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第二十六章 優雅な昼下がり3

 今日の一日は、朝の六時から始まる。朝起きて、歯を磨き、料理をして、騒動が起きているテレビを見ながら食事をする。そんな一日の始まりが私にとってはとても嬉しい。

 朝の七時頃には外を散歩して、いつも歩いている道で変わらない日常を感じて、

 七時半には大人たちが校門にいる小学校の前を通りながら、横を通り過ぎる小学生と棒を持った少年を見ながら、今日も元気だなぁと考える。

 そんな事を考えながら八時には自宅に帰宅し、朝からシャワーを浴びて軽く汗を流して、身体を拭きつつもリビングで一つの資料を見て、準決勝の相手を見て、笑顔になる。


 そんな、最高の始まり方が暫く続くのだ。その日が来るまで、私は待ち遠しい。


            ▼▼▼



「おや? 今日は私が遅れてしまいましたか」


 あ、どうもこんにちわ。今日は私が早めに休憩を取らせていただきましたよ。


「ご一緒しても、よろしいですか?」


 いいですよ。それにしても、今日のテレビのニュースを見ましたか?


「見ましたよ。前にお話しした高校生の子、自殺したらしいじゃないですか。傍には一緒に行方不明になった小学生の遺体もあったとか」


 そうですそうです。確か……三人くらい? でしたっけ?


「そうですねぇ。仲の良い三人組だったらしいんですが……一人の高校生の子に殺されてしまうなんて。そして逃げるように自殺。腹が立ちますよ」


 ニュースではとても良い子として紹介されていましたが……、


「基本的には、とても良い子、明るくて優しい子、と評される事が多いですから、内面までは分かりませんよ。おっと、これじゃ前にお話しした時とは逆になっちゃいましたね」


 いいんですよ。こう、ここは区別せずに、相手が高校生であろうと関係ありませんと言えばいいんですから。


「そう言ってもらえると助かります。今日のお仕事も、午前中はその話題が出されていました。私の職場、子供を持つ奥様方が多いので凄く不安がってましたよ」


 でしょうね。ただ、これで終わったんですよね?


「ほう? なにやら妙な言い方をしますね」


 いや、なんかスッキリとしない終わりじゃないですか。被害者は亡くなり、遺族は悲しんで、加害者である高校生は自殺して。こう、言葉に言い表せない悔しさがあるといいますか。


「確かにそうですね……。この事件は暫く後を引きますよ。少なくとも犯人はいなくなりましたから。死んで逃げるなんてのは許せないですけどね」


 本当ですね。――あれ? そう言えば今日は、紅茶だけなんですね? お食事は?


「あぁ~。実はですね、今日は午前中だけなんですよ。ほら、さっき言ったように子持ちの多い奥様方が多い職場に働いていると言いましたから、今日だけは午前中だけになったんです。授業も午後は行なわずに午前だけらしいので」


 なるほど。確かにこんな事がありましたからね。


「それに、元々は午前中だけにするって学校側が決めてたらしいんですよ。それてうちの会社もそれに合わせてって感じなので、今日一日だけなのかな? 私は短い時間しか働いてないので、長く働いてもいいんですが、社長が”君も帰るように”と仰られたものですから」


 いい社長さんじゃないですか。もしかして社長さんも?


「えぇ。確か中学生のお子さんがいるんだとかなんとか。相手が小学生じゃなくて中学生でもおかしくないですし、社長さんも気が気でないんでしょうね。私は結婚していませんが、その気持ちは分かります」


 えぇ。……ちょっと暗い話しから始めちゃいましたね、申し訳ありません。


「大丈夫ですよ、こういう話しが出るのも仕方のない事です。話しを変えましょうか。最近なんですけど、近所の子供から、トレーディングカードを頂いたんですよ。えっと~~――これです、これ」


 あぁ~~。えっとなんでしたっけ? アニメ化にもなっている……なんだっけなぁ~~。


「あっはっは。私も知らなくて調べて分かりました。今の子はこういうカードゲームにも興味があるんですね。学校でも人気なんだとか。こういうのは高校生か中学生くらいかな? と思いましたよ」


 あぁ~~、少し分かるかもしれないですね。結構こういうのって、その年代位になりますよね? 私達位だと虫取りとか川遊びとか、結構外で遊ぶことが多かったですよね?


「えぇ。今も勿論遊んではいますが、こういうカードを持っているだけでも楽しいみたいですよ? 交換とかしちゃって。ゲームとかでも盛り上っているみたいで。今は家庭用のゲームがありますし、結構分かれるのかも知れませんね」


 確かに。外遊びか家で遊ぶかと言われたら、今の私なら家かなぁ~~。


「家ですか? それはまたどうしてですか?」


 やっぱり、家でゲーム、今だったら家庭用ゲーム機とかありますし、一緒に遊べるじゃないですか。それがまた楽しいんですよね。


「なるほどぉ。家庭用ゲームですかぁ。私も友達とよくやってましたから、久しぶりに買って見るのもいいですね。今は何が人気なんでしょうかねぇ」


 有名な所から攻めるのもありじゃないですか? それだけでも、あぁこういうゲームが流行ってるんだぁ、って分かりますから。


「確かに。ちょっと、試しに買ってみようかな……」


 時間はたっぷりあるんでしたよね? あ、でも確か株の運用もしているとかで、大変ですかね?


「いえいえ、ゲームする時間は確保できますよ。そうですね……今日の帰りにでも買って行きますかね」


 おや、決断がお早い。


「これでも、株を運用していますからね。決断力には自信がありますよ。えっへん、なんてね?」


 あっはっはっは。確かに。私は決断力が少々欠けてまして、中々こう、スパッと言えないんですよね。何かコツとかありますか?


「コツですか? そうですねぇ~~。こう、決断出来る人というのは何種類かに分かれていると私は考えています。私の場合は、下地や土台をしっかりと作った上で、これならいける! と考え、時と場合をちゃんと把握して、ビシッと決めますね」


 なるほどぉ。だとすると、私も場合もそれが当てはまるのかも知れませんね。私も交渉に交渉をかけて、相手の反応がいいぞっていう場合があるけど、ここぞという時に前に出れてない感じですから。


「ちゃんと分かってるじゃないですかぁ、自分が苦手としている部分や足りない物が。後は勇気だけですよ。それさえ出来ていれば、どんな困難にも立ち向かえれます!」


 確かにそうですね。ありがとうございます。いやぁ、成功している人の言葉は、やっぱり重みが違いますねぇ~。


「私は成功なんてしてませんよ。今までだって失敗していたんですから。前に、トラウマが出たって言ったじゃないですか」


 あぁ、確かにありましたね。


「こう見えて、学生時代は虐められていましてね。昔はもう少し汚かったんですよ? その虐めが六年間続きましてね。その中でも女装というのがね」


 あぁ、話さなくていいですよ。またご気分が悪くなっちゃいますから……。


「……そうですね。ありがとうございます。ダージリンを飲んで落ち着きますよ」


 すみません、お辛い事の筈なのに止めなくて……。


「いいんですよ。私から話してしまったんですから。んぐ……はぁ~~。まぁそこから色々とありまして、引きこもりにはなったんですが、事情をお話ししたら私だけ特別室? といえばいいんですかね。そこで勉強をさせてもらいまして、ひっそりと高校生活は終わりました。その後は働きに出ていましたから、もう二十数年間は働いている事になりますねぇ~~」


 そうでしたか。虐めって本当に人の人生を狂わせる最低な行為ですよね? 私は許せないですよ。といっても、私は当時、見ている側で何も出来なかった人間でしたから、こんなことを言う資格はないんでしょうけど。


「大丈夫ですよ。それに、そういう人間は何処にでもいますからね」


 確かに。それに、力や統率力には勝てませんからね。今の私だったらこう、ビシッと!! は、無理かなぁ。


「あっはっはっは。それが普通ですよ。私達は、あぁいう人種とは全然違いますから。それに、気に食わないとか、気持ち悪いとかでターゲットにされてしまいますからねぇ。今の子も変わらないんでしょう?」


 みたいですね。本当、どの国にもこういう虐め問題はありますから、一生ついて回るのかもしれないですね」


「本当それですよ。今の私だったら、お金の力でなんとかしてみせますよ」


 おぉ、それはかっこいいですな。絶対的な暴力にはお金で対抗する。何かのバトル漫画ですかねぇ~。


「確かに。おっと、そろそろ帰宅して、お昼を食べる時間ですな。その後は少し長めの運動をしなければ」


 運動続いているの凄いですよ。尊敬します。僕も動こうかなぁ。


「それがいいですよ。では、私は飲み終えたので、またお会いしましょう」


 はい。またお会いしましょう。



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