第1話 色々おかしいんだけど?
第1話 色々おかしいんだけど?
20XX年、とある子供が産まれた。その
子供は普通の子のはずだったが、小学校へ
入学する頃、とある異変が起こった。
「お、おい!こいつ化け物だ!」
同級生のF君がそう言ったのは、俺を
見たからだった。
小学生のノリでただイタズラし合ってたの
だが、俺がT君の肩を押しただけだった。
しかし、T君は教室の端から端まで飛んで
気絶していた。
「ご、ごめん。」
俺はそれしか言えずに逃げ出した。
それからというもの、信号無視して
俺にぶつかった車の方が大破したり、
50mを3秒で走ったり、毎回定期テストで
学年1位と獲ったりと、色々とおかしな事が
起こりに起こりまくった。小学校を卒業する
時には誰も俺に文句を言わなくなった。
小学4年の時、病院にいって精密検査まで
したが、何も異常は見られなかった。
親は、
「とんびが鷹を産んだ」
なんて調子のいいことを言って気楽な
もんだ。俺にとってはかなりきつい。
今更だが、俺の名は原谷滝都(はらや
たきと)。20XX年10月15日生まれ。
A型、天秤座。まあ、血液型とかは
あんまり関係ないけどな。
中学生に上がる頃には俺を知らない人は
居なくなった。しかし、知っているのは
俺の地域だけだった。
「あなた、原谷さん?」
知らない人から話しかけられるなんて
日常茶飯事だった。
「あ、はい。あなたは?」
「俺の事はどうでもいいです。
助けてくれませんか?」
はぁ、嫌な予感しかない。小学校の後半から
よく頼み事をされるようになった。当然と
いえばそうだろうが、かなりめんどい。
「どうしたんですか?」
「と、とりあえず着いてきて下さい。」
「あ、ああ。」
何も分からないまま連れられ、隣のクラスへ
促された。その中では大変な事が……!
「おいおい!てめぇ、俺を舐めてんのか?
オラァ!?」
ああ、このパターンか。クラスでヤンキーが
喧嘩してるから仲裁してくれってやつ。
「あぁ?テメェの方が舐めてんだろう!?」
あーあ。殴り合いになってるよ。
めんどくさ。
「はいはい。落ち着いて。何が原因か
知らないけど喧嘩は意味ないよ。」
俺を見るや否やヤンキー達は喧嘩をやめ、
俺に謝り出した。
「す、すみません!」
「こ、こいつが悪いんですよ!」
「ちげぇよ!お前が先に手ぇ出したんだろう
がよ!」
あーあ。責任の擦りつけ合いになったよ。
「待て!」
「は、はい!」
俺の一言で止まるものの、あまり効果は
長引かない。
「とりあえず、お前ら俺が卒業するまで
絶対に喧嘩するな。これを破れば、
2度と歩けなくなるぞ?いいな?」
「ひっ!」
完全にビビってるわ。まあ、本気じゃ
無いけどこれぐらいしなきゃガキは止まら
ないからな。
「返事は?」
「は、はいっ!」
ビビって同時に返事してるよ。
「これでいいか?」
頼んできた男の子に確認する。
「あ、はい。ありがとうございます。」
あ、やばい。こいつまでビビってるわ。
このクラスに2度と来れないわ。まだ
中学始まったばっかなのに。
何故かニュースで大きく取り上げられる
事はなく、噂になるのは近くの学校程度。
これはメディア側が広めることに対して
懸念しているからだと言われている。
色々おかしいんだけど?と思わず言って
しまう彼の人生。まだまだこれは
始まりに過ぎない。このまま読み進める
覚悟はあるか。次回俺だけ超人な世界
第2話、モテすぎなんだけど?
第1話 完