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721 【真・結城編】驚きの感謝祭!


 七百二十一話  【真・結城編】驚きの感謝祭!



 優香やギャルJK星の合格も決まって週末などは今までのような……いや、今までよりもかなり賑やかに。

 12月も中旬に差し掛かっていたある日の週末の夜。 この日は優香とギャルJK星による高槻さん感謝祭が行われようとしていた。



「えええ、何かと思って来てみれば……わ、私に感謝する会ですか!? そんな申し訳ない……私、2日間しか手伝えてないんですよ!?」


「そんな謙遜けんそんしなさんなってー」


 

 何も伝えられずに家に招かれた高槻さん。

 先ほど玄関で本日のイベントを聞かされたのだろう。 困惑の表情を浮かべながら迎えに出たギャルJK星とともにリビングへと入ってくる。



「謙遜なんてそんな……。 合格できたのは優香さんや美咲さんの今までの努力の結果ですから」


「なーに言ってんスか舞ちゃん。 アタシの英語の点数、舞ちゃんがいなかったらズタボロだったんだよー?」



 そう。 これは後から聞いた話なのだが、実はギャルJK星……英語がかなり苦手だったらしく、高槻さんの助力がなかったら落ちていたというのだ。

 高校の教師に教えてもらったこともあったらしいのだが説明を受けてもまるで理解不能。 しかし日頃小学生低学年を相手に教えていた高槻さんは基礎の基礎から根気強く優しく説明……そのおかげでなんとか理解に追いつけることができたとのことだった。



「舞ちゃんはアタシの人生の恩人だべー」


「大袈裟ですよー。 美咲さんがちゃんと理解しようって気持ちがあったからこそ成せた結果です」


「ゆーちゃんも舞ちゃんに感謝してもしきれないって言ってたよ?」


「そうなんですか? ていうか優香さんは?」


「あ、ゆーちゃんなら今桜子を迎えに行ってるよ。 桜子がいた方が舞ちゃんも喜ぶだろうからって」


「もうなんなんですかー? めちゃくちゃ至れり尽くせりじゃないですかぁー」



 おお、一気に表情が緩んだぞ。

 やはり短期間ではあるが母親代わりをしてくれていたことだけのことはあるな。 完全に結城にメロメロだぜ。



 それから約1時間後、結城を連れて優香が帰宅。

 今回は高槻さんが主役だもんな。 優香が手に持っていた紙袋には、かなり高級そうなワインやら日本酒やらが入れられていた。



「そ、それはかなり入手困難な……ど、どどどどうしたんですかそれえええええ!!!!」


「あはは。 本当に高槻先生ってお酒お好きですよね。 実は私、結構人脈がありまして、お酒好きな人が『これどうぞ』って提供してくれたんです」


「『これどうぞ』って……? ええええええええ!?!? 無料ただでですかああああああああ!?!?」



 ◆◇◆◇



 結城が来たことと入手混乱なお酒も飲めるということで高槻さんのテンションボルテージは一気に限界突破。

 優香&ギャルJK星お手製の料理も用意されていてそれはもう盛り上がっていたのだがその途中、完全に酔いの回った高槻さんが「そろそろ私も考えないとなぁ……」と虚ろな目でグラスを見つめながら小さく呟いた。



「そろそろ考えるって……あ、結婚ですか?」



 優香の問いかけに高槻さんが小さく首を縦に振る。



「そう。 ほら、私ももういい年じゃない? 実家の両親からも『いい相手はいないのか』ってたまに連絡も来るし……このまま大好きな教師を続けるのもいいんだけど、親孝行もしたいなってたまに考えるのよ」



 どうやら高槻さんにも弟がいたらしく、その弟の影響で教師を目指し始めたとのこと。

 しかし言いたくないのか詳しくは話してくれずにすぐに別の話題へと切り替わっていったのだが……ここで優香とギャルJK星が言葉を失う事件が起こる。



「えええ、じゃあ舞ちゃん! 結婚したいならまずは相手探しだべ!? 明日予定なかったら一緒に縁結びの神社いかない!?」



 ギャルJK星の言葉に高槻さんが顔を上げて反応。

「縁結び……」と少し興味を示す。



「そそ! 実はアタシとゆーちゃん最近そこにいったんだけどさ、その時は脳みその大半が受験のことでいっぱいだったからちゃんと祈願出来てなかったと思うんだよね! だから……ゆーちゃんはどう思う!?」

「いいと思うよ。 確かに私もあの時は恋愛祈願って言いながら『受験受かりますように』ってお願いしてたし……そうだね、今なら心から『恋したい』ってお願いできるかも」



 2人は参拝した証の恋愛成就のお守りを取り出し、「ここに書いてある名前の神社だよ」と高槻さんに見せる。



「あ、御白神社みしろじんじゃ。 恋愛成就で有名なところよね」


「え、はい」

「えー!? 知ってんの舞ちゃん!」


「うん。 今はどうか分からないけど、私が高校生の時にはかなり話題になってたもん」


「そうだったんだー! え、じゃあ尚更一緒に行かない!?」



 目をキラキラと光らせながら顔を近づけていく優香とギャルJK星。 やはり女の子は恋愛系が大好物なのだろう。 結城も自分も行きたそうにモゾモゾしながら優香たちに視線を向けて控えめに手を挙げ始める。



「御白神社……」


「どうですか?」

「ねーねー舞ちゃん、行こうよー! お守りって誰かから貰った方が効果あるっていうし、アタシが買ってプレゼントするからさぁーー!!」

「わ、私も……その、勇気が欲しいし、行きたい、な……」



 これは高槻さんが「行く」と言えば決まってしまう流れ。

 オレは当然高槻さんは行くのだろうと勝手に予想。 しかし高槻さんの口から出た言葉はオレたちが想像していたそれとは全く違った内容となっていた。



「あの真っ白な狐が祀られてる神社であってるよね?」


「はい、本当に知ってる……詳しいんですね」

「うわあああ!! めっちゃ詳しいじゃん!! 尚更行こうよー!!」

「わ、私……も」



「でも確かあそこの神様、基本神社にいないよ?」



 ーー……。



「「え??」」


 

 予想外の返答に優香もギャルJK星も顔を見合わせながら困惑。

「ど、どういう意味ですか?」と逆に高槻さんに質問を投げかける。



「えっと……これも詳しくは言えないんだけど、私、約10年前はその神社の近くの小学校で教師してたの。 それで当時受け持っていたクラスの女の子に、血は繋がってないんだけど霊感の強い優しいお兄さんがいて……よくそこのお家にその神社の神様が居座ってたって話を聞いてたの。 だからもし今もそのお家に居座ってるのだとしたら、神社でお願いしても願いは届かないかと……」


 

「「「「ええええええええええええ!?!??!?」」」」



 さすがはベテラン教師。 長年やってると色んな生徒を受け持つんだな。

 これを聞いた優香とギャルJK星は肩を落として落胆。 「じゃあもう普通に遊園地行きません?」と先ほど提案していた場所とは真逆の行き先を提案し、普通に遊ぶことで決定したのだった。



 それにしても神様が家に居座ってるってどんな感じなのだろう。

 オレの知ってる神様みたいに与田美香のような肉体を創造してそこに魂を依り代にして動いているのか、はたまた褐色少女・陽菜の姉・愛莉みたいに霊体でフワフワ浮いているのか。 かなり興味深い……機会があれば会って、話してみたいものだぜ。



 あ、そうそう言い忘れてたよ。 高槻さん感謝祭の翌日……なんとなく予想はついていただろうけど、高槻さんが二日酔いのため遊園地が中止になったことはいうまでもない。



お読みいただきましてありがとうございます!!


さぁ、色んな意味で準備は整いました!!これで……!!!!

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