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カケラ版-10『御陵辰羅』

「つまり魔法少女っていうのはお前らの武器……兵器ってことなのか!? ただそれだけのために、これだけのことを引き起こしたのか!?」

 マジュ・リッツから説明をうけ、辰羅は激昂する――!!

 だがそれは、その場にいる『人間達』、全員の感想だろう。


「くっ!!」


 ダン!!


「……どこへ行くつもりだ?」

 立ち上がり、駆け出そうとする辰羅を、銀河が止めた。


「どこって……決まってる!! ……学校!! このヌイグルミの仲間達を捕まえるんだ!!」

 銀河を叫んで銀河を振りきろうとする。

「で、どうするつもり? それで助けられるのは白鈴愛美と由良瀬里奈だけだ……本当に助けるつもりがあるのならば、異世界に連れ去られた魔法少女、全員を助ける事考えようか」


「「「―――!?」」」


 その場にいた全員が銀河を見る――

「助けるって……異世界に連れていかれたって話なんだよ!? どうやって助けるつもりなんですか?」

 瑠璃がそう言う。

「星占部や天逆衆のどんな資料や奥義書にも異世界に連れ去られた人間を助ける方法なんて書いてないと思います!」

「書いていなければ助けられないと思っているのか?」

「……」

「助けられないと思っていれば、助けられる人間も助けられない。助けられる手段があるというのならばどんなことでも試してみるべきだろう?」

 銀河をそう言ってオオカミのヌイグルミに目を向ける――


「……マジュ・リッツ……約束を守る気はちゃんとあるんだろうな……?」

「――ああ、わかってるさ――そちらの条件はなかなか魅力的だからな。破格といってもいい――それに、ワーボワールを裏切るものでもない……いいだろう、七瀬銀河……あんたに協力してやる」

 オオカミのヌイグルミは笑ってそう言う笑っている……

「マジュ・リッツ殿!! あなたはそれでいいと思っておられるのですか!?」

 今まで黙っていたうさぎのヌイグルミが叫ぶ!

「黙っていろキャロ……あの者の条件は別に悪い話と言う訳では無い。考えてみろ。この世界の技術を学びとる時と場所をくれると言っているんだぞ」


 そう、七瀬銀河はマジュ・リッツに対し一つの条件を提示していた。

 それは、異世界に連れ去った魔法少女達を取り返すことに協力すればこの世界に留学し、この世界の武器や兵器について学ぶ機会を与えるというのだった――!!


「魔法少女達を必ずこの世界に戻す――それが絶対条件だ。だからこそお前の協力には期待している」

「……フフ……ハハハ……オオカミは昔から裏切り者と相場が決まっている! 面白い奴だ協力してやる!」


 なんて会話が交わされていたかどうかは定かではないがオオカミとこの超常自衛隊が手を組んだことは事実だった。


「銀河さん!! それでどうするつもりなんですか!?」

 しびれを切らした辰羅がそう言う!


「……御陵辰羅……君はさっき飛び出して行こうとした気持ちに嘘偽りはないか?」

「……そんなの当たり前です!! 魔法少女を自分たちの世界の兵器として使うためにあんなことをしでかしたなんて、許せるはずがありません!!」

 怒りに燃えた目でにらむ辰羅……

「わかった、じゃあ君はこれから暴走しろ!」

 笑顔でそういう銀河……

「え?」

 意外なこと言われキョトンとする辰羅。

「他の人間にもそれぞれの指示を与えるよ……うまく動いてくれ!」

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