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AS版その3『異世界人の思惑』-2

「『サンダー・クラウド』!!」


 バリバリバリバリ!!


「きゃあああああ!!」

「ロイヤルセレナ!!」

 バリアが間に合わず、ダメージを受けてしまうロイヤルセレナ。

「弱い弱い弱い! これで学校を守る魔法少女だなんてよく言えるね!!」

 あざけるようにクロマントがいう!

「はあ!!」

 その隙をついて、背後に回った隆幸が魔法の剣でクロマントを急襲する!!

「元気ね! お侍さん!! 『ウインドウ・ボム』!!」


 ドン!!


 その急襲を読んでいたカゲホウシが、風の魔法で隆幸を吹き飛ばしてしまう!!


 ズザザザザザザ!!


 ロイヤルセレナと隆幸が並んで校庭に転がる……

「『ライトニング・アロー』!!」


 リン!!


 ベル・ホワイトが二人を守るように立ち、光の矢を放つ!!

 それを避けたクロマントに秀作が切りかかる!

「大丈夫か!? 『ヒーリング』!」

 パクとレオがロイヤルセレナと隆幸を回復しようとする――


「あ~あ、なんかまぁ飽きてきちゃったな」

 クロマントがそう言ってくる。ヤミゴロモは倒されたものの、まだ天逆衆側が優勢なのは変わりない。

「……このまま、絶望を与えてやるか……」

 そう言って、クロマントはブラック・モノボルに体を乗っ取られている生徒たちのほうに向き直る。

「僕たちの兵士諸君! 初陣の時だよ! 僕らの敵をみんなで倒しちゃおう!!」

「「「ワカリマシタ!! クロマントサマ!!」」」


「――!!」


 動き出す、生徒達―――――


「クソ!! どうしたらいいんだ!?」

「愛の奇跡が起きて、みんな目を覚ましてくれたらいいんだが……」

「やめて、みんな……」


 魔法少女とその仲間たちが絶望の色を顔に出す――


 大勢の生徒達が襲いかかろうとした瞬間!!


「はぁ!!」


 バシュン!!


 天空より一人のヒーローが舞い降りる!!

「――!?」

「今度は何!?」

「あれは……スターフェザー!?」

 スターフェザーのことを知らない陽子と苺、それと秀作は……

「星羽!!」

「……ハァ……」

 スターフェザーは本名呼ばれ少しため息をつく。

「知ってるんですか? 宍戸先輩?」

「ああ、クラスメイトだ。ああいうコスプレ趣味があるなんて、今日初めて知ったけどね。ついでにアレ空を飛べるらしい」

 秀作はそう言ってスターフェザーに近づく。

「お前なぁ、助けに来るなら早く来てくれよ! 今、大ピンチなんだ」

 そういう秀作をスターフェザー……星羽は軽くにらむ。

「……情報が入るのを待っていたんだ。ブラック・モノボルの対処法がわかった。一応、援軍のほうも呼んである」

「援軍?」

 その時、校舎の方から二十数人の生徒達が出てくる。被害を免れた1年A組の生徒達だ。

「……御陵!?」

「あ、いたのかコトリ」

「コトリじゃない!! オズだ!!」

 その生徒達の中に知った顔を見つけて声を上げる隆幸。そして繰り返されるいつものやりとり。

「魅咲ちゃん!?」

「ヤッホー! 苺先輩も無事なようで」

「草薙編集長よ。とにかく無事でよかったわ」

 新聞部の二人が、顔を合わせる。

「……あなたも無事だったのね翡翠瑠璃! せっかくあなたに勝てるチャンスだと思っていたのに――」

「陽子ちゃん、何をたくらんでいたの?」

 ただ、みんなの無事を願っていただけの陽子。だけど彼女はライバルである瑠璃を助けて優越感を得ようと考えていた――

「綾花ちゃん、あなたも……」

「一色先輩? 無事で良かったですね」

 星羽の後ろからついてきた遼子が綾花に声をかける……

 その他、大勢の生徒達が今まで戦列に加わる――


「あれが、第3の魔法少女、魔法少女エース――」

「……まだ、変身してないみたいね。クラスメイト達が無事だったのは、彼女が助けたから……そう考えるのが無難ね……」

 クロマントとカゲホウシ――2人はグレン・ナジャから予言は聞いていた。

 今回の計画は、新たな魔法少女の覚醒と他の魔法少女達の成長にある――

 だからこそ、いつもの欲望の仮面ではなく多人数を操る黒い茨の仮面を使ったのだ。

「……まだ、私たちは魔法少女エースの事を知らないってことになっている。 だから……」

「わかってるよ、ちゃんと演技すればいいんだろう」

 ヒソヒソ声で段取りを確認しあうクロマントとカゲホウシ。

 空気を読んでいるのか、ブラック・モノボルに操られた生徒達も立ち止まっている。


「……お前も、魔法少女と天逆衆の戦いに参加してくれるのか? 御陵」

 隆幸が辰羅に問い掛ける。

「はぁ? 何で俺達が天逆衆と戦わなきゃならないんだ? 俺達がやるのはブラック・モノボルに操られた連中を助けるだけだ」

 当たり前、といった口調で隆幸に答える辰羅。

「……? ブラック・モノボルとは何だい? さっき、星羽も同じ言葉を言っていたが……?」

 秀作が隆幸の横に立ち辰羅に問い掛ける。

「あの黒い茨と仮面の事ですよ、宍戸先輩。どうやら、異世界の魔法植物らしいですけど」

「……? 異世界の? 天逆衆は平家の頭領・平清盛が幻術にかかりにくい子供を使って探しだそうとしたという伝説がある、この世界の組織だろ? それが何で異世界の魔法植物をつかうんだ?」

「……その答えは、異世界のウサギと犬に聞きますよ。今は、生徒達を助けるのが先決!」

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