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97 最初のターゲット!


 九十七話  最初のターゲット!



朝。 ランドセルを華麗に背負い優香より先に家を出たオレはちょうどエマとその妹・天使と鉢合わせる。



 「ダイキー、おはぁー」



 天使が慣れない日本語を使いながら手を上げてオレに挨拶をしてくる。

 

 うはああああああ!!! かわえええええええ!!!


 

 「おはようダイキ」


 「おう、おはようエマ」


 

 その後オレはエマに挨拶。

 もちろん昨日の今日だ……視線はもちろんエマのスカート。


 この布の向こう側にワンダーランドがあるのか……ぐふふふ。

 思わず昨日エマの肌が当たっていた膝を軽くこする。



 「ーー……ん? どうしたの膝なんか摩って」


 「あ、いやなんでもないなんでもない。 ほら、行こうぜ」



 こうしてオレたちは3人でマンションを出て学校へと向かったのだった。



 ◆◇◆◇



 「あ、そういえばさ、エマ」

 

 「なに?」


 「そろそろこの子の名前教えてくれてもいいだろ」



 オレは目の前を元気に可愛く歩く金髪の天使に視線を向ける。

 

 ていうかあれだな。

 エマのやつ、あの天使が本当の妹じゃないからあんなデレデレのメロメロだったんだな。

 気持ちは痛いほどわかるぜ。


 

 「え、名前? んーー」



 エマが腕を組みながら悩み出す。

 すると話している内容が聞こえたのか天使が片足を軸にくるりと回転してこちらに体を向ける。



 「エマおねーたん、言ってないのー? 」



 金髪の天使が純粋な瞳をエマに向ける。



 「うっ……!」



 あまりの可愛さにエマは立ちくらみ。

 オレの肩にもたれながら呼吸を整える。


 

 「おい大丈夫か」


 「うん……ごめんね、可愛すぎてつい。 ねぇ、自分で自己紹介できる?」



 「あいっ!!」



  元気に手を上げた天使はオレに視線を移してこう言った。



 「あたち、エッチー!!」



 「「ーー……!?!?」」



 エ、エッチーだってえええええ!?!?



 「え、本当にエッチー?」


 「うんエッチー!!」



 金髪天使が満面の笑みでコクンと頷く。



 「そ……そうなんだ、よろしくエッ……」

 「ちがああああああう!!!」



 オレが挨拶を返そうとすると全力でエマが止めに入る。



 「なんだよエマ」


 「違うの!! エッチーじゃない!! この子の名前はエルシィ!!」



 エマが金髪天使を指差しながら必死に訂正する。



 「エルシィ?」


 「うん! エッチー!!」



 あ、なるほどねちゃんと名前話せないやつね。 理解理解。



 「なんだびっくりしたじゃないか」


 「そんな名前あるわけないでしょ」



 エマが背中をポンと叩いてツッコミを入れる。



 「いや、外国の名前ってすごいなーって思った」


 「聞いたことないでしょ、エッチーなんて」


 「確かに」



 なるほど、金髪天使の名前はエルシィちゃんっていうのか。



 その後オレたちは無事学校へ到着。

 エルシィちゃんと別れたオレたちは上の階にある教室へ。

 


 「じゃあダイキ、また休み時間」


 「あぁ」


 

 エマと別れて自分のクラスの教室の扉を開く。

 


 「もう!! 誰かって聞いてるの!!!」


 「!?」



 突然の怒号。 ーー……喧嘩か?

 声のした方に視線を向けると杉浦の取り巻きのブス女子2人……斎藤と瀬川。

 教室にいる女子たち1人1人に声を荒げながら詰め寄っている。



 【送信・三好佳奈】何があったんだ?



 何があったのかすでに教室にいた三好にメールで尋ねる。

 するとしばらくして返事が。



 【受信・三好佳奈】なんか昨日、あの2人がトイレ行ってた時に杉浦が2人のことを好きみたいなデマを流した人がいるらしいよ。 それで2人ともフラれてキレてんの。 ダルいよねー。



 あぁ……小畑女王様。

 

 そんな小畑に視線を向けるとちょうどブス2人が小畑に尋問を開始したところ。



 「小畑さん!! 小畑さんじゃないよね!? 何か知らない!?」


 

 ブス2人が机に手をついて小畑の近くで大きく叫ぶ。



 「えーー、私知らないよぉーー」



 小畑は両手を振りながら少しぶりっ子気味に否定。

 もはや怒りを煽っているようにしか見えませんが……



 「ここにいる女子みんなそう言ってるの!! 小畑さんじゃないとしたら誰なのよ!! 」



 ブス2人はキーキーわめきながら女子たちを睨みつける。

 そんな2人を見ながら小畑は体を細かく振動。

 唇を少し膨らませて今にも笑いが吹きこぼれそうな状態だった。


 ーー……もしかして小畑って性格は純粋な女王様だけど、1周回っていじめっ子キラーなのでは??

 これオレの行動によっては結構ダルめのいじめっ子を勝手に殲滅してくれるかもしれない。


 その後も担任が来るまで教室内はブス2人の耳障りな雑音。

 オレはその間夏休みに撮った結城の写真を見たり三好とメールをしたりしながら時間を潰すことにした。



 【受信・三好佳奈】ねぇ福田は犯人知らないのー?


 【送信・三好佳奈】知らないけどあの2人の奇声どうにかなんない?


 【受信・三好佳奈】私がどうにかしてほしいくらいだよー。 もう杉浦、2人のどっちかと付き合ってくれないかなー


 【送信・三好佳奈】いや、あいつが好きなの水島さんだろ


 【受信・三好佳奈】マジ!? 




 ーー……そうか。

 色恋系を利用したら一気に精神ダメージ与えれるのか。

 


 【送信・三好佳奈】なぁ、水島さんの好きな人って誰なの?


 【受信・三好佳奈】ちょっとわかんないかなー。 あとで麻由香や美波に聞いてみるね


 【送信・三好佳奈】おう、よろしく。 出来れば水島さん以外に、須藤と柳のもお願い。


 

 須藤と柳……天パと歯抜けの名前だ。

 昨夜寝る前に名前確認して覚えてきたんだよな! オレ偉い!!


 これで好きな人が分かった順に、小畑みたいに嘘情報を垂らし込んで杉浦や須藤・柳に告白させて玉砕させれば……くくくっ!!

 今まで虐めてきた報いを再び受けるが良い!!!

 楽しみすぎて口角が少し上がる。



 しばらく待っていると三好からメールが。



 【受信・三好佳奈】水島さんはわからなかったけど、須藤と柳は分かったよ


 【送信・三好佳奈】よくやった! だれ!?


 【受信・三好佳奈】須藤が杉浦と一緒で水島さん。 で、柳は3組の西園寺さんらしいよ



 ーー……よし。

 オレはスマートフォンの画面から歯抜け……柳へと視線を移す。


 

 まずはお前からだ歯抜け! 

 オレをいじめてくれたお礼に絶望をお届けしてやるぜ!!!


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 歯だけでなく魂も抜けそう 南無南無…
[良い点] エッチーかとおもえばエルシィ。 かわいい。幼女かわいい。 小畑ちゃんの攻撃が!ここで効果覿面! これからはダイキの反撃のターンか。 どうなるのやら! [気になる点] エルシィちゃんのエッ…
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