃんが挑発するように彩里ちゃんに言う。
「うるさい、貴方には関係ないでしょ!」
彩里ちゃんは怒りながら言った。
「ほら、また!きゃはっ!」
花ちゃんは挑発をやめない。
あぁ…
その辺にしといた方が…
「もう、いいっ!」
彩里ちゃんは、拗ねてしまったようだ。
この二人とは同い年だけど、仲良くやっていけるか心配だな…
あれ?
仲良くやっていける?
どうしてそんなことを考えてしまったのだろう。
まるで私は、この子たちとしばらくの間過ごすみたいな…