第7話 カッコ良すぎなんだけど?
第7話 カッコ良すぎなんだけど?
双子はそれぞれ姉が舞美、妹が
愛美と名付けられた。2人とも少し
だけ超人的能力を使えることがわかった。
舞美は頭脳明晰。愛美は運動神経抜群。
2人とも心は読めない。しかし、怪我は
一切しない。2人ともカッコ良すぎなん
だけど?
時は進み、3年ほど経った。滝都は
超人能力を使い、国会議員になり
国会の中でメキメキと力を付けていく。
権力者に屈することなく次々と上へ
上がっていく。滝都もカッコ良すぎなん
だけど?そうしていく中で恐ろしい事に
仕事をこなしつつも家事も積極的に行い、
少しでも日菜未の苦労を減らそうと
している。さすがと言ったところだ。
仕事もプライベートも充実し、
メディアへの露出も増えた頃、
滝都の様子がおかしくなっていた。
更に数年経ち、滝都は総理大臣へ就任。
「私、原谷は総理大臣としてこの国を
よりよくするため根本から変えて
いきます。」
そう宣言した言葉には政治家のあるあるの
表向きの良い子ぶるものであると同時に
実際にこの国の政界を変えることを言って
いたのだった。
「〇〇議員に騒動!」
「〇〇会長に隠し子!」
「〇〇派が不正!」
次々と政界の大御所たちのスキャンダルが
報道されるようになった。滝都は政界の
大御所を排除する事も目的の一つだった。
更に数年後には50代以上の政治家は政界から
姿を消した。そして報道されてはいないが
政界を裏で動かす資産家や実力者、権力者
たちも政界から手を引いたと言われている。
ついに、政界で滝都に逆らえる者はいなく
なった。これから、滝都はこの国をどう
動かしていくつもりなのだろうか。
「政界の重鎮がスキャンダルで身を引いて
いますが、原谷首相はどう思われますか!」
会見にて、記者が質問する。
「そうですね。スキャンダルはその人が
政界に居るには宜しくない人材であった
という事をあらわしていると思われます。」
きっぱりと答える。その答えにざわつく記者
たち。
「首相はスキャンダルなどありますか!
今後報道される事はありませんか!」
直球の質問が来る。答え方によっては
詰められてもおかしくない。
「私は国民に対し嘘や誤魔化し、また忖度
などによる裏切りは一切行っており
ません。あなた方記者がどれをスキャンダル
と見るかは分かりませんが少なくとも
期待は裏切ってはいない。」
そう答えた後、自ら会見場を去った。記者は
去る首相に対しいろいろな質問を投げたが
一つも答える事なく去った。
「あなた、大丈夫なの?」
家に帰った滝都を心配する日菜未。
「大丈夫だよ。それより子供たちは?」
優しく微笑み心配ないとばかりに子供を
心配する滝都。
「子供たちはもう寝てるわ。平気なら
いいわ。」
不安が残りつつも、大丈夫と言われたので
それ以上は突っ込めなかった日菜未。
国のためにあの手この手で腐った根を
こそぎ取っていく滝都。一体この先、
国はどうなっていくのか。次回俺だけ超人な
世界、第8話 国のためなんだけど?
第7話 完