表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/119

S版その5-4

「魔法少女、魔法少女、魔法少女はどこ!?」

 凛華はキョロキョロとあたりを見渡し目に入った生徒を次から次へと魔法少女の衣装に変えていく。それはどう考えても『少女』とは言えない男性教師にまで及んでいた。

「待ちなさい!!」

 そこへ、凛華が探し求めていた本人、魔法少女――ロイヤルセレナが現れる!


「あなたは、魔法少女?」

「そう、私は魔法少女ロイヤルセレナ……! 媛崎中学校の平和は私が守る!!」

 ビシッとポーズを決めるロイヤルセレナ。


「あ、魔法少女だ!」

「お~い、皆、魔法少女だぞ!」

「ホントだ、頑張れ!!」


 凛華の前にロイヤルセレナが現れた時、周りの生徒達が反応する。


「え、なんで……?」


 ロイヤルセレナは周りの生徒達の反応に困惑する。

「前回の黒い茨事件を解決したのが魔法少女ってことになってるからな……あの時の記憶はみんなに残っているから当然と言えば当然だろ」

 レオが冷静に分析し、ロイヤルセレナに伝える。

「……なんか、やりにくいな……」


「ガンバレガンバレ魔法少女!!」

「負けるなー!」

「そんな変な女瞬殺しろ!!」

「かわいい! 後で一緒に記念撮影させてね」

 生徒達は好き勝手なことを言っている……中には、応援でないことを言っているものも少なくない……


「ちょっと、魔法少女は私の弟をいじめた悪人なのよ! なんで応援するの!?」

 凛華がいきりたって周りの人間に対して怒鳴る。

「……? 弟って?」

 誰かが、そんな声を上げる。

「私の可愛い弟、入田鹿康よ!!」


 シーーーーーーーーーン…………………


 凛華の言葉に、周りが静まりかえる……


「……い、入田鹿康って……」

「あの、変態の……」

「……媛崎中学校一の犯罪者……」

「我が校の恥、入田……」

「長谷堂十和子さんの絵を台無しにした、あの入田鹿康……」

 少しずつ、生徒達に言葉が戻ってくる。そして……


「「ガンバレ!! 魔法少女!!」」


「「必ず勝利を!!」」


「「やっつけろ!! 入田一族を!!」」


「「必勝!! 激勝!! 完勝!!」」


 周りの生徒達の声援が激化する!!


「うわぁ……」

 ロイヤルセレナはたじろいた……

 こんなことが起こるとは思っていなかった。

 生徒達の声援に、抑えられているようだ。だが、本来は彼女の背中を押しているのである。

「ロイヤルセナ、戦うんだ! みんなの声援を背に受けて!!」

「う……うん!!」


「魔法少女に、お仕置き!!」

 周りの声を全く気にしていないのか、凛華がハリセンを構えて突撃してくる!!


 ブン!!


 ハリセンが虚しく宙を切る――ロイヤルセレナは素早く避けてステッキを――

「『マジカル・アロー』!!」


 シュン! シュン!!


 ステッキを変化させた弓から発射された魔法の矢が、凛華に迫る!!

「クッ……」

 ハリセンで矢を叩き落とそうとする凛華。しかし、彼女はただの変態でしかない。戦闘技術などありはしないのだ!!


「『ウイップ』!!」


 ビュン!


 凛華の体制が崩れたのを見越し、ステッキを鞭に変えてハリセンを叩き落とす!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ