S版その2-4
「……演劇部の衣装を着た俺の知らない女生徒って、訳じゃなさそうだな……さっきまでの俺の行動もそうだが……」
隆幸は頭を抱えて周りを見る。
一番一番と騒ぎまくっている周りのクラスメイト、それを率いる仮面をつけた女子生徒、夏樹陽子……
「あ、覚えているんだ?」
魅咲が隆幸に声をかける。
「異常事態だな。夏樹もまた、操られているのか?」
「そうだよ、悪の天逆衆に操られているんだ。あの仮面を外さないと、彼女はあのまま天逆衆の言いなりなっちゃうんだ」
ベル・ホワイトがロイヤルセレナのステッキをかまえながら言う。
「……シャレにならないな……今までこんな事一度もなかったのか?」
「ううん、何度もあったよ。その度に私達魔法少女が操られた生徒を助けてきたの」
「この間はC組の女好きが操られたよ。だから蜘蛛の糸みたいなものをだして女の子達をとらえまくっていた」
魅咲とベル・ホワイトが説明する。
「……何度もあるのかこんなことが? とりあえず、夏樹を助けなきゃいけないな!」
キッ! と陽子を睨み付ける隆幸……
「……おい、辰羅はいないのか?」
隆幸が魅咲に尋ねる。
「辰羅? いるわけないじゃん。今は隣のクラスで授業中だよ」
じゃあなんでお前をここにいるんだよ。って言うツッコミが聞こえてきそうだ。
「……あいつがいれば、心強いんだが……」
「おい、ちょっと待てよ。お前、天逆衆と戦うつもりか?」
ベル・ホワイトの横から使い魔のパクが口を挟む。
「当たり前だ。夏樹をこのままにしておくわけにはいかないだろう」
そう言って竹刀をかまえる隆幸。
「一般人じゃ危ない、ここは魔法少女に任せるんだ!」
レオも隆幸に警告する。
「……女の子をそんな危険な目に合わせるわけにはいかないだろう。俺は、戦える……!!」
ダンッ!!
これ以上議論は無用と飛び出して行く隆幸!!
「私を一番と、称えなさい!!」
それを撃退しようと波動を放つ陽子。
「させない! 『マジック・ボール』!!」
リン!!
ベル・ホワイトが魔法で波動を防ぐ!
「私の部下達よ、一番である私を守りなさい!」
「「一番!! 一番!!」」
ベル・ホワイトの鞭で動きを封じられている者以外の生徒が動き隆幸を止めようとする!!




