第8話 国のためなんだけど?
第8話 国のためなんだけど?
ついに政界を我がモノにした滝都。
法律を見直し、改正しまくり、政界で
自分が生き残るように法を捻じ曲げ、
死ぬまで首相が変わらないように変更。
あくまで表向きには良い顔を魅せ、
国民からの支持を多く獲得している。
政界ではかなり横柄に立ち回り、
誰も逆らえないようになっていた。
現在、総資産は国家予算の10倍を超え
家には家政婦やお手伝い、ボディーガード
が多く雇われている。
「パパ、お仕事おつかれ様ぁ〜。」
何も知らぬ娘たちは当然のように親を
労う。
「ママもおつかれ様ぁ〜。」
「はーい。舞美、愛美ありがとう。」
にこやかに子らを抱く滝都。同じように
子らを抱く日菜未だが、心の中では滝都の
変貌ぶりに少し引いていた。当然、それは
滝都に伝わっている。分かってて考えて
いる。
普通の家族のように過ごす日々。娘たちは
少しボディーガードが喧しいと思う程度で、
父親の異常には気付いていない。
ある時、日菜未が問い詰める。
「少しやり過ぎなんじゃないの、政治の
こと。」
「何を言ってるの?全部この国のため
なんだけど?」
明らかにおかしくなっている滝都。
目に生気が感じられない事に震える日菜未。
この国の政治が大きく変わっていることは
国内外でかなりの話題となっている。しかし
批判する国は少なく、むしろ参考にする国
まで出る始末。世界中が滝都の政策に巻き
込まれている。次回、俺だけ超人な世界
第9話、俺のなんだけど?
第8話 完