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シドニーの物語

作者: 上条麗香

もう春、雪が解けて私のお腹も、大きくなって、もうすぐ可愛いベビーが産まれてきます。

私の、お母さんは、人間です。私は、犬のブリダーをやっている、この店に、もらわれてきました。

お母さんが、前に飼っていたピレネーを、亡くして、3年もう大型犬は、飼わないときめていたのに、

私を一目見て、連れて帰ると言って、飼ってくれたんです。それはそれは、可愛がってくれています。

やんちゃを、しても(いいよ、元気でいてさえいてくれれば)っといって、いつもにこにこ、優しい

お母さん、仲間も沢山いて、とても幸せな毎日を、送っていました。

さあ、そろそろ、陣痛が始まりました。お父さんが、きれいに作ってくれた、スーパーハウスの

お産小屋で、ベビーを、産みます。お父さんも、お母さんも、ついてくれます。

1頭目うまれました。お母さん大喜び、頑張れ頑張れ、お母さんが、応援してくれています。

もう、夜中それでもお父さんも、お母さんも一緒にいてくれて、私は、可愛いベビーを、10頭も

産みました。

お母さんは、シドニーごくろうさまでした、と優しくキスをしてくれて、ゆっくり休んでねと、

お家に帰っていきました。10頭のベビー達私は、可愛くて皆お腹にいれて、私も眠りにはいります。

赤ちゃんが多いので、オッパイをあげるのも大変、はみ出した子は、びーびーなきます。

それを、口でくわえてお腹にいれておっぱいを、あげます。

私も、初めてのお産だけど、不思議に、ちゃんと出来ている自分に、ああーこれが本能っていうやつか

などと、考えてちょっと、感動しました。

お産の次の朝、お母さんが早く、お産部屋にきてくれました、私は、嬉しくて、ほら、皆元気で

おっぱい吸ってるよと、お腹をみせてあげました。

すると、お母さんは、(今日から、お母さんも、お手伝いするね、頭数が多いから、哺乳するから)

そう、こうやって、頭数が多いときは、哺乳をしてもらわないと、育たないで、死んじゃう場合も

あるので、長年ブリーダーをやっている人は、哺乳をしててつだうんだそうです。

ほんとうに、優しい、飼い主さんに飼われている、私は、とっても幸せ、うちに居る、沢山の

仲間も、皆幸せに暮らしています。

ところが、その幸せな暮らしが、地獄の日々に、なるなんて誰が予想できたでしょうか?

私が、お産して1週間目の夕方、いつものようにお父さんと、お母さんは、みんなの、お散歩をして

食事をあげて、私のお産部屋にやってきました、(シドニーちょっと、表へでて、おしっこしなさい)

と、お母さんが、いったので私は、表へ、出ました、子供達は、すやすやオネムです。

お父さんと、お母さんは、少し私と、遊んでくれました。

(シドニーちょっと、テイシュを、買いにいってくるから、少し、表で気晴らししててね。

帰ってきたら、赤ちゃんの所へ、帰してあげるからね。)っといって出かけていきました。

私は、その間におしっこをすませたり、少し気分転換して、二人の帰りを、待っていました

ところが、何時間経っても二人は戻ってきません、お産部屋では、私の赤ちゃんたちが、

お腹をすかせて泣いています。私はドアをがりがりと、手でやってみましたが、開くわけは

ありません。

ああーどうしたの?お父さん、お母さんに限って私をこんな状態で忘れるわけがない!

赤ちゃんの、鳴き声が私の心を、切なくさせます。

夜中中、私は、二人の帰りを待っていました。

朝になってしまいました、それでも、二人は姿を見せない、赤ちゃんの鳴き声もしだいに、

弱弱しくなってます、このままじゃ私の赤ちゃんが、死んでしまう、ああーどうしょう!

そのとき、お姉さんが、きました。(シドニー大変なの、二人が交通事故に会って今病院

に、いるのだから赤ちゃんは、かわいそうだけど、よそのブリダーさんに預けるしか

方法がないのよ、後は、私がするから、赤ちゃんだけは、あきらめてね、、、)

めがねをかけた、おじさんが、私の赤ちゃんを、どこかに連れていってしまいました。

なんということ、赤ちゃん、どうか無事でいてね、おっぱいが張ってきました。

こんな思いをしなくてはいけないなんて、昨日まであんなに幸せだったのに、、

ああ、お母さんに会いたい、赤ちゃんを帰して!

気が狂いそう!ああああどうして、どうして昨日に戻して!

シドニーーどこからか、お母さんの声、!あ!お母さんだ!

(ごめんね、ほんとうは、まだ入院してなきゃいけないけど、戻ってきたよ。)

お母さん!赤ちゃんが、、

(シドニー、辛いよね、でも仕方ないのよ、赤ちゃんは大丈夫よ、でも2頭だけ駄目だったの

あの、おじさんも一生懸命おっぱい飲ませてくれたのだけど、弱ってたからね、、

後の、8頭はなんとか、回復したそうよ。本当にシドニーごめんね、守ってあげられなくて)

そういってお母さんは、泣き崩れてしまいました。

お母さんも、辛いんだね。

お母さんは、みんなに、病院へ戻りなさいと、いわれてももどりませんでした。

具合は、悪そうだけど私たちのそばにいて、皆に、声をかけて安心させるかのように、

犬舎の、見回りをしていてくれる。

みんなの、お世話はできないけど、みんなのそばにいたい、その気持ちがひしひしと、

伝わってくる。お父さんは、入院してるから、お母さんだけでもしっかりしなきゃって、

頑張ってくれている。私もそんなお母さんの気持ちに応えなきゃ!

でも、赤ちゃんを失った悲しみは、深い、、そんな時お母さんが、強く抱きしめて、

(シドニーまた、赤ちゃん産もうね、今度は、こんな悲しい目にあわせないよ、お母さんが

しっかり守ってあげるからね、今回だけ、許してねそういって何度も何度も私を、抱きしめて

誤るお母さん、そうだね、お母さんの為にも私が、元気を出さなきゃ!

私は、このお母さんが居る限り、えまた幸せを取り戻せる、そう確信しました。

また、可愛い元気な赤ちゃんを産もう、そしていつまでも、お母さんと、沢山の仲間達と

幸せに、暮らそう、悲しい思い、辛い思いをしたけど、よりいっそう人間の、愛情の深さを

知る事もできた。もっともっと、幸せになれるような気持ちになりました。

この物語は、実際に経験したノンフイクションです。

私が犬の気持ちになって書き上げました

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