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S版その5-5

(この人……完全な素人だ……)


 凛華は、ロイヤルセレナの鞭によって叩き落とされたハリセンを拾おうとする。ロイヤルセレナに、背を向けて……


「ていっ!」


 パコッ!


 凛華の無防備な背中を、蹴ってみる。


 ペタッ!


「~~~~っ!! いった~い!! なにするのよ!!」

 凛華が勢い良く立ち上がりロイヤルセレナに詰め寄る――!!

 凛華の顔がロイヤルセレナの目の前まで来る。これなら――


「仮面を、外せるよね!!」


 何かを騒いでいる凛華を無視し、その顔についてる仮面に手をかける――

「――!!」


 ピシッ……


 仮面に少し亀裂が入り、そこから…………光がもれ始める。




「やっと、鑑定の結果がでたよ。この『獣魔石』は、三年前ダークメーソンからもたらされたものと同一だ」

「……天覇の魔女ジョアンナ率いる魔道衆、ダークメーソンが……?」

 超常自衛隊特殊三佐七瀬銀河は、調査報告書に目を通しながらそうつぶやいた。

「四年前、ヨーロッパで多数の子供達が被害にあった『強制覚醒』事件――日本人の兄妹が巻き込まれたあの事件で、ジョアンナは手に入れていた――異世界へ行くための能力者を――」

「逆に言えば、その能力者を手に入れるために『強制覚醒』事件を巻き起こしたと言うところだろうな。気まぐれなあの天覇の魔女は……」

「で、この『獣魔石』がどのようなものなのかわかったのか? 式――」

 銀河は、式と呼ばれた男に問い掛ける。

「ああ、身つけた者に、魔法の力を与えるための呪具に形を変えられているが、本来は生きた魔法生物だ。何らかの理由で――今回は、神城嬢の能力『アーク』の力が関わっていたのだろうが、呪具化の魔法が解かれると、元の魔法生物の姿に戻ることがわかっている」

「ブラック・モノボルは、それによって元に戻った……」

 調査報告書を机の横に置き、パソコンでデータを呼び出す――

「だが、呪具化の魔法はかなり強力なもので、元に戻った魔法生物がある程度ダメージを受けると、再び『獣魔石』化してしまう――仮面の形をしているのは、つけた人間の精神をコントロールしやすいからだろう」

「問題だな――呪具としてなら超常自衛隊でも使用が可能かと思っていたが、精神に悪影響を及ぼすとなると――」

「ああ、おそらく『上』は禁制技術に指定してくるだろう」

 銀河は、パソコンの電源をきる。

「ところでさ、生きた魔法生物を呪具の形にして身に付ける――精神にも影響物を及ぼすこれが、もし暴走なんかしたら、どうなるんだろうな?」

「ブラック・モノボルの例もある。もしかしたら、人間の身体と精神を、乗っ取ってしまうかもしれない――」




「ぐわああああああああん!!」

「きゃ!」

 光を放った仮面が粉々に割れ、破片が凛華の口の中へ吸い込まれていく……!!


「キャハハハハハハ!!」


 凛華は突然大笑いする!!


「な、なんだ!?」

「いったい、どうしたの!?」

「へ……変態が、変体した……」


 周りのロイヤルセレナを応援していた生徒達も驚きを隠せない……


「キャハハハ!! ノットリ、ダイセイコ!!」

 そういった、凛華はもう人の形をしていなかった……

 姿形は、若い女性のものだが背中に翼が生え、体がピンクの鱗に覆われてるように見える。五指からは、鋭い爪が生えていた。

 まるで、ピンク色の悪魔、といった感じだ――!!


「キャハ! ワタシハジュウマエシュト!! ココニアラタナニクタイヲエテ、ワーボワールノシハイヨリ、トキハナタレタ!!」


 入田凛華改め、魔獣エシュトは高らかにそう宣言した!!

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