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LC版『Joanna Balsamo Little Cagliostro』-3

『スクランブル!! スクランブル!!』

『異空間ゲート解放・超空間通路確保地球に向けて出陣準備完了致しました』

 ワーボワールという名のとある軍事国家で、慌ただしい動きがあった。

「楔の少女の状態は!?」

「安定しています! すぐにでもゲートを開けられます!!」

「5人の魔法少女達の転送準備は!?」

「もう間もなく完了します!」


「グレン・ナジャめ……もしこれが預言外れだったとしたら、責任は取ってもらうからな」

 タヌキのヌイグルミがうなりながら言う。

「しかし、本当にあの大災厄『天覇の魔女』を手に入れられるのだとすれば、我が国にとって有益なことはありますまい。あの魔女の凄まじい力を手に入れられるなら、どんな犠牲を払ったっていいではありませんか」

 キツネのヌイグルミがそう言う。

「そうであったな」

「では閣下、出陣の合図を!」

「うむ、本国守備のための軍を残し、本体は地球へ向けて出陣せよ!!」

 ライオンのヌイグルミ――に見えるこの国の元首タビノ・キングが号令を発した。



「お久しぶりですサーヴィン・メプル!! それに初めまして、先輩魔法少女の方々」

 ベル・ホワイトが媛崎中学校の校庭に降り立った魔法少女5人に挨拶をする。

「私のすぐ上の先輩サーヴィン・メプル、そして……」

「リザ・クルージュよ」

「エルドラーナ」

「トゥインクル・アロア! よろしくね、後輩の皆さん」

「クインローズだよ」

 サーヴィン・メプルを除く、4人の魔法少女がそれぞれがぺこりと頭を下げてゆく。

「それにしても懐かしいな媛崎中学校も……」

 魔法少女エルドラーナが校舎を見上げ言う。

 他の三人も、皆思い思いの表情で媛崎中学を見ていた。




「今なら、はっきりと預言できます……ああ、なぜ今の今まで預言できなかったのだろうか……」

 グレン・ナジャはゆっくりと立ち上がりながら言った。

「相変わらず芝居がかったしぐさだな。グレン・ナジャ」

 配下のヌイグルミ達を引き連れた、ライオンのヌイグルミが三毛猫のヌイグルミのそばにくる。

「これはこれはタビノ・キング閣下。このたびは急な出陣要請にこたえていただき、感謝にたえません」

「当然だ、我が国をめちゃくちゃにしたかの天覇の魔女が現れるというの言うのだからな」

「閣下が指揮を取られるのだ。敗戦はあり得ぬ」

 タビノ・キングのそばに控える宰相……という地位にいるキツネのヌイグルミが高圧的に言ってくる。

 そう、今ここには、ワーボワールから来た精鋭達がいる。いかに災厄をもたらす魔女だからと言って、そう簡単には負けはしない。

「以前、あの魔女が現れた時には、私の予言がうまくいかず事前準備の無いままの戦いとなり、多大な被害が出てしまった事、今悔やんでも悔やみきれません」

「ああ、わかっている。今度は準備万端であの魔女を迎え撃ってやる。そして……あの魔女は必ず手に入れる……」


「そいういえばさ、天覇の魔女ジョアンナってそもそも一体何者なの?」

 ロイヤルセレナが、レオにそう聞く。

「ワーボワールをむちゃくちゃにした魔女だよ。俺は……恐怖であの時は逃げる事しかできなきなかったから、そう詳しくはない」

 そう言って、レオはしゃべり始めた。

「ワーボワールではない異世界出身の魔女で、凄まじい魔力を持つ最悪の魔女だって話だった」

「私達が産まれた頃にワーボワールに現れて、破壊の限りを尽くした。それによって、私達は赤ん坊の時にこの異世界へ避難させられた」

 そばにいたベル・ホワイトが続きを言う。

「まだ彼女を残した爪痕がワーボワールには残っているわ」

 先輩魔法少女の1人がそう言った。

「わからないなぁ……異世界にいた魔女が何の目的でこの世界に現れるんだろう?」

 かなり、辻褄が合わないことが多い。

「瑠璃ちゃんは、魔法少女やワーボワールの者達が目的だろうって言っていたけど……そもそも、瑠璃ちゃんや綾花ちゃん、魅咲ちゃんもよく知ってるって、雰囲気だったんだね」

 それどころか、天覇の魔女は自分たちと同じこの地球の人間だとも言っていた――

「異世界に行けるんだから、ワーボワールの人達が目的じゃない……やっぱり天覇の魔女の目的は――私達魔法少女かもしれない……?」

 ロイヤルセレナは、自分の考えをまとめようとする。

 その時、どこからともなくスピーカーの音声が響きわたった。

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