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第12話 精霊のこと、もっと知りたい

 お兄ちゃんが寮に戻ってしまって、

 家の中がまた静かになった。


 前はお兄ちゃんが話し相手だったけど、

 今は――。


「ヒューイ、来て!」


 僕が手を前に出すと、

 空気がふわっと震えて、

 小さな渦の中心からヒューイが現れた。


「よっ、ヒロ。今日も呼んでくれてありがとな!」


 ヒューイはいつも通り元気だった。



「ねぇヒューイってさ、なんでも知ってるよね」


「まぁな! 俺は物知りだからな!」


「じゃあ……精霊って、ずーっと前からいたの?」


 僕がそう聞くと、

 ヒューイは空中でくるっと回るのをやめて、

 僕の前にふわっと降りてきた。


「昔から……って言えばそうなんだけどよ。

 実はな、俺たち精霊は――

 もともと“別の星”から来たんだ」


「えっ、別の星!?」


「そうだ。

 俺は若ぇから詳しいことは知らねぇけど、

 ジジババがよく言ってたんだよ」


 ヒューイは指を一本立てて続けた。


「昔、俺たちの母星が消えちまったらしい。

 星ごと、な」


「……なくなっちゃった、の?」


「それで精神体になった精霊たちは

 宇宙をさまよって……

 地球が俺たちを受け入れてくれたんだと」


「地球が……?」


「そう。

 地球は生きてる星だからな。

 俺たちを拒まなかった。

 それで、人間の繁栄に力を貸すって形で

 共存する道を選んだらしい」


「へぇ……」


「まぁ、俺は生まれたときから地球にいるから

 昔のことはよく知らねぇけどな!

 でも地球には感謝してんだ」



「じゃあ、精霊って死なないの?」


「寿命って意味では死なねぇな。

 精神体だからな」


「じゃあ無敵?」


「いや、そうでもねぇ。

 強いエネルギーを食らうと死ぬこともある」


「えっ……」


「安心しろ、俺は死んだことねぇから詳しくは知らん。

 ただ、死んだら“精霊王”の許可のもと

 また生まれ変わるらしい?」


「精霊王……?」


「まぁ、そのうち話すさ。

 今は難しい話はいいだろ」



 僕の肩の上で、

 赤い光の子がぴょんぴょん跳ねていた。


「この子たちも、宇宙から来たの?」


「そうだな。 前にも話したが、

 微精霊は精霊になる前のちっこいやつらだ。

 魔法を使うとき、こいつらが手伝ってくれている」


「魔法を使いすぎた時に魔力がって言ってたけど、魔力ってなに?」


ヒロは自分の手をグーパーして何かを確認している。


「魔力はエネルギーだ。

 人間が魔法を使うときは、

 自分の生命エネルギーだけじゃ足りねぇから、

 “地球から”エネルギーを借りて使ってる」


「地球から……?」


「そうだ。

 地球はでっけぇエネルギーの塊だからな。

 人間はそこから少し分けてもらって

 魔法を発動してるわけだ」


「じゃあ、微精霊はそのときに手伝ってくれてるんだね」


「そう。エネルギーの流れを整えてくれる。

 ヒロが魔法を使えるのは、

 こいつらが手伝ってくれてるからなんだぞ」


 光の子が僕の指先に触れて、

 ふわっと光った。


「……ありがとう」


 光の子が嬉しそうに跳ねた。



「ねぇヒューイ。

 精霊って……なんか神様みたいだね」


「はぁ!? 神なんかと一緒にすんなよ!」


「えっ、違うの?」


「全然違ぇよ。

 まぁ、いい神もいるにはいるけどよ……

 精霊とは、考え方が違うやつが多いんだ。

 俺からしたら“別モン”だな」


「ふーん……」


「ヒロはヒロでいいんだよ。

 神とか精霊とか気にすんな。

 もちろん、俺はヒロの味方だしな!」


「うん!」


 ヒューイの羽根がぱたぱた揺れて、

 僕はなんだか嬉しくなった。

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