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10階へ降りる


「ここからは餓鬼がでるわ、さっきのヒダル神の延長みたいなものよ」

「さっきみたいな特殊な能力はないけど身体能力は高いから気をつけなさい」


先ほどと違い餓鬼の姿は四肢は細くおなかだけ出ている姿、初めての人型であった


躊躇するかと思ったが 襲ってくる必死さが常軌を逸していたため こちらもそんなことを考えてる暇はなかった


だがスキルを解禁し、さきほどよりも数が少ないため それほど手こずる事もなかった


順調に14階まで降り15階へ続く階段の前まで着く


千代が止まり


「私が来た事あるのはここまでよ」


「あなたを認めるわ 角がいうほどまでとは思わないけど・・・・・」


「明日からよろしく 玄一さん」


いままでと違い礼儀正しく一礼する


「こちらこそよろしくお願いします 千代さん いろいろご教授お願いします。」


こちらも礼儀正しく一礼を返す


「あと玄一でいいですよ」

「私も千代でいいわ」

「じゃあ下へ降りるわよ、次は私も手を出すから」

「へ・・・・・」

認めてもらって帰るって感じじゃないんすか・・・・・


少し打ち解けられた事はとてもいいことなのだが・・・・



その後も順調に下の階へ進んでいったが千代の手助け、連携もあり苦戦することもなくすすんだ


途中千代に階層の魔物の変化に法則性があるのか聞いてみたが


ダンジョンによって異なるらしい、それに同じダンジョンでも時の流れによって変化があるということだった


19階 魔物は相変わらず餓鬼であった、次の階辺りで違う魔物に変わるかもと思っていると


「ギャーギャー」


突き当りのフロアから餓鬼の声が聞こえてくる・・・単体ではなく複数いるようであった


「なにかしら・・・ちょっと慎重に進んで中の様子をみるわよ」


「ああ・・・」


餓鬼は会敵してもこちらを確認しない限り声を上げる事はなかった


逆にこちらが餓鬼を確認しなくても むこうが叫び声をあげて襲ってくるので


不意打ちみたいな事ができるような感じではない


声が聞こえるということはもうすでになにかと会敵している??



何事かと思い通路の影に隠れつつ中を伺う


二本角の赤い裸体で筋肉隆々体長は2mをゆうに超える 見た目は完全に桃太郎ででくる 赤鬼 漫画でみられるデフォルメ感はまったくない、


餓鬼が赤鬼に群がるが相手になっていない 一方的な殺戮であった


腕に噛みついた餓鬼が腕を振るだけでふっとんでいき壁に当たり消えていく・・・


魔物同士でも争うものなのか・・・・・


「まずいわ・・・・戻りましょう・・・・」


千代は一目みて自分の魔法で致命傷が与えられるようにみえなかった


「確かに あれは・・・勝てる気がしない」


静かに反転し来た道を引き返そうとすると、餓鬼達の声がやんだ・・・・


「餓鬼達が全滅したみたい・・・急ぐわよ」


「急ごう・・・」


小声で会話をする


身を低くし来た道を戻る ちょっと後ろの様子を確認するために振り返る


ちょうどフロアで一番自分たちのいる近くを赤鬼が通った事でびっくりして屁がでてしまう


「ぷ~」


よかった実はでてないようだ・・・・・この歳でダンジョンでお漏らし しかも女の子の前


ある意味自分を褒め称えたかった


「あんた 今しないでよ!!」


「あ・・・・」


「千代さん・・・声の音量が・・・・」


赤鬼が戻ってきて 目が合ってしまう


「気づかれた 走れ!!」


千代を急かすよう両手で押す


姿勢を低くしていたせいで 尻をもろに押してしまった なんかもういろいろ大変な事になったので 


千代を追い越しダッシュ!!


赤鬼も追ってくる、そして千代も鬼の形相で俺を追ってくる 赤鬼から逃げてるというより 

俺を追っている感のほうが強い・・・


まさか一体でも敵わなそうな鬼が二体に増えるとはダンジョンとはかくにも恐ろしいところである


もしかして人の心にはみな鬼が住んでいるのかもしれない・・・・・



来た道を戻り次のフロアに入る、そのまま突っ切ろうとしたが前方から




一本角の青い裸体で筋肉隆々体調は2mをゆうに超える(ry


がフロアに入るところであった


くっ 鬼三体VS俺一人 絶望が上塗りされる


だが青鬼はこちらに気づいていない・・・・もしくは気づいているが意に介してないようであった


が流石に青鬼が帰りの通路の立っているのにそこを通る事はできなかった


すぐに進路を変更し、フロアの隅の岩の木陰に隠れる


後を追ってきた千代も同じ岩に隠れた


流石に命がかかっているので 先ほどの尻の件を今は追及してこないようであった 息を潜め青鬼がいなくなるのを待つが


赤鬼が追い付いてきたようだ



赤鬼と青鬼がフロア中央で対峙する お互いをにらみ合い 微動だにしない


すると赤鬼が動き 青鬼の胸に右ストレートを入れる  青鬼はふみとどまる


次に青鬼が赤鬼の胸に右ストレートを入れる   赤鬼も踏みとどまる


交互に殴り合っているようであった


「あいつら 味方同士じゃないみたいね・・・ これならいまのうちに」


「さっきみたいに気づかれないようにいこう」


「今度触ったらあいつらの真ん中に押し出すからね、それとは別におぼえときなさい」


二体の鬼から無事逃げられても 最後の一体からは逃げられそうになかった


姿勢を低くし気づかれないように青鬼が出てきた通路に向かう


赤鬼と青鬼の攻防はだんだんと激しさを増していく


俺と千代が通路の入り口まで差し掛かると 赤鬼と青鬼のストレートがお互い同時に入り


二体がダブルノックアウトになった


お?光明がみえたかな?


低くしてた姿勢を戻し 倒れた二体の鬼を覗きみる 


「びっくりさせやが・・・・」


二体が同時に起き 男の熱い握手を交わした そして二体共こちらを睨む


状況が呑み込めないが 友情タッグが結ばれたようであった


これが本当の鬼気(危機)やな・・・・


「千代、走れ」

今度はお触りなし


「え?なん・・・・なんか仲直りしてる???」


二人でダッシュで来た道を戻る  上の階層にいっても二体の鬼は追うことをやめる気配はない


途中の魔物の全無視


途中で走るのがきつくなってくると 鞄からポーションを出し飲む もちろん千代にも渡して分ける


14階まで戻ると千代の指示に従い 道をダッシュする


途中でポーションも切れてしまい 途中で特に大事な物もはいってないので、荷物になるリュックをすてる


だが6階までくると 千代に体力の限界が訪れてしまった


「玄一 先、いきなさい 私はもうだめ・・・どこかに身を隠すから 一人でいきなさい」


「あと少しだから・・・・・」


といいかけたが千代に走り切る体力もそして身を隠す体力も残っている感じはなかった


本人は身を隠すといっているが多分俺を先にいかせるための嘘だろうということはバカな俺でもわかった


死にたくないという気持ちも強くある、その場を後にし 一人で逃げる事も考えた 逃げるために足に力を込める・・・・・


だが短い時間 ツンだった千代が 俺を認め 普通に接してくれた事 一緒に餓鬼たちを倒した記憶が俺が一人で逃げる事を拒絶する


「あ~~~   もうどにでもな~れ!!」

と叫び千代を抱え走りだす


「私は大丈夫だか・・・・・」

千代の声を遮る

「黙れ(ドン」

しゃべる余力すら取っておきたい さきほどの考えてる時間で二体との距離は縮まっている

さらにこっちの走る速度は落ちている


さっきまで見えなかった鬼達の姿が見えてきた


千代は俺が抱えて走る事をあきらめたようで道の指示を出す


が鬼達はもうすでにすぐ後ろであった・・・『超躍』!!


スキルで加速するが千代を抱えてる分速度はでない・・・が充分 鬼との差は少し開く


つかず離れずの距離を保ち、二階を走る俺も体力の限界を感じ始めた頃 疑問が浮かんでしまった・・・・


このままダンジョン外まででれば大丈夫と勝手に思っていたが 魔物が外までついてきてしまったら大惨事になるんじゃぁ・・・


「千代 このまま外に出たらどうなる 鬼達が外にでたら・・・・」


「大丈夫よ 外まで行けば角達がいるわ 鬼達が出てきてもなんとかなる!」


千代は角の実力のすべてを知らない、鬼達と対峙したら実際どっちに転ぶかは千代にはわからないが


それを玄一に伝えたところでなんにもならないため 言い切った


だが俺自身の体力がダンジョンの外まで持ちそうになかった


二階から一階に上がり 鬼との距離が詰まってきたので スキルを使った 鬼達との距離は離れたが


足の力が抜け倒れこみ 千代を放り出す形になってしまった


千代は着地できたようだが 俺はスキルの反動か 動く事ができなくなってしまった


「千代後少しだ 行け」ふり絞るように声を出す


さっきと逆の状況になってしまった 俺は自分が死ぬ事より ここで二人無駄死にを避ける事の方が大事だった


「は・・や・・く」


意識も遠く、もうしゃべる事もできなそうだった 意識が途切れる瞬間、最後に見たのは 覚悟を決めた望月家長女千代の顔であった


玄一が意識がなくなった後千代がつぶやく


「ごめんなさい」


自分を助けなければ、下の階に無理にいかなければ、他にも色々な意味が籠っているであろう言葉であった。


倒れた玄一を戦いに巻き込まないよう通路のはじに引っ張る そして通路の中央に戻り 魔力精一杯込め 鬼達を待つ



千代はいままで魔法を扱うのに込める力より コントロールを優先していた


魔法は自分自身のイメージにより属性をその形を変えるからだ


力よりイメージ     入り口、餓鬼達に使っていた時は 極限まで薄くした刃をイメージして放ったものであった


だが 見た感じから鬼達には通じそうにないので 今回は力を優先した


いままでより 厚く硬く速さが出るように イメージする 

 


鬼達が追い付いてきて間合いが詰まったところで全力で腕を振る


「くらいなさい!!」


いままでの物とは違い 横3m以上のまるで首切り包丁のような風刃が鬼達を襲う  


魔法の余波で千代自身も強風に襲われる


「グガガガガガ!!」

「グオオォオォォオォ!!」


鬼達は風の刃に対し腕を十字に組み 対抗しているようであった


やがて風が消える


赤鬼は右腕を失い青鬼は左腕を失った


「フシュゥ・・・ フシュウゥ・・・」


二体の鬼はしのぎきり呼吸を整えてるようであった


千代は続けて残り少ない魔力で最後の魔法を使う


イメージは球


玄一と鬼達の間に放つ


先ほどの余波の風より強い風の奔流  鬼達を倒すためでなく はじにいた玄一を後方へ飛ばすため


運よく玄一が鬼達にみつからないところまでいけばという思いからであった


魔力は少し残ったのか意識は残ったがそのまま倒れこむ   息を整えた鬼達が怒り狂い千代に襲いかかる


いまごろになって父と角の忠告が思い出される・・・・・


「お父様  角  ごめんなさい・・・・」


目をつぶり一粒の涙を流しつぶやく


が鬼達の叫び声となにかを叩く音が聞こえる   まだ自分が死んだとは思えなかった


目を開けると そこには山の主霊亀様の姿があった


鬼達怒り狂い 霊亀様と鬼達の間にある なにかを叩いていた 叩いた瞬間壁のような物がみえた



霊亀様はこちらを確認すると一回だけ頷いた  そして左前足上げ 地をつく



二体の鬼達が一瞬でなにかに押しつぶされグロい姿になり そして消えていく


霊亀様の体が大きくなっていく


そして私と玄一を咥え背に乗せ ダンジョンの外までつれていってくれた


外にでると 角が近づいてくる


すると霊亀様は私と玄一をおろし 元の姿に戻っていく



「千代様ご無事であられますか?」


「大丈夫よ、それより玄一は?」


「大丈夫でございます、気を失ってはいますが外傷はないようです」


「霊亀様 ありがとうございます」

角は山の主に土下座する


角が頭を上げる時にはもうそこには霊亀の姿はなかった


「では千代様館に戻りましょう・・・念のため医者をすぐよびます」


「ええ あと 角 ごめんなさい いままで お父様や角の忠告を・・・」


「千代様 千代様さえ生きていたらこの角はそれだけで・・・それだけで・・・」


千代の手を握り角は涙を止める事ができなかった


その後 千代と玄一は従者や角の手によって館まで送られた


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神話(念話)


亀「鹿、鹿」


鹿「」


亀「鹿、鹿」


鹿「なんやなんや!!」


鹿「いまめっちゃ忙しいねん、今樫の葉っぱもぐもぐタイムやねん」


亀「お前山の主なのに木の葉っぱ食ってたら枯れてまうやろ・・・その体じゃあ食う量も半端ないやろ・・山殺す気かいな・・・・」


鹿「ワイ鹿やで しゃーないやろ 樫の葉っぱすきなんやから そんなもんで死んでしまう山なら 死んでまえ!!」


亀「むちゃくちゃやん・・・・」


鹿「でなんか用事かいな?もぐもぐタイム中やから単刀直入に頼むで」


亀「唐沢の子倅ピンチだったから命救っといたで~ひとつ貸しやな 樫だけにってかw」


鹿「は?あんな子倅しらんわ もぐもぐタイム以下やわ むしろ死ね 野生の鹿の角に尻刺されて死ね!!」


亀「工エエェェ(´゜д゜`)ェェエエ工」


亀「この数時間のうちにお前の何がここまで変えたんや・・・・・」


鹿「わかった わかった 貸しな  それでええやろ」


亀「お、おう・・・・それじゃあそーゆ―事で  ほな」


鹿「おう」




蛇「彡(^)(^)」


鹿「去ね!!!!!」




蛇「彡(;)(;)」







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