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TS版『おっぱいをつけられたイケメン』-4

 ――現在――


「う~ん、聞いた話をまとめてみると、自分が活躍できないと悩んでいた瀬里奈ちゃんは、生理中で情緒不安定であったことも手伝って、小鳥君と体を入れ替えたって訳ね」

「たしかに、生理痛は誰かに代わってもらい時があるもんね」

 綾花と魅咲が男子にはわからない話をしている。

「でも、ロイヤルセレナって、そんなに戦績悪いの?」

 綾花が聞いてくる。

「私の持ってるデータだと、天逆衆とあった事は二、三回だよ。まだ魔法少女になったばかりだから戦いに参加してるとは言い難い状況ね」

「……なんでそんなデータを持っているんだ?」

 当事者の体を持つ瀬里奈が半眼で魅咲をにらむ。

「新聞部員として当然のたしなみです」

(本当は忍者だからだけどね)

 魅咲は相手に聞こえないよう、小声で付け足した。

「まあ、美少女戦士物とか、魔女っ子物とか、第1話で変身したばかりの女の子が2話や3話で普通に悪の組織と戦えているっていうのがおかしいのかもしれないけどね」


 シュッ! シュッ!


 瑠璃がヒーローカードを繰りながら言う。そして、何枚かのカードを抜きだす。

「大丈夫か? お前の占いってアテにはならないだろ?」

「辰君、あなたとの相性占いはほぼ100%的中しているよ? 相性ピッタリって!」

「翡翠瑠璃、今度俺がいつハーレムエンドにたどり着くか占ってくれ!」

 瑠璃が抜きだしたカードを覗き込みながら晴夢が言う。

「タンジュンキッド・フライングバージョン……パープルフェニックス、スターフェザー……」

「――!! おい、このスターフェザーって、まさか、あの時の!?」

 瑠璃が引いたカードをうち、見覚えのあるヒーローのカードを見た瀬里奈がいう。

「あ、そういえば小鳥君もスターフェザーが現れたときにいたっけ? 怪物退治の時!」

 綾花が言う。

「え、怪物? 本当にそんなものが現れたのか? この学校に……!?」

 実は辰羅、瑠璃、魅咲の3人も和風戦隊ヤマトレンジャーとして怪物騒動に関わっていた。綾花、隆幸、ついでに瀬里奈もあの騒動には関わっているので、晴夢1人だけが仲間外れと言う訳だ。

「あのヒーローのカードがここにあるって事は……スターフェザーって、公認のヒーローなのか?」

 くだらないところに興味を持つ瀬里奈。いや、これは隆幸の性質なのか? 目を輝かせてスターフェザーのヒーローカードを見る瀬里奈は、ミーハー女子にしか見えない。

「それについてはちょっと疑問があるね。実の所、スターフェザーは師匠であるシルバーファングとパープルフェニックスから、まだ正式にヒーローとは認められていないらしいの。だから正式に認められるよう、人々からの依頼を受けて動いてるって訳」

「私も、ダメもとで頼んでみたら来てくれることになって驚いたわ」

「って、いうかどうやって頼んだんだ?」

 晴夢が疑問を口にするが、周りにいる3人は和風戦隊のメンバーだ。コネはどこかにあったのだろう。


「とりあえず、この3枚のカードは全部空が飛べるものだね。って事は空……上って事かな?」

 瑠璃が3枚のヒーローカードから導き出した占いの結果を言う。

「上って事は……屋上か? そこに小鳥の体があるってことか……ほんとかなぁ」

「たしか、屋上への階段って鍵がかかってなかったか?」




 ――媛崎中学校・校舎の屋上――


 ビュッ!! ビュッ!!


 本来、特別な許可が無い限りは入れないその場所に1人の男子生徒がいた。

 動きやすい体操着を着たその男子生徒は手に持っている竹刀を振っていた。

「すごい……体が軽い……今日感じていた不快感もない――!!」

 満面の笑みを浮かべて竹刀を振っているその男子生徒は、1年B組の小鳥隆幸……ではあるのだが、その中身は1年Ⅽ組の女子生徒であり魔法少女である由良瀬里奈/ロイヤルセレナだった。

「ごめんね小鳥君、あなたの体もらっちゃって……フフ……ウフフフフフフ……」

 隆幸は幸せそうに笑っている。

 隆幸の体の持つ力強さが瀬里奈の精神に影響しているのだ。


 ――もともと、戦う勇気が持てなかった自分が行った愚策だったのに、この体を手に入れることが目的だったのかもしれないと思えていた――


「運動音痴だった私の体――ごめんねそんな体を押し付けちゃって」

 口では謝罪しているが隆幸の行動は矛盾している。手に入れたその体を試すように隆幸の竹刀を振り、体操選手をに何回もバク転したり側転したり、高くジャンプしてみたり走ってみたり――そのすべてが元々の体、由良瀬里奈の体では不可能なことだった。

「小鳥君には魔法少女の運命まで押し付けちゃったけど、いいよね。魔法少女に頼らず学校を守りたいって、言ってたから、魔法少女になれて喜んでいるよね」

 そう、自分勝手な理論を口にして罪悪感を減らそうとしている。

 そしてまた、自分のものになった隆幸の肉体を試すように色々な動きをするのだった。


「―――何をやってるつもりだ?」

「――!? 誰!?」

 突然、隆幸の背後から声をかけてきたものがいる。

 今の屋上には、隆幸以外の人間はいないはずだ――

「――あ……」

「なかなか面白い欲望を持っているじゃないか……」

 そこにいたのは、上から下まで黒づくめの怪しい人だった――

「天逆衆……カゲホウシ――!」

「あんな女と一緒にするな俺はヤミゴロモだ」

 そう言ってヤミゴロモは仮面を出現させる――

「ああ!!」

 あわてて、隆幸は逃げようとする。が、間に合わず……

「さあ、お前の欲望を見せてもらおうか――」

 隆幸の顔に欲望の仮面がかぶせられた……

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