失恋の種
鬱積を解消する感じでチマチマ更新してきますね。
私、七草優子は失恋をしていた。
失恋と言っても3か月も前の出来事だ。客観的に見れば3か月、されど私にとってはまだ3か月なのだ。
しかも負った傷はまだ深く治る見込みがまだ立っていない。失恋の傷は気づいたらなくなってるものだと人は簡単に言うけれど当事者の私にはそれが理解できなかった。
だって現に、あの失恋をしてから私は男の顔を見るたびに相手が自分のタイプなのかをくまなくチェックする癖がついてしまったのだから。
治す前に癖がついてしまったのだ。
失恋をする前の私はそんな男漁りをするような女じゃなかったはず。なんだか自分が1つ女として成り下がった気分が最近はする。プラスに考えれば恋愛に積極的になったということだろうか…。でもがつがつした女には見られたくないしそうはなりたくないのが本音。自分の趣味を楽しみながら女友達と遊び、たまに男の影がでるくらいの生活が自分にはあってる気がしてならないのだ。それなのに日頃の私は矛盾した行動ばかり起こしてしまう。
例えばSNSでメンズハンターを自称する人の更新を見たり、失恋したばかりだというのに恋愛のタグのついた記事を片っ端から読むようになった。定期的にきいていた好きなアーティストのラジオもさほど興味を示さなくなった。友達に相談したほうがいい? そんなの解決にならない。たいていの女友達は「失恋の傷は次の男で治せ」と助言するにきまってる。そうだと相場が決まってるのだ。それが世の中の常識的な治癒方法なら従いたいけどきっとそれだけじゃないとも思ってる。だからといって1人で抱えられるほどメンタルは鋼じゃない。今のところこの事は信頼のおける1人にしか話さないつもり。
いつもいつも世話焼きな人からの着信はまだこないし、裏を返せばもう2度とこない。
失恋の種は恋愛至上主義へと次の段階に発芽したのだ。