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71 唸れオレの変態脳!!


 七十一話  唸れオレの変態脳!!



 なんてことだ……そういや気にしていなくて知らなかったが、まさかダイキの誕生日が三好よりも後だったなんて!!


 オレはゆっくりと優香の方から三好に向き直る。

 すると見てくれよ……これを人は形勢逆転って言うんだろうな。



 「あっれー? ダイキくん私の方がお姉ちゃんでちたねー♪」



 三好は口に手を当ててクスクスと笑いながらオレを見下し始めたのだった。




 ◆◇◆◇




 「ーー…で、いつまでいるの?」



 夜。 なぜか三好がオレの隣に座って晩御飯を食べている。



 「なんか佳奈ちゃんのご両親、今夜デートなんだって。 それで三好くん……佳奈ちゃんのお兄さんも友達とご飯の約束してたらしくてね、今夜家に泊まることになったの」



 「えええええええ!!!!!」


 

 オレは体を小刻みに震わせながら三好に視線を向ける。



 「ーー…ってなわけだからよろちくね。 ダイキくーん」



 くっそ調子に乗りやがってええええええ!! 

 家に泊まるのは結城とギャルJK星だけで十分なんだよ!!


 そして三好よ、オレを優香の前で辱めたこと……絶対後悔させてやる。

 オレは今夜、三好に完全なる仕返しをすることを心に誓ったのだった。



 ◆◇◆◇



 晩御飯が終わって少し。

 優香が部屋で宿題に集中しているのを確認したオレは静かに脱衣所へと向かう。


 ゆっくりと扉を開けると浴室の方から三好の鼻歌が聞こえてくるではないか。 やっぱりオーディション後ってこともあって歌うのはラブカツの曲なのな。


 洗濯機の中を覗き込むと中にはさっきまで三好が履いていたであろうパンツ。

 ……ピンクと白の縞パンですかそうですか。


 オレはそれを一嗅ぎした後パパッと自分の服をパージ。 目標地点となる浴室へとつながる扉をしっかりと見据える。



 「これより目標地点への潜入を開始します!」



 ガチャ!!!



 オレは勢いよく扉を開け浴室へ突入。



 「えっ……!?!? 福田!? ってか……えっ!? えっ!?」



 三好は状況が掴めていないのか混乱し、しばらく目を泳がせた後に急いで体の向きを変えてオレに背中を向ける。



 「な、なんで福田入ってきてんの!? し……しかもスッポンポンでぇ!!」



 ひゃっほーーーーう!!! この初々しい感じ、堪んねぇなあ!!!!



 「あー、佳奈お姉ちゃん、入ってたんだぁー。 ボク、気づかなかったなー」



 棒読みで喋りながら三好へ少しずつ近く。



 「な……!! もしかしてこっち来てんの!? 早くあっち行ってよ!!」


 「何言ってんだよ佳奈お姉ちゃーん。 兄弟なんだから一緒に入ろうよー」



 オレは三好の言葉を無視。

 三好の隣にザブンと飛び込む。



 「ちょっ、福田、調子乗るのも大概に……」


 「いやー今日のオーディション、佳奈お姉ちゃんの朝日アロハちゃん可愛かったなー。 あのバナナのネックレスもめちゃめちゃ似合ってたよー」


 「分かった! 分かったから早く!!」


 「思い出したらなんかテンション上がってきちゃったー」


 「もう、福田さっきから何言って……!!」


 

 そう軽くキレながら三好がオレの方を振り返る。



 「ーー……!?!?!?」



 ニヤァ!!!!



 その後三好はオレより先に風呂を出ることはなかった。



 ◆◇◆◇



 ーー……まだだ、まだ終わらんよ。


 

 就寝時間。

 優香が寝静まったことを確認したオレの部屋で眠っている三好のもとへと突撃。

 扉を開けると三好はベッドの上で寝転がりながらスマートフォンをいじっていた。



 「えぇ!? また!?」


 「佳奈お姉ちゃーん、一緒に寝ようよ怖いよー」



 オレは答えを聞かずにベッドにダイブ。

 そのまま後ろから三好に抱きつくと、三好が逃げないよう両足で三好の足を外側からロックする。



 「ちょ、離してよ福田!!」


 「これは、真夏のとある家で起きた本当の話です」



 オレは三好の耳元で静かに囁く。



 「ーー……!!??」


 「その日私はいつものように目が覚めてトイレに向かっていたのですが……」


 「ちょ、ちょっと福田、それやめない? 時間も時間だしさ、そういうのは外が明るいときにでも……!!」


 「何か変なのです。 私が一歩歩くたびに後ろから鈴の音が聞こえてきて……」


 「福田!」


 「恐る恐る後ろを見るとそこには……!!」


 「にゃあああああああ!!!!」



 三好はオレの言葉をこれ以上聞こえないように声を出しながら必死に耳をふさぐ。

 ーー……だが、これでいい。


 オレはそこで三好をロックしていた足を離し、そのままベッドから降りると何事もなかったかのように部屋を出ようと扉に手をかける。



 「えっ!! ちょっと待って!!」



 立ち去ろうとしたオレの腕をベッドから飛び出した三好が必死に掴む。


 ーー……ニヤァ



 「どうしたの佳奈お姉ちゃん」


 「待ってよ、ここまで怖がらせといて……1人にするのおかしくない?」



 三好の手は細かく震えている。 これは効果ありだな。

 では次のフェーズ……段階へと移行しよう。



 「え、じゃあ今夜は佳奈お姉ちゃんと寝ていいの?」


 「良い! 良いから出て行かないで怖いから!!」



 三好は声まで震わせながらオレに訴える。


 っしゃあキタアアアア!!! JSと一緒に寝れるなんて神展開だぜえええ!!!

 だがまだまだ!! 終わってないぜ佳奈お姉ちゃんよおおおお!?



 「その手を離してよ佳奈お姉ちゃん。 ボク、今からトイレに行きたいんだ」


 「待って! じゃあその間私1人になっちゃうじゃん!!」


 「佳奈お姉ちゃんはボクよりお姉ちゃんなのに怖がりさんだなぁー。 だったら一緒について来れば良いじゃない」


 「え? それはどういう……え? え?」



 三好の視線がオレの顔と……どこをピンポイントに見てるのかは分からないが、下半身の方を上下交互に見る。



 「ほら、1人は怖いんでしょー? ついてこないなら良いよ。 ボク、先に行ってるからー」


 「ま、待って! 行く、一緒について行くから!!」




 その夜オレは変態脳をこれでもかというほどにフル回転させ、三好への仕返しを心から楽しんだのであった。

 翌日三好は午前中には帰っていったのだが、心ここに在らずって感じだったなニヤニヤ。



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