僕らには春雨がある
硬めに茹でた春雨に、細切りにしたハム、きゅうり、錦糸卵を入れて、すし酢と胡麻油であえて、仕上げにゴマをふる。
もうそれだけで、どんな酒にもあう最強のつまみ、春雨サラダが出来上がります。
なんならそこにからしをつけても良いでしょう。ピリッと辛味のきいた口を、レモンサワーでシャキッと洗い流す。ゴマ油のコクがさらなる酒を呼び、ほろ酔いが塩気を欲っし……ボールいっぱいに作っても、我が家では余らせるという事はありません。
あと大好きなのは、揚げ春巻き。タケノコ入りや、炒り卵と鳥ひき肉の春巻きなど、奥さんが開発を進める春巻きは、我が家の定番メニューなのですが、この間〝これだ!〟とビビビッときたメニューがありました。
それは冷蔵庫の余り物で作った、春雨入り春巻き。材料は春雨、ピーマン、ひき肉(合挽き)、しめじ、玉ねぎ、食べるしょうが(残り汁ごと)春雨以外全て少量づつのそれらをみじん切りにして、皮に包んで揚げただけ。
これら材料が、奇跡のバランスをつくり、これは美味い! と思える春巻きができました。
奥さん曰く、もう二度と同じものはできないかも、との事。食べるしょうがの汁が、ひき肉の出汁とあいまって、いいお味を出したようです。
でもそれら全てのお味を吸った春雨が、この春巻きの主役であると私は思うのです。
あと食べるしょうがと春雨で、もう一品、二品、何か作れるんじゃないかな? と思えるほど、黄金コンビの片鱗を見ました。
元々春雨スープの鶏団子にはしょうがが入ってますもんね、相性は良いのでしょう。
そんな訳で、私は春雨で飲むのが大好きです。チャプチェとかも良いですね。その時はジンロの炭酸割りなんかで一杯いきたいものです。マーボー春雨ならばご飯にバウンドさせてからのビールかなぁ。揚げた春雨に豚味噌とレタスなんてレシピには、焼酎ロックあたりのガツンとくる系が合うかも知れません。
カロリーを気にするお姉さんにも、お金の無いお兄さんにも、一品おかずを足したいお母さんにも、おつまみの欲しいお父さんにも優しい春雨がある限り、家庭円満、みな笑顔で生きていける気がします。