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SS版『魔法少女え~す・ショートショート』-6

☆ドッジボール‐3☆


「魔力解放・変身!! 『ロイヤルセレナ・オーロラデビュー』!!」

 仮面をかぶり、片手にドッチボールの玉を持った男の前に魔法少女ロイヤルセレナが立つ。そして、


『小鳥君……悪いけど、変わってくれる?』

『おおい!』

『なんか怖いんだもの、あの人!』

 瀬里奈の心は、早々に戦闘放棄し隆幸の心をロイヤルセナの前面に押し出す。

「たく……、とりあえずその仮面、たたき落としてやるぜ!」

 そう言ってロイヤルセレナはステッキをかまえた!


☆ヤキソバパン‐3☆


 理沙は、相変わらずドスドスドス!! という派手な足音と、巨大な体を揺らしながら学校を出る。本来それは校則違反だ。何かしらの事情があり、一時校外に出るには教師の許可がいる。

 が、かぶせられた仮面が理沙の欲望を増幅させていた。もう彼女にはヤキソバパンのことしか頭にない――よっぽどのことがない限りその歩みを……その突進を、止めることができないだろう――そう、よっぽどのことがない限り……


「うっ!!」


 よっぽどことがあり、彼女は足を止めてしまった。


 彼女は見てしまったのだ――


 学校近くのコンビニエンスストアの駐車場に車を止めている3人の変態を――


☆眼鏡-4☆


 歴戦の強者である魔法少女ベル・ホワイトにとって、眼鏡使いなど敵では無い。

「『ベル・ホワイト・ファイナル・アタック』!!」


 リンゴーン!!


 凄まじい力の魔法が、友介を吹き飛ばし、魔法少女vs眼鏡使いの戦いは幕を閉じた。


 その後、彼女は友介によってかけられた眼鏡を回収し、壊されたコンタクトを魔法で直し、感謝の言葉を述べる生徒達に自分との絆よ、と言ってお守りを渡して去っていった。


☆ドッチボール‐4☆


 つけられた仮面で視界が狭まりよく狙いをつけることができない治郎は、ロイヤルセレナの中にいる隆幸の敵では無い。

 隆幸の持つ剣道の経験は、少女の肉体――そしてヒラヒラの魔法衣装ををまとっていたとしても衰えてはいなかった。

 いや、魔法少女の持つ魔力がその動きを支えていたのだろう。

 加えて、ドッチボールが一個しかなかった。治郎は、ドッチボールを投げるたびいちいち拾っていた。投げては拾い、投げては拾いの繰り返し――欲望の仮面をつけられていたとしても、体力には限界があった――


 ロイヤルセレナの勝利は決定的と言ってよかった。


☆ヤキソバパン‐4☆


 理沙の中で、ヤキソバパンに対する欲望が、瞬間的にここから逃げたい、この3人に関わりたくないという思いに変わっていくのが分かった――


 変態・入田鹿康。鹿康の父・蛸康、同じく変態。鹿康の兄・利康、同じく変態。


「ゲヘラゲラ~~!!」

 鹿康は、学校中をゴミとも言えない変な物体で埋め尽くそうとした変態――

「グッヘッヘ……」

 蛸康は、中年ハゲオヤジなのに、どこかの有名女子高校の制服を着用した変態。

「ギギギギギ……」

 利康は、 30センチほどの筆を持った全身から変態オーラを立ちのばらせている、まごうことなき変態――


 この変態3人組を前にして、逃げようと思わない者はいない。現に、コンビニのスタッフは異常警報を鳴らし、奥の事務所で警察に電話をかけていた。


「いやぁぁぁぁぁ!!」

 理沙も悲鳴を上げて逃げ出す――が、変態は逃げる獲物を追いかける習性がある――!!


 逃げようとする理沙――だがその巨体ではスピードがあるはずがない――

 変態に襲われそうになる――


 ドゴ!!


 それを助けたのは猛スピードで媛崎中学校から飛んできた魔法少女だった――


「レオ、もう一人の魔法少女って、どうなったの?」

「わからないよ、でも……間に合ってよかった。グレン・ナジャ様の予言はちゃんと当たっていたね。仮面をつけられた少女を……助けられて良かったよ」


☆最終回☆


「いくわよ!!」

「アハハハ! ロイヤルセレナよ、このヤミゴロモ、実は1回つかえれただけで倒せるのだ!!」


 ズン!!


「ぎゃあああああ!! まさかこのヤミゴロモが何の伏線の回収しないまま倒されるなんて!!」


「……ヤミゴロモが倒されたようね」

「ふふん! 天逆三人衆の中で最弱なのさ」


 バン!! ズン!!


「きゃあああああ!!」

「まさか僕らまで!!」


「ハァハァ……やっと天逆三人衆を倒したわ。これで、天逆王への道が開けるはず――」


「ロイヤルセレナよ、よくぞまあ我が配下のヤミゴロモ、カゲホウシ、クロマントを倒してくれたな……」


「――ここが、天逆王への道だったのね――感じるわ天逆王の魔力を――」


「フッフッフ―― 一つ言っておこう。この天逆王を倒すためには聖なる杖の力が必要だと思っていたようだが――実はなくても倒せる――」

「なんですって――!?」

「そして、人質としていた先輩魔法少女だが、痩せてきたので解放しておいた――あとはこの天逆王を倒すだけだな――」

「そうなの、じゃあ私も言っておいてあげる――もう1人の魔法少女がいるような気がしたけど気のせいだったわ」

「そうか……」


「いくわよ天逆王!!」

「さあ来い、ロイヤルセレナ!!」

 ロイヤルセレナの力が世界を救うと信じて―――――




「……なんなの? このマンガ……」

「あ、ごめんちょっとギャグで描いちゃった――」

 漫研の教室で由良瀬里奈と友人の会話―――――

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