第6話 可愛いすぎるんだけど?
第6話 可愛いすぎるんだけど?
日菜未の妊娠中、滝都は仕事と家事を両立
させ、その上日菜未の世話を行い隙間時間に
国会議員になる為の勉強や準備をしていた。
妊娠8ヶ月ともなると日菜未のお腹はかなり
大きくなり、体調も少し安定している。
双子であると分かり嬉しい限りである。
「日菜未、昼飯は何がいい?」
いつものように聞く滝都。
「そうね。エムックがいいな。」
エムックか。かなり有名なファストフード店
だが、妊婦は食欲がある時はえぐいくらい
食べるからな。でも、ファストフードって
良いのか?うーん。
「良いのか?」
少し不安気味な滝都。
「いつも通りよ。子供達も元気だし。」
張り切って答える日菜未。
「ねぇ?パパ?エムックがいいなぁ。」
「う、うーん。分かった、買ってくるよ。」
パパ呼びに弱い滝都であった。
そんな感じで毎日を過ごす2人。
ついに臨月、陣痛が起こる。
救急車で搬送中。かなり苦しそうな日菜未。
横で手を取り声をかける滝都。
「うぅぅぅん。ぬぁぁぁ。」
力なく悶える日菜未。
「日菜未。日菜未。俺はここにいるからな。
大丈夫だぞ。」
手を取り、日菜未を落ち着かせようと優しい
言葉をかける滝都。
かなり苦しんでいるな。心の声にも苦しさが
出てる。
病院に到着した。
滝都の声かけと鎮痛剤により落ち着きを
取り戻しつつある日菜未。
「すぐ運んで!」
「お父さんは離れて!」
スタッフが様々な指示を飛ばす。
分娩室に運ばれた日菜未。
「呼吸を整えましょうね。」
助産師さんが優しい声をかける。それに
合わせるのに必死な日菜未。
控室で待つ滝都。
「………。」
今か今かと待ち侘びる滝都。
十数時間後、2つの大きな産声が上がる。
「オンギャァ!オンギャァ!オンギャァ!」
「元気な女の子ですよ〜。」
双子を抱える助産師2人。日菜未の前に
持っていき、見せる。
「うわぁ。」
可愛すぎるんですけど?という心の声が
滝都に聞こえ、驚いた滝都。
「そうかそうか。可愛いか。良かった。」
自分の顔に似なくてよかったと思う滝都。
まだ顔は見ていないが。
無事に生まれた双子。可愛いすぎるんです
けど?次回俺だけ超人な世界第7話
カッコ良すぎなんだけど?
第6話 完