S版その1-3
「天逆衆が一人、ヤミゴロモ……!」
上から下まで完全に真黒な衣装に身を包んだ何者かが、一年C組の教室に降り立つ。
「そろそろ決着をつけようと思っていた。なぁベル・ホワイト」
「なにアレ?」
瀬里奈が怯えた目で漆黒の乱入者をみる。
「かのじょ!! かのじょ!!」
疾風は何も変わっていなかった。
「魔法少女を倒し、この学校に我ら天逆衆の拠点基地を開発する。それがこのヤミゴロモが役目……覚悟してもらおうか……魔法少女ベル・ホワイト!!」
ボウッ!!
闇の衣をひらめかせ、黒いエネルギーを作りだす!!
「くらえ! 『ダークボンバー!!』」
ギュオンッ!! ドオン!!
ヤミゴロモの放った攻撃が教室を震わす!!
「キャアアア!!」
瀬里奈が悲鳴を上げる。
「くぅ! 『シールド』!!」
パラパラと落ちる破片から気絶している女の子達を守るために、ベル・ホワイトが防御魔法を使う。
「逃げて!!」
ベル・ホワイトが瀬里奈に言う!
「他人の心配とは余裕だな!!」
すべるようにベル・ホワイトとの間合いを詰めるヤミゴロモ!!
「逃がすつもりはない!! おとなしく俺の彼女になれ!!」
疾風がすごい勢いで瀬里奈の後ろに回り込む。そして、蜘蛛の糸を吐き出す!!
「いやぁぁぁぁぁっ!!」
疾風の吐き出した蜘蛛の糸が瀬里奈を絡め取ろうとする――!!
「大丈夫!?」
「よそ見とはっ! 余裕だな!!」
バシッ!!
ヤミゴロモがベル・ホワイトのマジカルソードを弾き飛ばす。
それは偶然にも、瀬里奈の方に飛んできた。
パシッ……
意識せず、マジカルソードをつかむ瀬里奈。
シャラララン!!
突然、マジカルソードが光り輝く――!!
「え……!?」
「何っ!?」
ベル・ホワイトとヤミゴロモが驚愕の声を上げる!!
「……これは……魔力……まさか、君はワーボワールの!?」
パクが瀬里奈を見上げる。
シャン!!
瀬里奈は、光が増したマジカルソードを振い、疾風が吐き出した蜘蛛の糸を散らす!!




