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3

次の日


「ばあちゃん、飯」


「あいよ できてるよ」


「うぃー」


普通に朝食を食べ終える


「もう大丈夫なのかい?」


「え?なにが?」


「昨日はどうも上の空の様だったからね」


「ああ・・そうだった・・・忘れてた・・・・」

昨日の事を思い出し少しテンションが下がる


「メタボウサギから巻物がでたんだよ・・・・」


「メタボウサギ?・・巻物が二階からでることなんてあるんだねぇ・・聞いたこともないよ」


「でそれを鑑定に送るのかい?」


「いやその巻物消えたんだ」


「消えた?巻物っていうとスキルか魔法だろうから使わずに消える事なんてないと思うがねぇ」


「使うっていうのがどういう事かわからないけど ちょっと中身みたら頭の中にぼんやり文字が浮かんでさぁ・・・読んだら消えたんだよ・・・・」


「人から聞いた話だけどねぇ、スキルや魔法のアイテムの中で持つ者との間で波長や相性みたいなのがあってそれが合う様だとアイテム側から語りかけてくるってのは聞いた事がある」


「多分あんたが適性を持ったスキルか魔法だったんだろう」


「まぁどちらにしろ巻物を読んじまったんじゃあ、使った事になっちまうがねぇ


「え?使った事?じゃあなんか俺使えるようになったのかな?」


「ちなみになんて書いてあったんだい?」


「『超躍』って書いてあった・・・跳躍かと思ったんだけど頭の中に浮かんだ文字は『超躍』だった」


「『超躍』ねぇ・・どうやらスキルの様だけど・・・・・聞き覚えがないねぇ・・・」


「使ってみたのかい?」


「使うもなにも巻物を使ったって今わかったし」


「そうかい、じゃあ安全な所で使ってみるといいさ・・・その様子だと昨日の落ち込み様も納得したよ」

ばあちゃんはなにか察した様だった


「そういえば、さっき言ってたメタボうさぎってのはなんなんだい?」


「二階ででたすごく太ったウサギ・・二階であそこまでだと思わなかったよ・・・自爆してくれなかったら・・こうして朝飯食えなかっただろうね」

メタボとの戦闘を思い出す・・自爆しなかったら・・・病院いき・・・下手すれば死んでたかもぁ・・・・


ばあちゃんは間をおいてからしゃべりだした

「二階にそんなものが出てきたことはない、少なくとも私が現役のうちは・・・」


「本来5階層まではおなじウサギだよ、体格に個体差はあるけれど、そこまで大きい差はないはずさ」


「おそらく『ユニークモンスター』だね。」


「『ユニークモンスター』??」


「めったにでてこないんだけどね、たまに階層のモンスターの特別種ユニークみたいのがでてくるのさ」


「おおまかに分けて 通常種 上位種 特別種 王種っているんだ」


「え・・・・」


「裏山のダンジョンが一度モンスターが溢れ出た話はしたろう?その時は下層で王種ががでたのさ」


「王種・・・」

俺の頭の中で金の冠とちょび髭をつけ、赤いマントをたなびかすウサギの姿が・・・・・・


「まぁ特別種ユニークも滅多なことではでてこないよ、まぁ運がいいんだか悪いんだか」

悪いに決まってるだろう、二階層いってしょっぱなからそんなモンスターに出くわしたって・・・


「あと特別種の一部、王種に限ってはダンジョンで発生すれば山の主が知らせてくれる」


「そこまで危険はなかったのだろうね」


「さて、ユニークモンスターを倒した事だし、強くなったかたしかめないとねぇ」


「じゃあ 食後の運動といこうか」

少しいやな笑顔で言った


これは小さい頃から稽古の時のばあちゃんのレベルがあがる時の癖みたいなもの

十数年稽古をしているが俺が成長していくとばあちゃんもそれに合わせて力加減を上げていくのである。

そして力加減を上げる時こんな笑顔をするのであった。


「あ・・あ・・・あ・・・・」


一時間後道場でボロ雑巾にされた俺の姿があった



日課を終え


裏庭にスキルの確認へいく


ばあちゃんに聞かなかったけどスキルってどうやって使うんだろう・・・・


その場で『超躍』叫んでみたがなにも起こらなかった


「え・・・嘘やろ・・はずかし・・・」


その後つぶやいてみたり、心の中で叫んでみたり、いろんなバージョンを試したがうんともすんともいわない。


尻を出して『超躍』といってもやはりなにも起きないがちょっと気がついた・・・


『超躍』といった時足に違和感を感じる・・・ちょっと暖かい?夏場と冬場のOL用スキル・・・!?!?

いや それはないだろう


『超躍』を念じ足に意識を集中する・・・・やっぱり暖かい・・・これをもっと溜めて足首の下まで

その暖かさを圧縮する そして開放すると同時にジャンプ!!


「ぬはっ!!」


ものすごい勢いで飛ぶ、人が飛べる高さでないことはわかる

空中で勢いが止まり気づく


「これ着地どうすんねん・・・・・」尻をだしたまま俺は考えた


そして時は動き出す・・・落下がはじまる・・・・


「これはもう 某格闘漫画の五接地転回法をやるしかない・・・」


がビビってしまいそのまま両足で着地してしまう。


「あああああああああああ!!!足が・・・足が・・・・・あれ?」


内心両足逝ったと思ったがスキルのおかげなのかダンジョンでの身体今日のおかげなのか痺れる程度ですんだ


「なんかすげースキルだ・・これ」

そして尻がでたままなのでとりあえずズボンを上げる


よしコツはわかった いろいろ試してみるか


結果


ジャンプは最大20メートルぐらいいける(目算)


ダッシュ、バックステップ時、サイドステップ時に使うとすごい勢いですっとんでく


目標を設置しスキルを竹刀で当てようとすると速すぎて正確に当てる事はできない


スキルを使用すると体への負担がある 限界を調べるためにずっと使用したが気絶するような事はなかったが


疲労で動けなくなった


「とりあえず これだけわかればいいか・・・」


そう呟きながら裏庭で大の字で横にならそらを見上げる


もう今日はダンジョンはいいだろ・・・やすも・・・・


夕食時にばあちゃんにどんなスキルだったか話をした


ばあちゃんは報告はしといてやるといっていた


----------------------------------------------------


「ばあちゃん、飯」


「あいよ できてるよ」


「うぃー」


日課をこなし、今日はダンジョンにいくつもりだ


ダンジョン内でもスキルを使えるようにならないとなぁ


実際の動く的じゃないと実践でつかえないし


後は弱点か・・・・・


『超躍』このスキル、ダンジョン向きではない


まずダンジョンは今のところ天井がそんなに高いような場所はない そもそもジャンプするようなところがない


ダッシュなんかも間合いを詰める分には有効かもしれないがカウンターが怖い


本来軽い傷で済むような攻撃も自分が加速しているので相手からのカウンターを受けた時致命傷になりかねない


まぁ自分の攻撃力じたいも増すのだが


そして動きが読まれやすい 動きが直線的すぎるからね


あとやってみたいこともある



ダンジョンへ行く準備も終え


いざダンジョンへ


一階層ウサギは相手にはならなかった


『超躍』でいっきに間合いをつめれば相手が突進する前に片が付く


突進してきても相手の横に超躍することですれ違い様に斬る事ができる


タイミングをつかむまでに多少手間はかかったがそれだけであった


やってみたかったことも成功した


『超躍』連続使用の多角的動き


ウサギの正面からくの字や六角形の半分の動きをし相手の後ろに回りこむ事、多角的動きからの攻撃


これも多少手間がかかったができるようになった、動きが速すぎてウサギは俺を見失っていたようだが


欠点は疲労 休憩すればなんのそのだが 場合によってはまずい状況を生み出しそうであった


そして油断 簡単に倒せる事で油断をしカウンターをもらうこと


今現在脇腹にささっているウサギを見てもらえればわかるが、カウンターをもらうとこうなる


ウサギ自体も衝撃で気を失っているが違うモンスターならやばかった・・・・



ポーションで回復をし、穴の開いたつなぎをみる。


「どうしよ、あな開いちゃった・・」


まぁ帰ってから考えよ



二階層に向かう



二階層メタボとの死闘があった場所の先へいくと初めて通路以外の場所があった


「けっこう広いな・・・25m×25mぐらいあるのかな?」


特にモンスターもいないただただひろい部屋


こういうとこもあるならスキルもつかえるかもなぁーなんて考えてると部屋に一羽のウサギが


ウサギがメタボでないことを確認し安心する


「顔が怖いやつでよかった」


二階層のはじめての普通の魔物なのでスキル縛りで対峙する


サクッっと倒し


「ばあちゃんのいったとうりだったな・・・一階層よりちょっと強いぐらいか」


その後二階層を少し探索しダンジョンを出る


つなぎの穴どうすっかなぁと穴をみると


「ん?穴小さくなってね?あれ?」


ウサギがささった時より目に見えてつなぎに開いた穴が小さくなっていた


ばあちゃん案件だな 帰ろう


夕食時


「ばあちゃん、つなぎに穴あいたんだけど・なんだかふさがってきてるみたいなんだけど」


「ああ、それも魔素に馴染んできたんだね」


「え?馴染むとふさがるもんなの?」


「そうさね、いまダンジョンで使ってる物は軽微な損傷なら勝手に治ってくよ」


まぁ最初の驚きと比べたらなんてことはない そーゆーもんだと割り切る


「そっかー便利なもんだなぁ」


「治る基準も馴染む時間によって左右する、致命的な損傷は治らないからね」


「とりあえずは注意して使ってみるよ」


----------------------------------------------------------


「ばあちゃん、飯」


「あいよ できてるよ」


「うぃー」


さて日課のばあちゃんとの稽古 今日はばあちゃんを脅かしてやろう・・・


そう、ばあぁちゃん相手にスキルを使うのだ・・・・クックック・・・


ばあちゃんの驚く顔が目に浮かぶぜ・・・・



ばあちゃんと俺は道場にて相対する


10分ぐらいはいつもと同じだ・・・


そしてこちらからしかける


『超躍』を使用し、くの字でばあちゃんの後ろをとりそのまま斬りかかる


「もらっ!!!!」

言い切る前のばあちゃんの薙刀の柄の部分が俺の持つ竹刀の刃の根本を打つ


お互い力の押し合いになっているがばあちゃんはびくともしない


大の男が力で負けているのだ レベルの差はある事はわかっていたが もうちょっといけると思ってた


このままではまずいので間合いを取り 改めて構えをとる


「それがこの前いってた『超躍』かい・・」


「ばあちゃん初見で対応するなよ・・自信がなくなる・・・・」


「それでしまいかい?」


なら『超躍』のスピードにのったまま斬りかかろう・・・・多少ばあちゃんを心配していたが

いらない心配だったようだ


スキルを連続使用しばあちゃんの周りを多角的動きで翻弄する


後ろに回ってもこちらを見てもきやしない が先ほどの対応をみれば 油断はできない


そしてばあちゃんが動きだす


薙刀で突いてきた、すぐ横に避け、一足でばあちゃんめがけて加速する


今回はスピードにのったまま さすがにばあちゃんでも・・・・


ばあちゃんが先ほどいた場所から薙刀を手から離し一気に間合いを詰めてくる


「ちょっ・・・」


本来ばあちゃんがいたところで斬りかかるはずが 間合いを詰められ 斬りかかるタイミングがずらされる


あわてて斬りかかるが 


「ほっ!」


袖をとられそのまま投げられる  ちなみに投げてる際中に腕を極められ竹刀を離してしまう


受け身をとり起き上がろうとすると 首元に竹刀をあてられていた


「今の実力を考えれば、すごいスキルだね」

「だが弱点はいろいろありそうだ、それに使う人間もまだ未熟者じゃあね・・・・」

「まぁ課題はみえているんだろうから、色々やってみればいいさね」


まったく勝てるビジョンが浮かばない・・・・


どっかの某会長みたく一日一万回 感謝の正拳突き(素振り) そして音を置き去りにしないと勝てなそうだ・・・・



日課を終えダンジョンへ


対ばあちゃんを想定し撃破されていくウサギ達・・・・・


これもばあちゃんを倒すためだ・・俺の礎となれ・・・・・心の中でそう思う





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