〜プロローグ〜 ハジメテノデスカイ④
「で、次は誰が言う?」
元山さんがみんなに尋ねる。
すると、ある人物が大きく深呼吸をした。
「俺だーー!おいお前らっ!なんで1番に言わねんだ!馬鹿タレが!」
何かと思えば、大声で叫び出すガタイのいい男性。
「じゃあ、あんたが言ってくださいよ!あれ結構恥ずかしかったんですよ!」
元山さんは恥ずかしそうに言った。
今のちょっと可愛かったかも…
「そんなことどうでもいいんですよ!俺の名前は畑山義昭だ!七岡中で体育教師をやっている熱き熱血教師だ!宜しくな!!うえーーい!」
言ってることがめちゃくちゃだ...
元気な人だな…
「まあまあ、落ち着きましょうね〜。皆さんの迷惑になってますね〜」
穏やかそうな男の人が畑山さんを静める。
「これが落ち着いてられますか?大黒先生!七岡中の卒業生達と会えたんですよ!嬉しくてもう、先生…先生…うわーーん!」
叫び出したかと思えば、今度は泣き始めた。
喜怒哀楽が激しい人だな…
「はいはい落ち着きましょうね〜」
「わー、泣いてるーいい大人が。先生だっさーい」
「男は泣きたい時は泣けばいいさ、でもちょっと引く」
他の人たちが追い打ちをかける。
そういえば七岡中って川山さんもそうだったような…
それに、他の人たちも畑山さんと親しげにしているってことは知り合いなのかな。
「畑山先生泣き止まないんで、僕の自己紹介いきますね〜」
今度は穏やかそうな男性が自己紹介をするみたい。
「ええ、そうして下さい」
「僕はね、9年前、その日は雨が降ってて車で運転していた時に青信号の時に車で走ったら、歩行者側が赤信号なのに、それを無視して右手にスマホ、左手に傘を持った状態で歩行者側の人歩いていたんですね〜」
大黒さんは何かを語り始めた。
これ、自己紹介だよね?
「そしたら、ぶつかっちゃいまして、窓ガラス割れちゃいましたね〜」
「貴方もでしたか!?」
さっきのことがあったからか、驚きを隠せない元山さん。
「ここまでが、僕の事故紹介ですね〜」
「ってそれ、自己紹介じゃなくて、事故紹介じゃないですか!?」
思わず、突っ込んでしまった。
あれ、この会話前にもどこかで聞いたことがあるけど気のせいかな?
「大黒先生、ふざけてないで真面目にやって下さい!」
川山さんが大黒さんに怒り始めた。
「すみませんね〜。僕の名前は、大黒明宏ですね〜。国語教師をやっていて、数学も少しいけますね〜。宜しくですね〜。特にそこの女性2人、宜しくですね〜!」
大黒さんの視線はミソナさんとまだ自己紹介をしていない怖そうな女性に視線が向けられていた。
「エ?」
「…」
ミソナさんは驚いていた。
でも、まだ自己紹介をしていない怖そうな女性の人はイライラしている感じがする。
「大黒先生!そういうのは良くないと思いますよ!日本人たるもの、平等に…!」
畑山さんは妙なところで大黒さんに注意をした。
そこじゃないでしょ。
「畑山先生、立ち直り早っ!」
確かに、立ち直りが早い。
あんなにも号泣していたのに。