表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/11

4

----------------------------------------------------------

二か月後



「ばあちゃん、飯」


「あいよ できてるよ」


「うぃー」


いつもと変わらない生活 日課をこなし ダンジョンへ行く日々 3か月前は非日常すぎて受け入れられない事もあったが、今では馴染んでしまった。


ダンジョンへ行く以外はいままでの生活と比べてまるで変化がないせいもあるだろう。

この状況適応能力・・ニートって偉大やね



現在ダンジョン6階付近で探索をしている

1-5階 ウサギ 6~  狼 であった。

2階で会ったメタボ以外で特殊な個体には一度も会ってなく順調に探索を行えた


1-5階はもう慣れたもので苦戦を強いられることもなくなってきた


が狼・・・・これが曲者・・・連携、基本複数で群れで行動している、一体の戦闘力が高い

いまでもところどころでスキルを使用しないと、追い詰められてしまう

とりあえず ここでスキルを使用せずに倒せるようになるまで 6階より先には行かないようにしている


スキルも以前より負担減り少し連続使用回数が増えている

増えた原因が身体強化のおかげなのかスキルのおかげかはわからないが増える事はいいことだ・・・と納得した


そういえば鑑定結果も2週間後に届いた


ナイフの性能は 本来魔物は倒すと消えてしまうが 消える前にナイフを刺すと魔物をそのまま持ち帰る事ができる、ただ倒した事での身体強化等はなく、魔物の肉等を食べる事で魔素を取り入れる事ができる

らしい


これがあれば自分が狩った魔物でなくても食事で身体強化が行えるものなんだろう


そいて閃く


ルンルン気分で早速ばあちゃんにもっと下層の食べられそうな魔物を頼んだが 断られ 稽古でボロ雑巾にされた・・・・


後日ためしにウサギを一羽狩って調理したが、味は普通、ウサギ肉を食べた事はある、野生より少し筋ばってる程度だった。もしダンジョンに行く際食料に困ったら現地調達できる。


まぁそんな事はめったにないだろうけど念のために腰にさしておくことにした


宝石は身に着けた物の俊敏性を少しあげる物ということであった。原石のままではそのまま握り締めていないとダメらしい

のでゴムの腕輪に加工してもらった 普通のゴム製のリストバンドに見えるが触ってみると中に宝石が入っているようだった


装飾品として腕輪等に加工して身に着ける人もいるみたいだったが、自分には似合わないと思い目立たない物にしてもらった


そういえばレベルは7だった・・ しかしこの情報は二か月前のもの、メタボウサギと戦う前の・・・・


レベルがわかっても特にゲームみたいに魔法とか覚えるわけではないので レベルの情報自体あまり必要ないような・・・




朝食が終わり いつもの日課へと思っていたら・・・・・


「今日から行ってもらいたいところがあるんだよ・・」

「ん?どこ?買い物?」

「長野の望月家」

「???」

「私の古い知り合いでね、同じようにダンジョンを管理している家だよ」

「まぁ 話は通してあるから しっかり修行してきな」

「そんな事急に言われても 俺にもいろいろ用事とかあるから~そもそもこんな急にいわ・・・・・」

「じゃあ 毎日稽古で本気でしごかれるのと行くの選んでええよ」

「行きます。長野でもどこでもいきます。いかせてください。」

「素直が一番やね」


-------------------------------------




現在新幹線に乗車中である ちなみに予定時刻より遅刻している・・・・


原因は途中乗り換えのため久しぶりに都会にでてしまい、テンションがあがった末アニ〇イト メ〇ン本 などによっていたからだ


後悔はしてない(キリッ


とはいえ流石に行きで買ってしまうと荷物が増えてしまうので買うものに目星をつけ帰りに買えるようにしてきたわけだ


サクッと目的の駅につき降りる 予定していた時刻より一時間ほど遅れている


もらった連絡先に電話すれば迎えがきてくれるらしい・・・


早速電話しようと思ったが視線の先に でっかい看板を掲げた初老のおじいさんが・・・・


【唐沢玄一様お迎え  望月家】 


ここは空港かなにかかな?


周りの視線をあびながら初老のおじいさんに話かける


「すいません、お待たせしました 唐沢です」


「これは初めまして望月家で執事を務めさせていただいてます。すみと申します」

「旅でおつかれのところありがとうございます」


「こちらこそすみません予定していた時刻よりだいぶ遅れてしまって」


「お気になさらないでください。それより当主がお待ちしておりますのでお車の方へ」


「ありがとうございます」


内心寄り道をしたことに罪悪感をおぼえ 周りの視線から逃れるように車の中へ入った


車に乗り30分ぐらい経つと見慣れた風景が飛び込んでくる


山 山 山 たまに川


景色自体は実家と変わんなかった・・・・


そこからどんどん山の奥へいくと門をくぐった


「こちらから望月家の敷地にはいりました。」


「望月家もやっぱりうちみたいに広いんですね・・」


敷地内にはいっても家がまったく見えないのでそうつぶやく ちなみにうちも敷地の入り口からは家はみえないところにある


「唐沢家様と比べて多少広いぐらいだと思います、何度か当主をお送りしたことがありますので・・」


「うちに来た事あるんですね、もしかしてあったことあります?」


「大変失礼ながら玄一様のご両親がなくなった際に伺った時に遠目ですが一度玄一様のお姿を見たことはあります」


「そうなんですか、まぁ考えてみたらそうですよね、ばあちゃんと繋がりがあれば、両親の葬式したときにきてますもんね」


「その後も何回か伺った事がありますが、マキノ様には会いましたが玄一様はそれ以降お姿を見かける事はありませんでした。

でもこうしてもう一度お姿が見えてうれしい限りです。」


「あははー別に気にしないでください 多分どっか遊びいってただけだと思うんで・・」

(自分の部屋でひきこもって遊んでたなんていえないな・・・)


「もう少しでつきますので、少々お待ちください」


それから少し走り、車が家の前に止められる


ここまでの景色も似ていたが、家もやはり似ている 和風で古い感じ がでかい うちより望月家のほうがでかい、

見た感じうちの2倍以上あると思われる


角さんの後へ続き 望月家当主が待つ部屋へ


「お館様  唐沢玄一様 到着なされました」


「入れ」



角さんが襖を開くと広い和室の奥に望月家の当主らしい人物が座っており その手前に自分が座るであろう座布団が

用意されていた。

部屋を見渡すと豪華な調度品が揃い、欄間などの細工もとても奇麗な物だった


 

「失礼します」

一言いい座布団に座り 当主に目を向ける

けっこう歳はいってそうだ60台ぐらいだろうか、頭とても寂しい限りだが鼻の下の黒ひげが印象的だ

威厳もあり、緊張に身が引き締まる



「初めまして唐沢 玄一です 今日からこち・・・・」

俺が話してる途中で当主が話に割り込む

「堅苦しい挨拶はいい」

「遠くからわざわざご苦労だった、マキノの婆様から話は聞いている」

「儂が望月家当主もちづき 望月国親くにちか だ」

「まぁその歳でお役目を受けるのは珍しい事だが、そんな事は気にしなくていい」

「本来なら軽く雑談でも交わしたい所だが時間があまりなくてな、本題だけ話させてもらう」


すんません 寄り道して ホントすんません 心の中で土下座していた


「修行でうちのダンジョンを使う事は一向にかまわん・・・がひとつ条件をつけさせてもらおう」


「条件・・?ですか?」

「まぁ うちの子は三人兄弟でな 上の男二人は成人して外部で働いておるのだが、一番下の娘が昨年お役目をうけて、

ダンジョンにいかせてはいるのだが、流石に女子一人をそのままいかせるわけにはいかず、儂や角がついていくのだが・・・」


「が・・?」


「初めての女の子でどーも世話ばかり焼いてしまって娘から苦情がきている状況でな」


「く、苦情ですか?」


「私は一人で大丈夫だからついてこないでと言われてしまっての・・・・」

「上の二人の時はそんな事はなかったんだが・・・・」

「それからというもの娘が私を避けるようになっているように感じて・・・」


先ほどの威厳はどんどん小さくなっていき、思春期の女の子から嫌われて悩んでる父親の図になっていた。

その後数分間悩める父親の小言が続いた・・・


「お館様、そろそろお時間が・・・」


角さんが話を遮る


「おお すまんな ということだ 玄一だったな お前にまかせる」


「?!?!?!???!?」


「お前もまだ駆け出し、修行するのであれば娘と一緒にいけ、娘にもそう言い伝えてある」


「後は角に聞け」


「では いく 精進しろ」


「後は角 頼んだぞ」


「かしこまりました ご当主様」


そして颯爽っと部屋からでていく、そのあとを廊下で待っていた従者の人達がついていくのが見えた


「では 玄一様 お部屋のほうへ案内させていただきます」

「?玄一様?」


あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


「おれは 悩める父親の小言を聞いてたと思ったら いつのまにか娘の件をまかせられていた」


な… 何を言っているのか わからねーと思うが 


おれも 何をされたのか わからなかった…


「え 完全に丸投げって事ですか?選択権とかないんですかね・・・?」


「当主は昔からあのような性格でして大変申し訳ありません、ですがお話はマキノ様には伝えてあったようですが?」

「ああ そうですかー・・・・・そうですかー」

ばあちゃんの名前がでてきてわかった気がした これは確信犯である しっていた上で話さなかったのだ


その後角さんに客間まで案内された

客室は洋室であり生活に必要な物は用意されていた


「お食事の時間になりましたら、およびにきます。」

「食事の時に当家の長女千代様をご紹介しますのでよろしくお願いします。」


荷物を整理しながら 当主や角さんの話していた長女 千代の事が考えた

まるで情報がないがどんな女性なのかなと・・・同世代かな?・・かわいいのかな?


あれ?まてよ?



一番最近で女子と話した記憶を辿ってみる・・・・・









 中学ぐらいまでさかのぼったがちゃんとした女子

(おばちゃん、おばあちゃんは除く)

と話した記憶がでてくる事はなかった・・・・



それに気づくと自分の体全身の脈が速く打ち、額や背中に汗をかき始める


荷物からポーションを出し 3本がぶ飲みする そしてベットの中で震えながら食事の呼び出し(死刑宣告)

を待つのであった




「玄一様お食事の時間です。」


「はい」


玄一が部屋からでる。そこには死を覚悟した戦士の顔があった


「こちらでございます」

この時角は平静を装い食堂へ案内する


が内心その顔を見た角は驚き同時に認識を改めた


聞いた話では、まだお役目を引き受けて間もなく、経験も浅い、駅で見た時、移動中の車内の様子、その後の姿からは 初々しささえ感じた


が今部屋からできてた時 まるで死地へ赴くような顔、鬼気さえ感じる・・・・


角は再確認した、そう、彼、玄一様は唐沢家次期当主なのだ 


もう一度気を引き締めると共に、今回の千代様の件に対して安堵した



食堂へつき、角さんに椅子をひいてもらい着席する


この屋敷は外からみると全体的に和風であるが客室しかり食堂しかり洋風であった


食堂というよりダイニングルームといったほうがいいかもしれない


周りの様子をみていると 扉から一人の女性・・・少女が入ってきた


黒髪のショートカット 服装はワンピースだが並の童貞なら殺されそうな服、肌は白く、まるでうちのダンジョンに出るウサギのようだった



少女が着席すると角さんが近くにきて俺の紹介をする


「こちら唐沢 玄一様です、唐沢家次期当主様でございます。」


それに合わせてこちらも挨拶をする


「この度、こちらでお世話になります 唐沢げんいちゅです よろしくお願いします」

と軽く会釈する


「遠くからわざわざありがとうございます。望月家長女望月千代です。父から言伝は聞いております。」

「この際はっきり申し上げますが、もし足を引っ張るようであれば即刻おかえりください。死なれでもしたら望月家と唐沢家の間に火種を抱える事になりますので」


辛辣過ぎるやろ・・・・


「千代様玄一様に対して失礼でございます」


「いいの、角、お役目を受けた時期、行きなれてない初めてのダンジョン、一緒に潜ったとして私が彼を助ける立場になる事は明白。」

「もしそれも修行というなら、いいでしょう。」

「でも無理をして下の階層までついてくれば私が彼を助ける事が出来ない事もある。」

「だからはっきり言っといたほうがいいのよ、それが彼のためでもあり、この家のためでもあるの」


すると角さんは少し微笑みながら

「千代様玄一様の力、この角が保証いたしましょう。」

すると千代が驚いた顔をする


ちなみに俺も驚いた顔をしている


「角がそこまでいうなら一度ダンジョンへいって実力の確認ぐらいはする、では明日昼に・・・・」

「千代様玄一様のダンジョンで使う道具一式明日の夜届く手はずになっておりますので」


そうなんです。流石に刀とか持ってたら案件になってしまうからね しょうがないね


「じゃあ 明後日でいい」


「玄一様も明後日でよろしいですか?」


「あ はい」


その後沈黙の中食事をし


一度だけ 千代に「年齢おいくつなんですか?」と尋ねたが


睨まれ「最低」とだけ答えられた


ダンジョンで会話のレベルも上がってほしかったと心の中におもいつつ スキル『会話』がある事を願った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ