91 エマの宣言!
九十一話 エマの宣言!
「ーー……なんだったんだあいつ」
職員室から出たオレは首を傾げながら下駄箱へと向かう。
「危なかったね。 怪我してない?」
「え?」
声がした方を振り向くと保健室の入り口から先ほどの金髪外人・エマが顔を出して笑っていた。
「ちょ、お前だましただろ」
「いいじゃない。 ああ言わないとあの子達、君をボコボコにしてたわよ」
なんだ? さっきと雰囲気全然違うけど。
「来て」
「え」
「保健室」
「いやでも」
「来ーーて」
「ーー……」
エマが半ば強引にオレを保健室の中に連れ込む。
「ーー……なに?」
「どこ殴られたの? 保健の先生いないけどエマが消毒したげる」
エマはオレを無理やり丸椅子に座らせて顔や頭を調べ始める。
「ちょ……!! な、なんだよ!」
エマは頭部を調べているため、オレの目の前にはエマの胸部。
数センチ前に寄ったら当たる距離だ。
当てたい当てたい当てたい当てたい!!!!
オレの視線はそこへ釘付け。
いくら見たところでエマはオレが殴られたと思っているのか傷探しに夢中だ。 バレることはない。
ーー……てかどうなんだ? こいつパンツ履いてなかったよな。
てことは上も……!?!?!?
バクバクバクバク!!!!
心臓が激しくビート。 それに応じてオレの目も何か見えないかと必死に捜索を開始する。
しかし無情にも時は過ぎていき……
「んーー、怪我してないっぽいね。 よかったね」
エマは怪我の捜索を中止。
美しい笑みを浮かべながらちょこんとその場に座った。
今度は上目遣いかよ……最高だ。
それと足の間……もう少し、あともう少しだけ開けてくれ!!
そう願いながらエマの足の間に視線を集中している時だった。
「ーー……いや、もうちょっと上手く見なよ」
「!!!!」
急いで顔を上げるとエマがじとっとした目でこちらを見ている。
「え……あ、いやその」
「まぁそういう年頃の男子は好きだって知ってるけどさ」
エマはより一層足を閉じてからコホンと咳払い。
その後オレをジッと見つめる。
「ーー……なんだよ」
「君さ、いじめられてるんでしょ?」
エマがまっすぐオレを見て尋ねる。
「あぁ……まぁ。 結構」
「辛い?」
「物によるかな。 ウザいものは結構ウザいけど。 どうして?」
オレが逆に尋ねるとエマはニコッと笑って立ち上がり、その白く透き通った肌をした両手でオレの手を優しく包み込む。
「ーー……なんだ?」
「安心して。 エマがいじめっ子たちから君を守ってあげるから」
「は?」
そう言うオレに伝えると満足したのかエマはくるりと体を回転。 オレに背中を向けてそのまま扉に手をかける。
「あ、そうだ。 名前聞くの忘れてたね。 君、名前は?」
「オレ? 福田ダイキ」
「ダイキは何組?」
「2組だけど」
「オーケー。 じゃあ明日から休み時間や昼休み、放課後はエマが一緒にいてあげるよ」
「えええええ!?!?!?」
◆◇◆◇
その日の夜。
ふと思い出したオレはスマートフォンであることを調べる。
「外国……ノーパン……文化……っと」
結果ネタっぽい記事しかヒットせず。
「くそっ……オレの夢を返せよ!! でも今日は色々とありがとよ!! ノーパンとかノーパンとか!!」
現実を突きつけられたオレは軽く舌打ちをしながら眠りについたのだった。
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