5月13日
今日の作業はなにも捗らなかった。
昨日から色々考えて、あんまり眠れもしなかった。
講義の内容は頭に入らず、バイトも作業効率が著しく落ちた。
ずっと考えていた、右手とはなんのことだろう。
何故急がなければならないのだろう。
死ぬかもしれない原因はなんだろう。
とりあえず、俺の身になんらかの脅威が迫っていると仮定しよう。
じゃあ、それをはっきりと伝えてくれた方が回避できる。
しかし、普通の男はヒントを与える程度だ。
他の連中も、自分勝手に伝えたいことだけ伝えている。
あれらから、何かを汲み取るのを待っているのか?
あんな意味の無さそうな内容から……?
今日の頭には誰も出てこなかった。
こんなに近い頻度で誰も来ないのは初めてだった。
静かを望んだが、今ではない。
かえって不気味だ、今は俺が聞きたい事が山ほどあるというのに。
頭の中で普通の男や、ナルシスト、ハヤト、レント、他の住人も念じてみたが、反応は返ってこない。
仕方なく、1人で考え込んだ。
そしたら、なんとなく思い出した。
小さい頃、9歳くらいかな、俺は右手と会っているらしい。
そう、浮いてるでっかい右手だ、1~2mくらい?の素手のみだ。
スマブラに出てくるマスターハンドみたいなやつが、俺と向き合っている。
ぼんやりとしか覚えてなくて背景も真っ白だけど、確かに俺は会っていた。
なんでそんな強烈なことを忘れていたのだろう、何故今思い出せたのだろう。
なんでこんな時に誰も話しかけないのだろう。
教えてくれよ俺の頭……。
とりあえず、今日は疲れたからここまで。
明日から、日記を読み返しながら考えよう。