AS版その1『不測の事態』-4
「何をしているのですか? ロイヤルセレナ」
「――!?」
怪物との戦いに参加できず落ち込んでいたロイヤルセレナとレオの前に、三毛猫と他、三体のヌイグルミ達が現れる。
「グレン・ナジャ様、それに護衛隊の方々……」
レオがそのヌイグルミ達を見てそう言う。
「ごえいたい?」
ロイヤルセレナがそう言う。
「ああ、魔法少女の使い魔じゃなく、グレン・ナジャ様の護衛を受け持っているワーボワールの者で、それぞれオオカミのマジュ・リッツさん、カピバラのフォウ・リンスさん、メガネザルのトルオ・ニュウさん」
「へぇ、は、初めまして……」
ロイヤルセレナは握手を求めように手を差し出すが3体のヌイグルミ達は無視した。
護衛3体とグレン・ナジャは怪物と、戦う人間達の方に注意を向けている。
「やはりあれは幻魔獣……」
「なぜ、誰があれの封印を解いたのかしら……?」
「う~ん、わからないことだらけだね、あの人間たちもそうだけど」
「……予言には……なかった不測の事態……」
「『マジカル・ボンバー』!!」
リン!! ドオン!!
ベル・ホワイトが打ち出した魔法弾が怪物を大きくのけぞらせる!!
「なんか、魔法による攻撃がよく効くみたいだね」
怪物の様子を見ながら綾花がそう言う。
「防御力が高いせいで通常攻撃は効果が薄い、属性による攻撃ならある程度ダメージは与えられる。そして魔法による攻撃が効果抜群か……」
槍をどこかに消し、属性による攻撃に切り替えていた辰羅が相手をそう分析する。
「でも私達、魔法なんて使えないよ。ブシレンジャーが妖力で、私が祈力、ニンジャレンジャーが忍術だからね」
正体を隠すためなのかそれとも趣味か? 瑠璃が和風戦隊の役職名で仲間達を呼びながら言う。
「……それなら私が何とかするので、あなた達は避難しなさい!」
ベル・ホワイトがそう言って、4人に近づく。
「う~ん、そうしたいのは山々なんだけど、私にはあれを呼び出してしまったと言う負い目があるからね。どうにもできないからって、逃げ出すわけにはいかないんだよね」
綾花がちょっとしんみりとした口調で言う。
「幻魔獣をお前が呼び出した!?」
パクが綾花の話を聞いて驚きの声を上げる。
「……ヌイグルミ、お前は、あの怪物が何かて知っているのか?」
辰羅がそれを聞いてパクにそう投げかけた。
「……あれは幻魔獣……だ」
「げんまじゅう? それは何、パク?」
魅咲が腰をおろしヌイグルミのパクを真正面から見て言う。
「……幻魔獣は……」
「――幻魔獣は、天逆衆が私達を捕えるために生み出した怪物です!」
パクの後をついで、グレン・ナジャが話を続ける。
「へえ、天逆衆にあんな不細工な怪物を使役する奴がいるなんて初めて聞いたなぁ」
辰羅がバカにしたような口調で言う。
「あなた方に天逆衆の何がわかっているのかは知りません。が、私達は魔法少女と共にずっと天逆衆と戦ってきました……」
「私のご先祖様はずっと天逆衆と戦ってきたよ。皇賀忍軍って聞いたことない?」
魅咲の言葉がグレン・ナジャの台詞を遮る。
「皇賀忍軍って、島戸先生が言っていた……?」
グレン・ナジャと一緒に現れたロイヤルセレナがそう言った。
「おや、ロイヤルセレナちゃん、主役の魔法少女にしては遅いお着きで」
「……あなたは?」
どうやらロイヤルセレナには魅咲がわからないようだ。まあ、いつも記憶に残るグルグル眼鏡を今は外しているし、忍者衣装は露出が少ないので仕方ないかもしれない。
「私達は和風戦隊ヤマトレンジャー!!」
「それはもういい!!」
再びノリノリで名乗ろうとした綾花を辰羅が突っ込みで遮る。
「ちなみに私は追加戦士のナデシコレンジャーね。まだ、物語序盤だから化身はないんだけど」
……綾花はそれまでずっと自分の役職名を考えていたらしい……
「それ採用!!」
「それじゃあ最後の五人目はカンヌシレンジャーか、クゲレンジャーね!」
綾花の言葉に悪のりする瑠璃と魅咲。
「おい、何をボケっとしている!! 来るぞ!!」
その3人に警告を発する辰羅!!
「ワ~ボ~ワ~ル!!」
ベル・ホワイトの攻撃から立ち直った怪物がグレン・ナジャ達ワーボワールの者達を捕えるために4本の腕を伸ばして攻撃してくる!!
「『マジック・ブロー』!!」
ガン!!
「『マジカル・ハンマー』!!」
ドゴン!!
「『グレイト・ドウン』!!」
ドウン!!
その腕を3体の護衛ヌイグルミが魔法攻撃で防ぐ。
「グオオオオオオ!!」
苦痛の声を上げ悶絶する怪物。
「やっぱり、魔法攻撃が効果抜群のような……」
「グ、グ、グ!!」
怪物は苦しそうに蠢くと、その4つの手のひらに光を集める。
「ググ……『ブラスト・ボンバー』!!」
コオ――
4つの光が1つになり破壊の力を持ってワーボワールが集中してる場所……ロイヤルセレナ達のいる方向に向かって投げつけられる!!
「きゃあ!」
その光を見たロイヤルセレナは悲鳴をあげてへたりこんでしまう。
「『アーク』!」
だがその光は、ロイヤルセレナ達に届く前に綾花のアークによって吸い取られしまう。
「――!! それは!?」
グレン・ナジャが驚き綾花を見る。
しかし綾花は、




