第4話 優しすぎるんだけど?
第4話 優しすぎるんだけど?
突然の告白放送後、日菜未に告白する男子と
滝都に告白する女子は居なくなった。そして
滝都と日菜未は付き合うことになった。
「やっぱあん時戻ってきて良かったよな?」
「そうだね。ふふふ。」
告白放送後の一旦公園に逃げた時の事
である。
「あれはちょっと恥ずかった。」
教室に着いたら、かなりの人が注目したので
恥ずかったという日菜未。
「まあ、あれは恥ずいわな。」
告白放送後、席替えが学校中で起こり
奇跡的に2人は隣同士になったことで
かなりいちゃついている。しかし、
先生達は注意せず見過ごしている。
滝都に歯向かうのが少し憚られるからだ。
季節はかわり受験シーズン。志望校を
そろそろ決めないといけない時期。
滝都の部屋にて。
「ねぇ、滝都?」
「ん?」
「高校どこにするか決めた?」
不安そうに聞く日菜未。
「まだかな?」
少し変に思う日菜未。
「滝都ならどこでも行けるんでしょ?
なんかあるの?」
少し悩んだ滝都は恥ずかしそうに答える。
「ま、まあ。日菜未と同じ所が
いいかなって。」
それを聞いた日菜未は顔が少し赤くなった。
「そ、そうなの?あ、ありがと。」
「俺はどこでも行けるけど、日菜未と
離れるのは嫌だし。」
少し考えて何かに気づいた日菜未。
「ねぇ?それって私じゃいけないって
こと?」
怒らせたと思い焦る滝都。
「い、いや、そうじゃなくて、俺は
超人?みたいなやつだけど、日菜未は
普通だから、なんか可哀想だから……。」
さらに言い訳を続けようとしたが日菜未が
止めた。
「もういいよ。分かってるよ。滝都が
優しいのは。別に怒ってないから。」
安堵する滝都。少し照れる日菜未。
全く、優しすぎるんだけど?と日菜未が
心の中で言った。当然、滝都には聞こえて
いる。
「そんな事は無いよ。日菜未。」
心の中で言ったつもりが言葉に出してたの
かと焦る日菜未。
「へ?私何か言ったっけ?」
思わず心の声に反応してしまったことに
焦る滝都。
「い、いや?な、何も?」
やけに焦る滝都を見て怪しんだ日菜未。
「ん?何か隠してるの?」
その言葉にやられた滝都は、
「俺、近くの人の心の声が聞けるんだ
よね。」
と告白。
「え?………。えぇぇぇぇ!!」
驚きを隠せない日菜未。
「そりゃあびっくりするよな。ごめんな。」
「い、いや、まあ考えて見れば出来なくは
ないか。まあ良いよ。」
焦りつつも理解を示す日菜未。
「じゃ、じゃあさ、私喋らなくてもいい
って事?」
何かを思いつき、変な事を言い出す日菜未。
「それは、違うよね?」
「まあね。あ。心の声が聞こえるなら
何をするか分かるよね?」
おいおい、授業中に話しかける気かよ。
「それはきついな。でも俺は心の声で
話しても日菜未は聞こえないだろ?」
「それは、別に良いのよ。」
ふと時計を見た日菜未は、
「あ、もうこんな時間!帰らないと!」
と、片付けを始めた。
「あらら、そかそか。」
「じゃあ、また明日な。」
ニコニコして何かを期待する日菜未。
「うん。じゃあ、あれしよう?」
「え?あれ?恥ずいけどな。」
「いいじゃん今誰もいないし、あれしないと帰れないぃ〜。」
少し駄々をこねる日菜未。
「分かった。分かった。」
また明日のキスをする2人。照れながら
2人は別れた。
いやぁ〜、お熱いわ2人。滝都は
優しすぎるんですけど?わざわざ
一緒の高校にするなんてね。という事で
次回俺だけ超人な世界、第5話
恐ろしすぎるんだけど?
第4話 完