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TS版『おっぱいをつけられたイケメン』-7

「そうはさせるか! 『ソード』!!」


 シャン!!


 ロイヤルセレナはステッキを隆幸が得意としている剣に変化させる。


「すっかり、魔法を使いこなしているね」

「あのまま小鳥君が魔法少女を続けていた方が本当に活躍するんじゃないかしら?」

「……泣くぞ、あいつ」

 魅咲、瑠璃、綾花、辰羅は完全に見学モード。綾花は戦闘を盛り上げるための音楽をバイオリンで奏でている。

「自分の魔法少女の中身が変わっていても、あなたは気にしないの? 黒猫?」

「おいらは、黒豹だよ! 活躍してくれるならロイヤルセレナの中身が何者だろうと関係ないと思うけどね」

 瑠璃の問いにそう答えるレオ。


「アハハハ! 戦っているロイヤルセレナはとてもかっこいいよ! 『私らしさ』をもっと注ぎ込めば、可愛さとかっこよさを併せ持った最強の魔法少女になれるよね!!」

 隆幸がそう言いながら黒い剣を振るう!!


 ガギン!!


 ロイヤルセレナのステッキが変形した剣が、隆幸の黒い剣を弾き返す!!

「私は……そんなに弱くない!!」

 ロイヤルセレナが素晴らしい剣さばきで瞬く間に隆幸の黒い剣を封じ込めてしまう!!

「そういえば小鳥君は剣道部だよね……それも新入生で一番期待されてるホープとか……私も『あなたらしさ』を吸収して、それくらいの力を手に入れないと怪しまれるね」

 隆幸は黒い剣を捨てる! そして、


 ヴォン!!


 次に隆幸の手に現れたのは黒いピストルの形をした武器だった。

「いくら剣の名手でも、飛び道具には勝てないのね! 当たっても体がしびれる程度だから安心して!!」


 パン! パン!


 ピストルから黒い弾丸が発射される!

「ちぃ!!」

 一旦距離を取り、弾丸をかわすロイヤルセレナ!! が、ひらひらした魔法衣装がその動きを制限させてしまう!!

「ええ~~い!! 動きづらい!!」


 ビリビリビリ!!


 ロイヤルセレナは手に持つ剣で、自分の着ている魔法衣装をビリビリに切り割いてしまう!!


「わあ!」

「シャッターチャンス!」

「辰君! 見ちゃダメだよ!!」

 綾花は口を押さえ、魅咲はデジカメをかまえる。瑠璃は辰羅の目をおさえた!

「お前も見るなよ、ヌイグルミ」

 自分だけが目隠しされるのをよしとしない辰羅は右足でレオを踏みつけて地面にその顔を押しつけた。


「……ちょっと、ちょっと!! あなた、何をやっているの!?」

 魔法衣装を切り割いたロイヤルセレナに隆幸は抗議の声を上げる。それは今までの欲望に満ちた声とは全く違うものだった。

「仕方ないだろ、こんなヒラヒラした衣装じゃ動く事が難しいんだ! ……それに、さっきの変身中に一度素っ裸になったんだ! もう私には怖いものなんてないんだよ!!」

 顔を赤らめながら剣をかまえ直すロイヤルセレナ。ビリビリにさかれた魔法衣装は何とも言えないエロティックな衣装へと変貌していた。

「あ、ちょっと、ゴメン……ええっと、タンマ!!」

 自分のあられもない姿にうろたえる隆幸。しかし、ロイヤルセレナはかまわず攻撃し、


 バシ!!


 仮面を叩き飛ばした!

「仮面が!!」

 辰羅の足の下でレオが叫ぶ!


 ばっ!!


 一瞬で動いたのは魅咲だった。

「もらった!」

 空中で仮面をキャッチする魅咲!

「――!! 早く手放せ!! それは人の心の欲望を支配するように作られているんだ!!」

 レオが叫ぶ――!!

「作られている……?」

 辰羅がつぶやく。


『俺を解き放て!!』

「ん?」

 魅咲の心に、何者かが語り掛けてくる………………

『俺の力をお前の物にしてやる、魔法の力をお前が使えるようにしてやる。だから――』

 声は魅咲の心に侵入しようとする。なんでもできる魔法の力、それを自由にできる力を与えようと、誘惑してくる。だが、


 ――斬――


『――心を刃の下に置いて忍――悪いけど、心を殺す術くらい心得ているわよ――』

 魅咲はあっさりと何者かの声を断ち切ると、仮面を自分のポケットの中に入れてしまった。

「――おい」

 レオが驚愕する。

「人間の心を操る術は、皇賀忍軍の忍者に通用しないよ」

 魅咲は小声でそう付け加えた。


「……くぅ……」

 仮面の力を失いその場にへたり込んだ隆幸が、ロイヤルセレナを見上げてうなる。

「さあ、私の……じゃなくて、俺の体を返してもらおうか!」

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