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AS版その4『魔法少女の帰還』-5

「これって、もっとスピードが出ないのかなぁ?」

 ふわふわと、漂うように移動する雲の上で綾花はそう言った。

「無茶言わないでよ。私の白飛雲は、そんなにスピードが出るものじゃないの。早く飛ぶ飛雲に乗りたいなら、辰君の黒飛雲に乗せてもらえばいいじゃない」

 飛雲をコントロールしながら、瑠璃はそう言う。

「魔法少女になるなら、空飛ぶ箒を使わせてあげてもよろしいぞ」

「……黙っててくれない? 腹黒うさぎ」

 腹黒うさぎ――そう呼ばれたのは、白いうさぎのヌイグルミ・キャロだった。

「……おいおい、そういう言い方ないだろう?」

 うさぎの横にいるオオカミのヌイグルミ・マジュ・リッツが会話に加わる。

「キャロはこれでも退役軍人の中ではかなり気のいいほうだ。腹黒などと言い方は似合わない」

 雲の上で論点のズレたことを言うマジュ・リッツ。

「それにしてもこの雲の術というのはなかなか面白いな。この術のことも学ばせていただきたいものだ。この白飛雲やあの辰羅とか言う奴の使う黒飛雲の他にどんな雲があるんだ?」

「そうねえ、やっぱり有名な飛雲術と言えば、孫行者……孫悟空の使う筋斗雲じゃないかなぁ? 最強最速、最高最大――飛雲術を習った人間なら誰もが憧れる最高の飛雲――それが、筋斗雲――」

「孫悟空……確か、サル、だったなぁ……トルオ・ニュウのやつが同族だから、使えるじゃないか?」

 論点のズレた言葉にやっぱりズレている言葉で返し、会話を続ける瑠璃。

「そんな話をしてていいの? 急がないと、間に合わなくなるんじゃないかしら?」

 綾花が、的確な突っ込みを入れた。




「和風戦隊ヤマトレンジャーの、ニンジャレンジャー……皇賀忍軍の、ニンジャ……?」

「皇賀忍軍って、あの……」

 姿を変えた魅咲を凝視し、ベル・ホワイトと苺がそれぞれ言う。

「黒いウサミミとウサシッポをつけた幼女を追い回したり、妖精の女の子を自分のものにしようとしたり、同級生を女装させて喜ぶと言うあの皇賀忍軍!?」

「ちっが~う!! 一体全体どこからそんな間違った知識を拾ってきたんですか!? 苺先輩!!」

「え? 違うの?」

 姿を忍者のものに変えようと、新聞部の後輩と言う事は変わらないらしい。

「皇賀忍軍って……確か天逆衆の天敵なんだよね!? 前に、島戸先生からそう聞いたことがあるよ!」

 ロイヤルセレナはそう尋ねる。

「何年前の話? 今じゃ天逆衆も皇賀忍軍も星占部も仲いいよ」

「星占部?」

 苺が、そうつぶやいた時だった。

「やっと、ついた~~」


 屋上の〝外側”からそんな声が聞こえてきた。

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