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次の日
角さんに敷地内を軽く案内してもらいその後 日課の筋トレ、ランニングを行う
ばあちゃんとの運動(地獄)がないだけでいつもより開放感がある
ちょっと帰りたくなくなったかも・・・・
その後食事にいくがこの日食堂で千代とは会う事はなかった
届いた荷物の整理も終え、角さんが持ってきた高そうなおやつを堪能し、
久しぶりにゆっくりとした一日を味わった
ここでニート生活したいなぁ・・・・・
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千代との初ダンジョン当日
日課を終え、昼食もとり 部屋で準備をしていると角さんがよびにきた
「玄一様そろそろお時間でございます。」
「はい、いまでます」
フル装備の状態ででてくる 荷物ももったこれで勝つる!!
「玄一様そのお姿は?」
「戦闘服です」見た目は作業服です
「代々使われているものを使われないのですか?」
「ばあちゃんにまだ早いといわれてまして、いつもこれでダンジョンに潜ってます」
「そ、そうでございますか・・・・ではこちらへ」
角さんに一瞬不安がよぎる
玄関で車が待機しており、その後席乗り込む すると 隣に千代がのっていた
この前の姿とは違い 落ち着いた色の袴姿 明治時代の女学生を思わせる姿だった
「こんにちわ」と声をかけるが、千代はこちらの少し見て会釈するだけだった
え 挨拶もしてくれないほど嫌われてるとか・・・・
「では 千代様玄一様 出発いたします」
車が館を出て山中を走り出す
車でいけるとか便利だな・・・俺毎回急斜面登ってるんですけど・・・・
「ダンジョンへ行く前に玄一様は山の主様にあっていただきます。」
「山の主ってこちらにもいるんですか?あのでっかいの」
「玄一様が仰っているのは唐沢家の神鹿様の事を言われていると思いますが・・・」
「当家の山の主さまは霊亀様とよばれております」
「そうなんですか・・・・家ごとに違うんですね。」
「もしかしてダンジョンを管理してる家全部に山の主っているんですか?」
「すべての家の事を知っているわけではございませんが、古くから管理されているところにはいると思われます」
そのまま角さんが続ける
「その昔ダンジョンが出現したところに色々な大社等から神使借り受け祭り信奉し山の主になっていただいたと聞いております。」
「ほぇ~」
数分沈黙が続いたところで
「つきました。」「こちらへ」
車から降り森の細道を進んでいく、少し開けたところに沼があり 沼の中央の小島に亀がいた そこだけ日が当たっている様であった。日向ぼっこ中だったのかな?
よく見てみると背の甲羅に苔を乗せた50~60cmほどの亀がこちらを見ていた
「こちら唐沢家の唐沢玄一様です」
すると一回頷いた思うと反転し沼の中へと消えていった
「さっきのが山の主様ですか?」
「さようです、主様に顔見せもできましたので いきましょう」
さきほどきた道を戻り、再度車へ乗り込む
少し開けたところで止まる
車から降りると 壁に大きな門があり門の手前には 大きな門に合わせたような大きな鳥居があった
大きさ的には10m以上ありそうだった
そして大きな門と鳥居をみた後だと、横にあるログハウスは申し訳程度にみえた
角さんがログハウスの方へいき 中から出てきた従者の人と話していた
少しすると門が開く
ダンジョンの入り口は門とほぼ同じ大きさであり、うちのダンジョンとは似ても似つかないものであった
「さぁ いくわよ」
ダンジョンの入り口に驚いてた俺は
「へ・・・はい・・・」
千代の後についていった
だが千代は先ほどの袴姿のまま武器など持っている気配はなかった
「あ、あの、千代さん?武器とかもっていかなくていいんすか?」
「今日はあなたの実力を見るだけだし、私はこれがあるから大丈夫」
いい終えると同時に腕を振る
一瞬刃みたいなものが見えた すると近くの木の枝が落ちる
「魔法・・・?スキル・・?ですか?」
「魔法よ、まさか見るの初めてなの?」
「はい・・・」
千代は小さくため息をついた
「まぁ そういうことよ、私の事は気にしないで実力を見せて。もし変な事しようとしたらあの枝と同じ事になるわ」
「oh・・・」
「千代様玄一様お待たせいたしました。」
「特にダンジョン内も異常はなさそうでございます」
「わかったわ 角はここでまってなさい 彼の実力を確認してくるわ いいわね」
「ですが お嬢様 もしもの・・・・・」
「角、お父様の言伝は彼と・・・だった そこに角は入っていなかったわ」
「それに彼の実力は角のお墨付きなんでしょ?」
「わかりました 千代様 決してご無理はなされぬ様・・・」
「玄一様 千代様の事をよろしくお願いいたします」
「私が彼の面倒をみる事になりそうよ」
といい先に入り口に進む
小さな声で「頑張ります」とだけ角さんに伝え 小走りで千代の後を追う
中に入ると大きいのは門だけでなく中の通路も広かった
そのまま千代の後に続きダンジョンの中に入っていく
「先にいっておくわ ここの1-4階にでるのはすねころがしよ」
「犬や猫のように見えるけど、れっきとした魔物よ 油断しないようにね」
「は、はい・・・・」
まったく想像ができないまま話を聞く すねころがし って聞いた事がない
大きな通路を歩いていると一匹の猫・・犬・・・・これがすねころがしか・・・
一件 小動物が丸まっている様にみえる・・・微動だにしない
「ほら いきなさい おでましよ」
「お、おう」
おでましというか はじめからここにいたような・・ 様子をみつつ 間合いをつめる が動きがない
近づいて2mを切ったと思ったら足をめがけてすばやく転がってきた
だがうちのダンジョンのウサギほどではなかったため 躱し際に一刀両断する
「ほらさっさといくわよ」
千代の後に続きその後もすねころがしを十数匹倒し、最短であろう道で5階へはいった
5階にはいると
「ここからはヒダル神がでるから、気をつけなさい。」
「ヒダル神って・・・?」
「・・・・」
「行逢神または餓鬼憑きの一種、お父様の話だと天明の大飢饉のころからダンジョン
に出始めたってきいてるわ」
「憑かれると身動きがとれなくなる、最悪死ぬ」
やっぱり階層ででる魔物が変わると魔物の質も変わってくるらしい、この辺はうちと一緒か・・・・
そういえば天明の大飢饉・・・確か江戸四大飢饉・・でも江戸 今の東京での冷害だったような・・・・
「天明の大飢餓って江戸の冷害で飢餓の話じゃないの?」
「・・・確かに死者は江戸の方が多かったけど、ただの冷害以外に浅間山の噴火もあったの」
「そんな中冷害と噴火の火山灰での被害があったのこの辺りも悲惨だったらしいわ」
「そもそも あなたのご先祖様もこっち出身なんだからそんなぐらいしっときなさいよ」
「ご先祖様こっち出身だったのか・・・・初耳だ・・・・」
「そう・・・まぁいいわ いくわよ」
ヒダル神の姿は昔の農民のような姿で長棒、錫杖、鎌、鍬を持つ者であった
本来なら肌があるべきところはなにか影のような黒い物であったが目だけは少し赤く光っていた
動きは一般人並みであるが先ほど警告された『憑く』というものがわからないため
余裕をもって倒していく
下の階へいくほどヒダル神の数が増えていき余裕がなくなっていく
一体のヒダル神が俺の背後をとった
ヒダル神が触れると自分の中に冷たい水が入るような感覚が走った
「・・・・・」スッ
千代がすぐ駆け付け俺の首根っこをつかみ後方へ投げる
その瞬間腕を振り ダンジョンの入り口で見せた魔法で 残りのヒダル神を切り裂いた
後に転がった俺は手足が痺れてきていた
「手が・・・」
「それが『憑く』ってやつよ、このまま放置すれば痺れが全身に回って死ぬわ」
「え・・・・詰んでるのか・・・これ・・・・」
「ほら・・・・」
飴が一個飛んできた
「舐めなさいそれで 治るわ」
痺れた手で飴の封を切り、飴をなめると体が軽くなった
「もし憑かれてもなにかしら食べ物を食べれば解決するわ・・・この辺りの高齢の人ならだれでも知ってるわよ」
「・・・すいません・・・・」
「そろそろ限界ね、でも初めてのダンジョンの9階で一人で来れた事を考えたら上出来かしら・・・・」
「すいません・・・・正直舐めてました(飴ではない)流石にスキル使わないでってのは・・・・」
「・・・・・・・?」
千代がすごい勢いでこちらを見る
「あんたスキル使えるのに、使ってなかったの?舐められたものね(飴ではない)」
「実際千代さんがいるから 最悪助けてもらえるかなぁーって・・・・ね?」
「はぁ~・・・・普通一緒にダンジョン入るならスキルや魔法を使わないのだったらいっときなさいよ、知らないとフォローもできないでしょう・・・・実力はありそうなのに どっか抜けてるのよね・・・・」
「で、この後スキルは・・使うの・・使わないの? 帰るの?」
その場から立ち上がり『超躍』でくの字に移動し千代の後ろに回り込む
「こんな感・・・」
しゃべっている途中で俺の水月に肘がめり込む
「ぐへぇ・・・」
「・・・・・あんた使うなら先にいいなさいよ・・・・つい癖で・・・・」
どんな癖やねん・・・
千代は反応はできたが内心焦った・・・身体強化系のスキル・・権兄と同じ系統のスキル?・・・
ちょっと試してみよう
「それなんのスキルなの?」
「『超躍』ってスキル、本来は跳ぶスキルみたいだけど応用してさっきみたいに使ってるんだよ」
水月をさすりながらいった
「あんたホント抜けてるわね」
「はぁ~・・・・・・どんなスキルか自分で説明するなんて・・・・・」
「え?」
「普通家族以外に自分のスキルを説明するなんて事ないわ」
「国の機関でさえ鑑定でスキル名がわかる程度よ、それですら口外はされない」
「私も心の中に閉まっといてあげるから今後気をつけなさい」
「はい・・・」
「じゃあ いくわよ」
え?さっきまでスキルを使う選択肢と帰る選択肢があったような気がしたが いつの間にかなくなっていた
間違いなく親子やな
そして10階層へ進んでいく
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神話(念話)
亀「鹿、鹿」
鹿「お?なんや亀やん?なんかようか?」
亀「さっきお前んとこの唐沢の子倅きたでw」
鹿「おおーん!??最近見かけんと思ったらそっちいっとんたんかww」
「ダンジョンどうすんねんwBBA一人しかおらんやんけ」
亀「あれw あれw 昔あの子倅がお前に石なげて お役目渡さなかった奴やろ?ww」
鹿「wwwww」
亀「wwwww」
鹿「それなw」
亀「鬼畜すぎやろ、うちの一番下のがきんちょも去年お役目あげたのにw」
鹿「お前まじめやなぁ~」
亀「お役目与えといた方が楽できるからなw」
鹿「でもあんま速すぎると死んでお家断絶してまうでw」
亀「うち上の二人成人してるから大丈夫やぞ、将来安泰や」
「お前んとこ、あの子倅だけらしいやん、しかも童貞くさいし、お前んとこの方がお家断絶やろww」
鹿「ファーwwww」
鹿「世も末やなw」
亀「正直草」
蛇「彡(^)(^)」
鹿「変なん来たから ほなまた 子倅よろしくぅー」
亀「ファッ!?ほなまた」
蛇「彡(;)(;)」
亀「そういうとこやぞ」