S版その5-7
「勝利インタビューをお願いします! 魔法少女! ズバリ、勝因はなんですか?」
「え……? え~と……」
女子生徒の一人から、いきなりそのようなことを言われ困惑するロイヤルセレナ。
「勝因……? そ、そんなのはわからないよ!」
「魔法少女、サインして!」
「握手、お願いします!」
「記念撮影を撮らせてください!」
生徒達がワラワラワラとロイヤルセレナに群がってきた。
「あ、わ、わわわわわ……」
「おやおや、人気者は辛いなぁ」
レオが笑いながら言う。
「あ、これが魔法少女についてるお伴妖精? かわいいなぁ」
「フッ……その通り、このレオがロイヤルセレナの使い魔だ!」
自分に向けられた好奇の目を軽くかわすレオ。
「あわわ……え、え~と……ス、『スモーク』!」
ボフン!!
生徒達の好奇の目に耐えきれず、煙の魔法を使い姿を隠すロイヤルセレナ。
「うわっ煙い!!」
「おーい、扇風機持ってこい」
「どこだ、魔法少女!?」
しかし、生徒達はそんなことでは止まりそうにない。
「……えっと……『フライング』!!」
ステッキを空飛ぶ箒に変え、ロイヤルセレナは窓から飛び出した。
「ふう、ここまできたらだいじょうぶだよね」
普段は入り口に鍵がかかっているため生徒の出入りがほとんどない屋上に降り立つ。
「大人気だな、ロイヤルセレナ」
レオが笑って言う。
「どうしてこうなるんだろう?」
「まあ、あのブラック・モノボル戦の時の活躍が評価されたって事だろ。喜べよ」
「……一部の人には正体もばれているんだよね……普通の魔法少女物のアニメとかじゃ、こんな事にはならないのに……」
ロイヤルセレナはため息をついた。
ぱちぱちぱち!
「――!?」
近くから聞こえてきた拍手の音に身構えてしまうロイヤルセナ。
「すごかったよロイヤルセレナ」
現れたのは、白鈴愛美だった。
「あ、ベル・ホワイトっ!」
「やばくなったら助けに行こうと思ったけど大丈夫だったわね」
「え~~、なんで来てくれなかったんですか? まあ、相手は雑魚でしたけど」
口をとがらせて、文句を言うロイヤルセレナ。
「実はね、ちょっと思うことがあってさ」
「思うこと?」
愛美は、そこで少し寂しそうに笑う。
「実はね、私……、ワーボワールにそろそろ帰ろうかと思うんだ……」
「え……………?」




