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カケラ版-7『草薙苺』

「私が産まれたのはある町の産院で、結構大きな赤ちゃんだったらしく、苦労したってお母さんから聞いたことがあるわ。それから幼稚園に行って小学校からはあなたと同じよ……」

「そこら辺の事を詳しく! 小学校の時に好きだった人とかいないの?」

「……別に……」

「あ、その反応は小学校の時に好きな人いなくても今はいるって感じかな?」

「……別にいいでしょそんな事! ねぇ苺ちゃん、これにいったい何の意味があるの?」


 白鈴愛美は小学校時代からの友人である草薙苺に逆質問をする。


「何って? 決まってるでしょ。インタビューの練習よ! せっかく新聞部に入部したんだからインタビューの一つや二つ、できないといけないでしょ!」

 報道――そう書かれた腕章を誇らしげに掲げる苺。

「この学校の有名人をたくさんインタビューして、様々な出来事をスクープして 編集長になってみせる!!」

「そ、頑張ってね」

 堂々と宣言する苺を置いて愛美は出ていった。

「あ、ちょっと! 愛美!!」




「愛美ちゃん!」

「――あ、サーヴィン・メプル」

「この姿の時は楓先輩でいいって言ったでしょう」

 一学年上の2年生である南九条楓、愛美にとってはつい最近できたばかりの――――ある秘密を共有した先輩だ。

「考えてくれた? 私と一緒に天逆衆と戦うって事を……」

「……魔法少女になって、か……」

「そうだよ、俺も協力するからさ!」

 楓のカバンの中から犬のヌイグルミ、パクとペンギンのヌイグルミが現れる。

「俺も、お前の使い魔として頑張るからさ」

 彼のカバンから飛び降りたパクが愛美の方へやってくる。

「お前は、歴代の魔法少女に匹敵する才能を秘めているんだ。きっと強力な魔法少女になれる!」




「スクープ、どうしよっか……?」

 問いかけても、答える相手はいない。

 新聞部には、苺以外には少数の部員と幽霊部員くらいしかいない。だからこそ、記事にする構内情報も、自分達で集めなければならないのだ。

「はぁ~~」

 苺が、大きくため息をついた時だった。

「欲望を解放したらどうだ? そのための力、くれてやろうか?」

「えっ……?」

 突然、苺の顔に何かが覆いかぶさってきた。

「俺は天逆衆……お前に力を与える者だ」

 その時苺は見た。

 宙に浮く、黒い衣を……



「――!! 2人とも!!」

 今まで黙って成り行きを見守っていたペンギンのヌイグルミ、コリンが真剣な声を上げる!




「スクープ! スクープ!!」

 仮面をつけた少女が、学校中を走り回っていた。かたっぱしから教室のドアを開け、何かないか、スクープはないかと探しまくっている。

「あれって、苺ちゃんじゃない……!?」

 愛美がその姿を見て叫び声を上げる。

「天逆衆の仮面に操られてるのね……!」

 楓が、ステッキを取り出しながらいう。

「……魔力解放! 変身! 『サーヴィンリング・オーバーフロー』!!」


 コオ……シャキン!!


 光が集まり南九条楓から、魔法少女サーヴィン・メプルへと姿を変える!!


「愛美、どうするんだ?」

 仮面をつけられた苺を助けるために突撃していったサーヴィン・メプルを眺めたままの愛美に、パクがいってくる。


 ――その手には魔法少女になるためのステッキが握られていた――


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