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701 【真・結城編】再び見せる男気!!


 七百一話  【真・結城編】再び見せる男気!!



 怪しい空気バチバチの宗教勧誘ババァを追い返してくれたことは助かったとも。

 でもな、それで安心した空気の中でのあの女王の発言……



『それでもう2人とも付き合ったっしょ? 付き合ったよね!?』



 これによりオレと三好の冷静さは一気に崩壊。

 オレはずっと聞きたかったことなだけあって気が気ではなくなり、三好は「うわあああああ!!!! 何言ってんのさ美波いいいいいい!!!!」と顔を真っ赤にさせながら小畑の口を押さえにかかっていた。



「もー佳奈、いつまで経っても進展ないの辛くない!? この際だしもう言っちゃおうって!!」


「ちょ、美波ほんと黙ってって!」



 三好が必死に小畑を止めようとするも、小畑の運動神経全般は伝説のセンターなだけあって三好のそれとは比べものにならず。 まるで赤子を相手にするかのように三好の制止を笑いながら避けていく。



「あははは、佳奈頑張れー!」


「んがあああああああ!!! ムカつくーーーー!!!!」



 そうしているうちに三好の体力が0になると、それを察した小畑はくるりと三好の背後へ……腕を後ろに回した状態で三好の動きを封じ込め、「んじゃー行ってみましょー!!」と三好の体をオレの方へと向けてきた。



「よし。 福田」



 小畑が三好の背後から顔を覗かせオレをまっすぐ見つめてくる。



「は、はい」


「福田は佳奈のこと、どう思ってる?」


「え、それはもちろん……」


「嫌い?」


「そんなわけ……!」


「うん、その反応ならあれだね。 んじゃ男見せようか!」



 小畑はニコッと微笑むと顔を引っ込め三好を前面に押し出してきた。



「えええ!? 美波、福田に男見せろって……えええ!?」



 動揺を完全に表情に出した三好と目が合う。



 これは……言ってもいいものなのだろうか。



 オレの脳内では数ヶ月前、結城にこっぴどく振られた時の映像がフラッシュバック。 もしこれで失敗しようもんなら今度は三好との距離が空いてしまうのか?



「ーー……っ!」



 確かに今のオレは三好を心から大事に思っているし、もし付き合えたなら……将来ずっと一緒にいたいとも思っている。

 でも三好は……



 オレは以前……そして本日三好が口にしていた『オレのことが好き』の『好き』の意味を深読み。

 これがLOVEではなく単なるLIKEなのだとしたら……そんなことを考え尻込んでいると、小畑が「福田!!」と一喝。 ここは女王の勢いに身をまかせるより他にない!!!

 オレは再び勇気を振り絞り、三好に想いの丈をぶつけることにした。


 

「み、三好……!」



 オレの声に三好の体がビクンと反応。

 視線を泳がせながらも顔をオレの方へと向けてくる。



「聞いてくれ、オレは……」


「え、あ、……いや、ちょっと……」


「オレは……オレは三好のことが……」



 言うぞ……言うぞ!!!



 続きの言葉を言うためにオレが息を目一杯吸い込むと、三好が「ちょ、ちょっと待って!! たんま!! そこから先はお願いだから言わないで!!」と首を激しく左右に振って訴えてくる。



「もう佳奈! せっかく福田が男見せるんだからしっかり見てないと!!」


「違うの!! 違う……私は確かにその……だけど、でもそうじゃなくて……!!! もし言われたら私、どうなっちゃうか……!」



 三好が必死に身体をよじらせて小畑の拘束から逃れようとするも、結局それは叶わず。

 そしてオレも一度腹をくくった身……もう引くことはできねぇんだよ!!!



「三好いいいいいいいい!!!!」


「い、いや……やめ……」



「好きだああああああああああああああああ!!!!!」



 数分前の騒がしい空気は何処へやら。

 オレが告白を終えると同時にその場を静寂が包み込む。



「おお!! やった言えたじゃん福田!! 今のはカッコよかった……ほら、返事いいなって佳奈!! ……佳奈?」



 俯いて動かなくなった三好の顔を小畑が後ろから覗き込む。



「え、ちょ……佳奈!? どーしたの!? なんで……なんで泣いてんのさ!」



 顔を上げた三好の瞳からは一筋の涙。



 その後しばらくオレと小畑が互いに無言で立ち尽くしていると、ようやく三好が小さく口を開いた。



「ごめん、福田……」


「え」


「ちょっと今日は……もう……。 返事は今度……どこかで絶対するから、時間……くれる?」


「ーー……わ、わかった」



 結局三好はオレのことをどう想っていたのだろう。



 答えを聞けないままオレは三好の部屋を後にすることになり、三好に距離を置かれたらどうしようという不安に襲われながら帰路に着く。



「返事は今度……どこかで、か。 頼むから嫌わないでくれよな……」



 しかしオレの願いは虚しく、それから数日が経ったのだが……三好はオレのもとにめっきり姿を見せなくなってしまったのだった。


 

お読みいただきましてありがとうございます!!

挿絵描きたいのですが絶賛スランプ中です早く感覚取り戻します!!

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