LC版『Joanna Balsamo Little Cagliostro』-5
「ガオウ!!」
「「「――!?」」」
凄まじい咆哮が、あたりのざわめきを鎮める!
「この状況をきっちりと説明できるものはいるのか……」
唸りながらタビノ・キングは周りを見渡す――
「お前か? この騒ぎの主は……」
タビノ・キングは、ステージの隅で司会を務める宍戸秀作に視線を向ける――
シャキン!! グオン!!
一気に跳躍し、鋭い爪で秀作に襲いかかろうとする!!
ギン!!
ガガン!!
「――!!」
瞬間、銀色の物体が上空より飛来しタビノ・キングの爪より秀作を守る!!
「……彼は、今回の事に協力してくれている一般人なんでね……あまり危害を加えないでくれ」
銀色の物体はそう言う――
「嘘!!」
「あれって……!!」
魔法少女の何人かが驚きのあまりざわめく。
「なんであるか?」
「あれは、確か……」
ワーボワールからやってきたヌイグルミと、この世界にしばらく滞在していたヌイグルミとで反応が違う――
「「シルバーファング!?」」
それは、銀色のパワードスーツ、特撮のヒーロー、銀色の恐竜『シルバーファング』だった――
「やっぱり、本物はかっこいいよね!! ね、魅咲ちゃんや綾花ちゃんもそう思うでしょ!?」
予知能力を持った少女がはしゃぎまくる。
「瑠璃ちゃん、テンション上がりすぎ。銀河さんなら昨日も会っているじゃない……」
「お前は何者だ?」
爪を防がれてうめくタビノ・キング――
「……超常自衛隊、特殊三佐七瀬銀河――今回の異世界人による魔法少女誘拐事件の解決を命ぜられている――」
「何?」
「君たちがやっていることは、拉致誘拐だ――わかっていなかったのか?」
「……」
にらみ合うシルバーファング……いや、銀河とタビノ・キング――
「貴様、何をしっている?」
「話はうさぎとオオカミから大体聞いている――おとなしく、拉致した魔法少女を返すならそれでよし、返さないと言うならば、それなりの手段を使わせてもらう――」
ガン!!
タビノ・キングは軽く跳躍し、銀河から距離を取る――
そこへ駆け寄ってくるキツネの宰相とグレン・ナジャ。
「……天覇の魔女をエサに、我々をおびきだした、と言う訳か……」
「………想像に任せるよ………まぁ、予知や予言に頼る連中は騙しやすいというのが現状だ―――」
「グレン・ナジャ!! おぬし――!!」
キツネの宰相がグレン・ナジャに詰め寄る――
「よい、グレン・ナジャを責めるな……騙されたのは皆同じだ……」




