表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

第五話 地上へ

この話で地下脱出編は終了です。この話はかなり短いです。

 早速転移魔法を使おうとしたのだが、ここで一つ問題が発生する。遠距離の転移魔法は、普通ワープ地点を登録して行う。視認出来る程度の距離の場合は、登録しなくても使える。イメージが出来るか否かの違いだろう。


「それなら空間魔法と併せて使えば地上に出られるんじゃね?」


 答えは結構簡単に見つかった。ただ、これが成功するという確証はない。少し位相がずれて「つちのなかにいる。」状態になれば、目も当てられない。でも、今の俺にはあの研究者から貰ったあれこれがある。不思議と不安という物はなかった。


 転移魔法は、レベル1の場合、ワープ地点は三カ所まで設定可で、発動まで5分かかる。それに比べてレベルMAX(レベル20)の俺の場合、ワープ地点は九十九カ所、発動まで0.1秒だ。

 なので、この部屋もワープ地点に登録しよう。結構有り余ってるし。それに、この部屋は既に俺の第二の故郷のようなもの。無事、この世界を護り抜いて、報告しに行こうじゃないか。

 この部屋をワープ地点に登録し、本と武器は収納魔法(レベルMAXなので無制限に使える)に入れた。これで旅の準備は完了だろうか。まあ、忘れ物があれば転移魔法で戻ってくればいい。

 俺は空間魔法を使い、ひたすら上の方を見ていくと、地上の様子が確認できた。地上の様子を確認すると、そこには兵士が大勢いた。それから周りを見渡してみると、西洋風の大きな城があった。状況から察するに、城の兵の訓練場といったところか。

 ただ、今回の目的は転移場所だ。いきなり訓練場に見知らぬ物が現れたら、ただでは済まないだろう。城の外は城下町になってるだろうし、この城のことも気になるからあまり遠くには行きたくない。城の中は転移先がちょっとずれると壁に埋まりそうだし。こうなると、城の上に転移するのが安全だろう。

 城の上なら、余裕を持って高めに転移すれば埋まる危険性はない。このステータスなら多少高いところから着地しても耐えられるだろう。それに城の上は誰からも見つかりにくいだろうし、こちらからはいろいろと観察しやすい。転移先には絶好のスポットだろう。

 俺はしっかりとイメージを固め、転移魔法を発動した。俺は一瞬で屋根の10メートル上に現れた。普通に着地しても大丈夫そうだが、俺は怖くなり、咄嗟に風属性魔法を発動した。加減を間違えていれば余計に悲惨なことになっていただろうが、風魔法は無事成功し、ゆっくりと着地することが出来た。


「これって、うまく使えば空も飛べそうだな。」


 屋外に出られたので、魔法の練習や実験もいろいろ出来そうだ。それはさておき、俺は周りを眺めてみる。

 空間魔法で五十人程集まっている空間を発見したので、そっと窓から覗いてみる。不思議な光景が目に入る。三十人程の魔術師が、円を作っていた。その内側に居るのを俺は確かに見た。見慣れた服装をした、見慣れた顔ぶれたちが、魔法陣の中で倒れているのが。


 あの時、俺と一緒に教室で残っていた10人が。

これで地下脱出編は終了です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ