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AS版その1『不測の事態』-6

「予知や預言なんて、第六感系能力の中で一番当てにならない能だ」

「そんな事はありませんよ、未来を知っているって事は敵に対してどのようにすれば勝てるかを最初からわかっていると言うことです。この幻魔獣だって、ベル・ホワイトとロイヤルセレナが協力をして戦えば勝てる事はわかっています」

 グレン・ナジャは胸を張ってそう言う。

「……そうは思えないな。じゃあなんでお前らは出てきた?」

「あの二人を激励するためです。あなた達をどうなんですか? 聞いたところによると和風戦隊とか言う正義の味方さんらしいですけど?」

「お得意の予知で俺の答えを当てみたらどうだ?」

 辰羅はそう言って怪物に向き直る。

「グ、グ、グウウウウウ……」

 怪物は一本の腕を失いくるしそうだ。だが、暴れるのを止めようとしない。

「……?」

 辰羅はフト、怪物の残る三本の腕を見る。

「――そういう怪物かと思っていたが、あいつ……もしかして……」

 何か思いついたのか、辰羅は槍をかまえる。

「ミコレンジャー、雲を!」

「ハイ! 『白飛雲』!!」


 ボウン!!


 瑠璃が空飛ぶ白い雲を呼び出す!!

「あれ? でもブシレンジャーって、黒飛雲を使えるんじゃ……」

「別の術を使うからな。俺の力をちょっと節約したいんだ!」


 ダン!


 辰羅が白飛雲に飛び乗る!

「『疾風走』!!」


 ビュン!!


 そこから高速移動の術を使い暴れる怪物の動きを避け、


 ――斬――!!


「「「――!!」」」

 辰羅の槍による斬撃が、怪物の腕を再び切り落とした!!


「グオオオオオオオ!!」


 怪物が絶叫する!!


 キラキラキラキラ……


 切り落とされた腕が前の腕と同じように鉱物へと変化していく……

「グオ!!」

 とたんに、怪物の動きが早まる!!

「ど、どうなっているの!?」

「うわっ、はや!!」

 綾花と魅咲が慌てて怪物との距離をとる。

「く……」

「あのままならなんとかなったかもしれないのに」

「あ、ちょっと! 魔獣石を回収しないと!」

 怪物から標的にされているワーボワールのマジュ・リッツ、フォウ・リンス、ハルオ・ニュウの三体も逃げまくる。

「きゃ、きゃあ!」

 ロイヤルセレナは怯えて後ずさりする。

「どうなっているのこれは!!」

 ベル・ホワイトはこの事態を引き起こした辰羅に詰め寄る。

「いや、あいつさ、動きが鈍かっただろ。最初は何か弱っているのかと思っていたんだけど、体にあいつの本体の意思に反対する部分があってそれを無理やり動かしていたから動きが鈍ってるんじゃないかなぁってそう思って」

 地面におり、素早い動きで怪物の攻撃をかわしながら辰羅が言う。

「で、よくよく観察してみたら、腕二本がちょっとあいつのデザインと合わないなぁっと思ってさ」

「つまり、あいつはもともと四本腕じゃなくて、二本腕の私達とあまり変わらない姿の怪物だったってわけ?」

 瑠璃が辰羅に聞く。

「そうじゃないのか? 正解は?」

 辰羅はグレン・ナジャにそう言う。

「……そういう事は知りません……それにこんな事態は予言にはありませんでした……」

 グレン・ナジャは辰羅を睨み付ける。

(あなたの行動も含めてね)

 そんなグレン・ナジャに怪物が目をつけた!

「――!!」

「ワ~ボ~ワ~ル!!」

 速度が上がった怪物の攻撃がグレン・ナジャに迫る!!

「くっ!」

 あわてて回避行動を取るグレン・ナジャ。その後ろに、へたり込んだまま後ずさりしていたロイヤルセレナが――!!

「あ……」


 バギッ!!


「ロイヤルセレナ!!」

 レオが叫ぶ!!

「――――っ!!」


 ギ、ギ、ギ……


「大丈夫か……?」

「あ……?」

 ロイヤルセレナに向かっていた怪物の攻撃を一人の男子生徒が手に持つ竹刀で受け止めていた……

「オ……コトリ?」

「コトリじゃない、オズだ!! 正解を言いかけて、わざわざ間違えるな!!」

 コトリ……ではなく、小鳥隆幸は、竹刀をうまく使い怪物を手を抑え込む!

「おい! これも、お前達魔法少女が戦っている天逆衆なのか!?」

 ロイヤルセレナに対しそう聞く隆幸!

「う、うん……そう、なんだけど……」

 自分は戦えてなどいない……その言葉をロイヤルセレナは飲み込んでしまった。

「こんな怪物まで繰り出して来るなんて本当にこの学校の危機なんだな……いちいち記憶を失っている場合じゃない!!」

 怪物は抑えられていないほうの腕で隆幸を排除しようとする!!

「『ブレイク・ソード』!!」


 リリン!!


 そうはさせないと、ベル・ホワイトが切りかかる!!

「グ……グ……!!」

「いくら魔法攻撃が効果抜群といっても本物の腕はそう簡単に壊れてくれないか!」

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