最終決戦~魔法少女を取り戻すための戦い~-4
「天逆流・閃技! 『幻刀列刃』!!」
シュリィィィィィン!!
幻術による無数の刃と、真実の一つの刃が、的確に隆幸を襲う――
「うわぁ!!」
バタン!!
辰羅の一撃を受けて隆幸は倒れふてしまった……
「悪かったね。覚醒したての能力者が、生まれついて能力持ちの血統型に勝てる道理はないんだよ」
倒れた隆幸を見下ろし辰羅はそう言った――
能力者に存在する二つの型、覚醒型と血統型――産まれた時は何の能力を持たないが、その人生途上で能力者に覚醒し超常能力を発現する型、覚醒型――そして、生まれついて能力を保有しており家族達も同じ能力を持っているが故、教育によって飛躍的に能力を伸ばせる血統型――
もし、この二つが相対した場合、同条件、同程度のレベル、同年齢など二人の能力者がよく似ていた場合、まず確実に血統型が勝利する――
もし、とか、もしも、if、とかは確かにあり得るが、使い始めたばかりの能力をどうすればきちんと効率よく使えるか――それを知らない覚醒型と、生まれた時から能力があって当たり前、そして能力コントロールも一から家族に教えてもらえる血統型――そんなもん、どっちが有利が火を見るより明らか――もし、覚醒型が勝つことがあるならば、それは能力の暴走――命を落とすか、削るかした結果である――
「天逆……流……?」
「――!?」
隆幸を倒した辰羅に一人の魔法少女が近づいて来ていた――――
「……あなたは、天逆衆なの――――?」
「だれ……?」
「魔法少女トゥインクル・アロア――よ……あなたが、天逆衆……この世界で私が倒すことできなかった悪―――――!」
「……トゥインクル・アロアって言うと……風祭、かもめ……先輩だったっけ? 今年中学3年生になるはずの―――?」
事前に超常自衛隊から渡されていた資料にあった名前を思い出し、辰羅はそう言う――
「……許さない……私の友達や、恩師をあんな変な仮面で操った事……」
「あの~、俺達あの仮面には何にも関わっていないっすけど?」
「許すわけにはいかないわ!!」
ザン!!
トゥインクル・アロアが構えを取る――明らかに戦闘を始める気だ!!
「魔法少女の説得が俺の役目だったよね……」
仕方なく辰羅も戦闘の構えをとった……




