〜プロローグ〜 ハジメテノデスカイ①
「んーっ、あぁーーー!疲れたー!!やっぱり体育ありの6時間授業で部活まであるなんてもーくたくた…早く家に帰ってお風呂入りたいなー」
誰もが平和に暮らすこの町、ピースタウン。
ちょっと珍しい名前の町だから最近ではよく雑誌に掲載されたりもしている。
「あ、自己紹介がまだだったね。私の名前は、山本結衣。平凡で、だけど少し多忙な毎日を送る、今をトキメクゲーム大好き普通の女子高校生!なんちゃって!」
正義のヒーローに憧れてて、曲がった事が嫌いなんだ。
芸能事務所も入っていて、自分で言うのも変だけど、成績優秀で運動神経だって抜群なんだからっ!
今は1人暮らしをしてて学校も楽しい、何一つ不自由なく暮らしている。
でも私には、悩みみたいなのが1つあんだ。
それがね、記憶がないことなんだ…
記憶って言っても、断片的に欠けてるだけで日常生活では特に不自由とかしてないしまあ良いかなーって!
「今何時だっけ?スマホスマホー…18時か…って充電が切れそう。ゲームし過ぎたかー」
しまった、登校中にゲームし過ぎた。
こうなったら…
「さーて、家まで走るぞーよーい…ど…ん…んー!…ん!ーー…んんーーー…!」
それは、一瞬の出来事だった。
突然、背後からハンカチのようなものを口に押さえつけられてしまった。
そこからの記憶はない。
―0日目―
「う…うぅ…」
頭が痛い。
ここはどこかの部屋見たい。
近未来的な部屋に、デジタル型の机。
それに、何分いや、何時間経ったのだろう…
時計があった。
今は、8時35分…
私が家に帰るときスマホの時計見たときは…
そうだ。
スマホ。
確か、ポケットに入れてたはず…
あれ。
無い…
スマホが無い。
その後も制服の中をあちこち探した。
そうだ。
カバンの中ならあるかもって…
あれ。
カバンも無い。
一体どういうこと。もう訳わかんない…
思い出した。
私は、何者かに誘拐されたんだ。
突然の誘拐、近未来的な部屋、消えた私物…
頭が真っ白になり、机に顔をくっ付けた…
冷たい…
机の中にも手を入れた。
ここの机は、かなりでかい。
会議室とかかな。
取り敢えず、ぼーっとしてても仕方ない。
この部屋に何か手がかりがあるかもと思って入れてみたら机の中に何か紙みたいなものがあり、そこにはこう書かれていた。
(正義のヒーローを目指す山本結衣様へ入学式と事前指導を行いますので、至急に司令室にお集まりくださいませ)