第10話 疲れたんだけど?
第10話 疲れたんだけど?
「疲れたんだけど?」
そう言い出した、世界の王滝都。文字通り
世界を牛耳った滝都は毎日遊び呆け、
国民へのアピールの仕事をしたりと
忙しかった。そんな中の一言だった。
「毎日、国民に良い子振るのは疲れた。
俺のコピーでもつくって楽しようかな?」
とんでもない事を言い出した滝都。しかし、
出来ない事はない。そこから、ある程度の
政治は側近に任せ、コピー造りに没頭した。
「これじゃないな。」
試行錯誤を山ほど行い、何日も時間を
掛けた。
「これか?」
光となりそうな方法を見つけ、加速する
コピー造り。
製作開始から5年余経った頃、
「ついに完成したぞ!」
代わりに政治等を行うためだけに造られた
滝都のコピー人間が完成した。
「よう!お前は俺だ。原谷滝都だ。」
コピー人間に話しかける。
「なるほど、俺は原谷滝都なのか。」
はっきりと会話が出来る模様。
「完璧だ。じゃあ、あとの事はよろしくな。
さあ、遊びまくろ。」
政治等めんどくさい仕事をコピー人間に
任せ、隠居生活を始めた。
しかし、何もかも順調に見えたと思えた頃、
とんでもない事が起こった。それは、
コピー人間の裏切りである。
「お、おい!何をやってる?俺の仕事を
しないか!」
慌てる滝都。
「あ?俺に逆らうのか?もう何もしてない
奴に逆らう権利などない!死ねぇ!クズ!」
超人とそのコピーの殺し合いが始まった。
それは国同士の戦争さながらの模様。
この戦いは1年ほど続き、世界中で話題と
なった。双子説やら、なんやら飛び交い、
世界の王は人間ではないという衝撃も走り、
世界は混沌としていった。
「もう、死ねよ。コピー。」
「コピーと言うな、クズ。」
2人の会話はもはや小学生の会話さながら。
戦いは核を思わせる破壊力で戦場は元の
景色が全く分からないほどに。この戦いに
より、2人は同時に死亡した。世界の王が
同時になくなった事で更に世界は混沌とし、
法や秩序が完全に無くなった。2年後には
全人類が全滅した。何を間違えたの
だろうか。
俺だけ超人な世界、終了。ハッピーエンド
への道はなんだったのか。
第10話 完
これで本編は終了です。ここまで読んでいただきありがとうございます。アナザーストーリーも読んでいただけると幸いです。