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AS版その4『魔法少女の帰還』-3

「………御陵!?」

 階下へ降りる階段の上に立ち自分たちを見下ろすようにしている男子生徒に対し、隆幸がそうつぶやいた。

「誰?」

 ロイヤルセレナは隆幸の言葉に疑問符を投げかける。

 隆幸は知っている人間のようだが、ロイヤルセレナにはとんと見覚えのない人間だ。

 それは、ベル・ホワイトやワーボワールのヌイグルミ達にも同じことだ。

「……一年A組の御陵辰羅……俺のライバルだ」

 そう、そこにいたのは御陵辰羅――一年A組、隆幸の隣のクラスで、小学校の頃剣道の試合で負けた隆幸は彼をライバル視しているが、由良瀬理奈や白鈴愛美にはほとんどと言っていいほど関わりのない人間だった。

 そういえば、隆幸と体を入れ替えた時にいた人達の中に、この男子生徒がいたような気がするが、あまり覚えていない。

「……隆幸君のライバル? なんでそんな人が、こんな時間にこんなところにいるの?」

 そう疑問はもっともだ。

「それに、今、この学校はここにいる人間以外は眠りの魔法がかかってるはずです」

 グレン・ナジャもそういう。

「……俺は、別にお前の事をライバルだなどと思っていないけどな、コトリ」

「コトリじゃない、オズだ!!」

 とりあえず、辰羅と隆幸が行う恒例のやり取り。


 スタッ!


 隆幸の側に辰羅は飛び降りる。

「……どうやらお前は、結構この件に関わってみたいだな。まあ、悪いことは言わない。邪魔だけはするなよ!」

「邪魔? 一体何の話しだ?」

 辰羅は隆幸を無視し、魔法少女とヌイグルミ達の前まで来る。

「……お前達をとらえにきた。おとなしく捕まってもらおうかワーボワール!」

「は?」

 言われて身構えるヌイグルミ達。

「ちょ、ちょっと……御陵、君、だよね………、あなた一体何を言っているの?」

 ロイヤルセレナが少し怒ってそういう。

「……確か、C組の由良瀬里奈、だったか? お前にも関係のないことだ黙っていてもらおう」

「え……? どういうこと!? 私に関係ないなんて、あるわけないじゃない!! あなたは、私のライバルでもあるんだよ!!」

「は?」

 ロイヤルセレナの放った言葉に、今度は辰羅の方が疑問符を浮かべた。

「……? ライバルって、どういう意味? 俺はお前とはあんまり関わったことないぞ?」

「……? あ、あれ?」

(なんだろう? この人を見ていると、どうしても、この人に勝ちたいって気持ちになる……なんか、あったのかな?)

 ロイヤルセレナには、それが一体化しつつある隆幸と瀬里奈の心によるものだという事はわからなかった。

「……まあいい、とりあえずお前達魔法少女には今回の事は関係のないこと! あなたもおとなしくしていてくださいね白鈴先輩」

 辰羅は愛美のほうに向いてそういった。

「俺の目的は、お前達だけだからな! ワーボワール!!」

「言っていることが、よく分からないのですが……? あなたは一体、何者ですか?」

 ヌイグルミ達を代表し、グレン・ナジャがそう言う。

「何者ですか? あなたのような方がこの場に現れるなんて……私の予言にはありません」

 きつい口調でグレン・ナジャが言う。

「……」

 辰羅はゆっくりとグレン・ナジャを見下ろす。

「……そうか、お前が預言者か……。まあ、予言や予知能力なんてあてにならないもので行動してるような奴に俺の事が分かるとは思えないけどな」

 そう言って辰羅は手を伸ばし、グレン・ナジャを捕まえようとする――

「やめなさい! 光の矢よ! 『ライトニング・アーチェリー』!!」


 バシュ!!


 ベル・ホワイトが辰羅に光の矢を放つ。

 この魔法には大した威力はない。牽制のために打ったに過ぎない。

「ちょ、ちょっと! 何をやっているの?」

 ロイヤルセレナの意外な行動にびっくりして声を上げるベル・ホワイト!

「え……あ、だって……あいつは……」

 ロイヤルセレナも自分の行動にびっくりしてしまう。しかしそれが、自分と一体化しつつある隆幸の心がそうさせたものだとは思っていなかった。

「邪魔するする気か? 魔法少女」

 そう言って辰羅はロイヤルセレナに向き直る。

「おい、御陵!」

 隆幸はどうするのが一番いいのか模索する。自分がかかれば辰羅を封じ込められかもしれない。しかし、魔法少女達みたいに魔法が使えるわけではないし……


「邪魔をする気ならば、俺も容赦しない」

 辰羅はゆっくりと手を前にかざす――


 ポウ……


「え――!?」

「な、何!?」

 辰羅の手の平から紺色に鈍く小さな輝く光の玉が現れる。

「ま、魔法……?」

「いいえ、魔力は一切感じません……」

 グレン・ナジャがその不思議な玉を眺め言う。

「……お前たち異世界の者に、この世界にある力がわかるとは思えないな……!」

 光の玉は、一瞬ふわりと浮きあがり、

「天上の世界高天原より堕とされ、妖と呼ばれる者達よ。その力が神々の物と等しき尊さを持つというのなら、俺にそれを見せてみろ……」


 ドシュウウウウウウ……


 紺色の玉に、何かが集中していく。少し大きく、少し色が濃くなる。

 辰羅の掌に玉が戻った時……辰羅は、

「妖気掌握!」


 グッ!!


 その玉を握り潰す!!

「化身! 戦化生!!」

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