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乙女王子瑠依  作者: 緋吹 楓
2/5

私がお姉さんなんだから

あらすじ

今年から高校生の鞠奈と瑠依が学校へ通う。

最初のホームルームは自己紹介。

どうなることかと思った矢先、瑠依は自分が男の娘だと暴露。

鞠奈の地味な自己紹介は瑠依のド派手な自己紹介に完敗した。

案の定性別暴露でクラス中の注目を集めたルイは、ホームルームが終わった後に生徒達で囲まれていた。

クラスメイトA「恋町さんってほんとに男だったの!?」

クラスメイトB「どこから声出してるの!?」

そして、教室の片隅では・・・

クラスメイトC「俺、一目ぼれしてたのに・・・」

クラスメイトD「マジかよ・・・ついてんのかよ・・・」

クラスメイトC「でも俺、そういうのもいいかも・・・」

ちょっとヤバい発言を聞いてしまった気がするが気にしない。


ルイは高校デビュー大成功か・・・

正直悔しい。負けた。はっきり言って勝てる要素なんて無いけど。

周りに人が居ない自分が惨めに感じる。

鞠奈「ルイ!ちょっと来て!」

瑠依「え、マリ、ちょっと、」

急に引っ張られて焦っている瑠依を引き摺りながら、教室を飛び出す。



誰もいない廊下。

瑠依「マリ、ちょっとストップ!」

その声で私は足を止める。

瑠依「マリ、急にどうしちゃったのさ?」

目を逸らす。

なんでこんなことしちゃったんだろう。

鞠奈「・・・ごめん。」

それしか声が出なかった。


目が霞む。

瑠依が遠くに行ってしまうような気がして怖かった。

私はクラスメイトのみんなに嫉妬していたんだ。

そんな自分への嫌悪感とこんな状況でも優しくしてくれるルイへの罪悪感で私は新学期早々つぶれそうになっていた。


涙がこぼれそうになる。

でも、その涙はこぼれることはなかった。

瑠依「マリ、泣かないで、折角の可愛い笑顔が台無しだよ?」

ルイが私の涙を人差し指で掬っていた。

ああ・・・私はルイのことが好きなんだ・・・



私は少しの間だけ、ルイに抱きついてその胸で泣いていた。

瑠依「もう落ち着いた?」

鞠奈「うん。ごめんね、制服汚しちゃった。」

瑠依「いいのいいの、昔からマリには助けられてたもんね。」

そういえば、小学生の頃はルイもよく泣いてたな・・・

でも、中学の頃、ルイは私の前で泣かなくなって・・・

今じゃ立場が逆転してしまった。

それでも。

鞠奈「お姉さんなんだからしっかりしないとね!」

瑠依「それでこそ、いつものマリだよ!」

ルイの差し出してきた手を取って立ち上がる。

鞠奈「さ、もう授業始まっちゃうよ?」

瑠依「急がなきゃだね。」



教室に着いたらクラスメイトからの質問攻めが待っていた。

クラスメイトB「どこに行ってたの?」

クラスメイトE「恋町くんと江崎さんってどんな関係なの?」

クラスメイトC「恋町、本当に男なんだな・・・」

うぉぉ、すごい勢い。

瑠依「えっと、僕とマリは、幼馴染なんだ。」

鞠奈「小さい頃から女装してるよね。」

バラしちゃう。

クラスメイトA「え!?ほんと!?写真見せて!」

クラスメイトB「私にも見せて!」

クラスメイトC「か、可愛い・・・」

フフン。この写真は私しか持ってないもの・・・


でも、その時、耳元で、

「恋町くんはあなただけのものじゃないから。」

と、確かに聞こえた。

振り向いても、そこにはだれもいなかった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

ここで、二人の誕生日を公開しておきます。


江崎鞠奈  6月13日

恋町瑠依 11月27日


だから昔から鞠奈がお姉ちゃんやってたんですね。

幼馴染に過ぎないはずなのに、どうしてここまで仲がいいのかだんだんほぐしていきます。

次回もよろしくおねがいします。

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